ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

美鈴湖

2015-12-14 11:00:00 | 長野県
2015年12月13日 美鈴湖
 
美鈴湖は長野県松本市三才山の信濃川水系女鳥羽川左支流小寺尾川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
起源は16世紀末の安土桃山時代に遡り当初は『芦の田池』と呼ばれていました。
1939年(昭和14年)の大干ばつを契機に池の規模拡大機運が盛り上がり、1941年(昭和16年)に県営女鳥羽用水改良事業が採択され嵩上げ再開発が着手されました。
戦況悪化や戦後の混乱により工事は大きく遅延しますが、1951年(昭和26年)に無事竣工し現在の規模となりました。
さらに2年後の1953年(昭和28年)に美鈴湖と改名、以来管理は松本市が行っています。
貯水容量の大半は山の東側の女鳥羽川からの導水により、さらに当池西側に位置する番場池とも連絡水路で結ばれ一体運用されています。
美鈴湖周辺は浅間温泉や美ケ原に近い立地を生かし各種アウトドア施設が整備され、とりわけ管理釣り場は季節を問わず多くの釣り師が訪れる人気スポットとなっています。
 
美鈴湖の水の流れ
 
下流から
左岸から洪水吐導流部が伸びています。
 
天端は車道。
 
ダム湖は管理釣り場となっており、訪問時はヘラブナ釣り客でにぎわっていました。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の洪水吐
実質的には河道外貯留のため池のサイズに比べて洪水吐は小ぶり。
 
事前予習不足のため、女鳥羽川からの導水路吐口や番場池への取水口などを確認しないままに終わりました。
機会があれば再訪したいと思います。

0999 美鈴湖(0112)
ため池コード 
長野県松本市三才山 
信濃川水系女鳥羽川左支流小寺尾川
19メートル
174メートル(ため池データベース165メートル)
809㎥/809㎥
松本市
1951年

丹生ダム

2015-12-14 09:00:00 | 群馬県
2015年12月12日 丹生ダム
 
丹生ダムは群馬県富岡市下丹生の利根川水系丹生川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1938年(昭和13年)に県営用水改良事業で丹生池が建設されますが、戦後の農林省(現農水省)による国営甘楽多野用水農業水利事業で再開発され1952年(昭和27年)に丹生ダム(丹生貯水池)として改めて竣工しました。
鏑川にある下仁田頭取工で取水された水が当ダムに貯留されたのち、甘楽多野用水により受益農地に補給されます。
管理は甘楽多野土地改良区が受託しています。
ダム湖(丹生湖)は管理釣場が開設されヘラブナやワカサギが釣りでにぎわうほか、春には湖岸の桜がダム湖を彩ります。 

堤頂長は400メートル近くに及び、下流面はきれいに草が刈られています。
 
天端は舗装されていますが車両進入禁止。
 
総貯水容量144万7000立米と溜池としては群馬県屈指の規模。
湖面に映る妙義山が丹生湖の売りの一つです。
管理釣り場が開設されワカサギ釣り客でにぎわっています。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
ダムの下流にはのどかな農村風景と桜並木が続きます。
 
向って左手が底樋、右手は洪水吐導流部。
 
甘楽多野用水路。
 
旅行の合間の見学のため、取水設備などを見落としてしまいました。
取水口である下仁田頭取工ともども再訪しなければいけません。

0601 丹生ダム(0110)
ため池コード 102100002 
群馬県富岡市下丹生 
利根川水系丹生川
17.3メートル
398.2メートル
1447㎥/1444㎥
甘楽多野用水土地改良区
1952年

大塩ダム

2015-12-14 08:00:00 | 群馬県
2015年12月12日 大塩ダム
 
大塩ダムは群馬県富岡市南後箇の一級河川利根川水系鏑川右支流にある灌漑・上水目的のアースフィルダムです。
群馬県南西部の鏑川流域では農地は段丘中高位に分布しており水利に乏しく大半の営農は零細な畑作に留まっていました。
1959年(昭和34年)に農林省(現農水省)による国営鏑川農業水利事業が着手され、鏑川右支流南牧川で水利権を確保するとともに灌漑設備の整備が進められ、その調整池として1965年(昭和40年)に建設されたのが大塩ダムです。
農業水利事業全体も1970年(昭和45年)に竣工し、鏑川用水と呼ばれる水路網を通じ鏑川流域3市2町にまたがる約2600ヘクタール(現在は宅地化の進展などにより約1400ヘクタール)の田畑への用水補給が開始されました。
管理は併せて建設された竹沼ダム、南牧頭首工 などとともに鏑川土地改良区が受託しています。
南牧川の南牧頭首工で取水された水はいったん大塩ダムに貯留されたのち、幹線水路を通じて受益農地に補給されます 
また、南牧頭首工での取水のうち13%は上水用として取水され富岡市、甘楽町、高崎市吉井町に上水道用水を供給しており、大塩ダムも共用施設として利用されています。
したがってダムの目的は『A』ではなく『AW』が妥当かと思われ、当ブログでもそのように記載します。
 
天端は車輛通行可能。
 
堤体からの眺め。
 
上流面はコンクリートで護岸補強。
釣り禁止のため釣り師の姿はありません。
 
ダム湖(大塩湖)
総貯水容量184万1000立米
流域面積130.5平方キロのうち自己流域はわずか0.3%にとどまり、その大半は南牧川からの導水に依ります。
ダム湖を一周できる道路がありランニングやウォーキングする人が多く見られました。
 
今回は旅行の合間での訪問のため、洪水吐はもとより取水設備、南牧頭首工からの導水路吐口など主要設備を全く見ないままで終わりました。
機会があれば南牧頭首工も併せて、再度訪問してみたいと思います。

0613 大塩ダム
ため池コード 102100001 
群馬県富岡市南後箇 
利根川水系南牧川
AW
31.9メートル
250.6メートル
1841㎥/1748㎥
鏑川土地改良区
1965年