ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

深坂ダム

2020-12-14 00:54:39 | 山口県
2020年11月23日 深坂ダム
 
深坂ダムは山口県下関市蒲生野の友田川水系友田川上流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地竣工記念碑には、『当地は土地肥沃ながら水利に乏しく溜池築造は農民の悲願』と刻されています。
大正末期に溜池築造の機運が高まり、1913年(大正2年)に安岡耕地整理組合が設立され、1918年(大正7年)から溜池築造工事起工。途中1921年(大正10年)の堤体決壊という難事を乗り越え1924年(大正13年)に深坂ダムが竣工しました。
ダム便覧では安岡土地改良区の事業により1923年(大衆12年)竣工となっていますが、ここでは竣工記念碑の1924年を採用することにします。
管理は耕地整理組合を引き継いだ安岡土地改良区が行ってきましたが、その後の土地改良区の合併により現在は下関土地改良区安岡地区運営委員会が行っています。
受益地である安岡地区はフグ料理に欠かせない『安岡ねぎ』の生産地として知られ、深坂ダムは稲作のほかネギ栽培の水源として重用されています。
また貯水池一帯は『深坂自然の森公園』として周遊路などが整備される一方、竜王山の登山口となっており季節を問わず多くのハイカー、登山者で賑わっており、農水省が定めるため池百選に選ばれています。
 
下関市街から県道244号を北に向かい下関総合病院手前を右に折れ農免道路を進むと正面に深坂ダムが見えてきます。
堤体には白鳥をかたどった植栽が施されています。
 
右岸ダム下に半円形の円筒分水工があります。
 
右岸から下流面
堤体は綺麗に刈りこまれ白鳥の植栽が。
 
右岸の余水吐導流部。
 
横越流域余水吐と上流面
上流面下部は花崗岩で、上部はコンクリートブロックで護岸されています。
 
左岸に深坂水天宮が祀られ、天端に狛犬が並びます。
右手は横越流式余水吐。その奥に斜樋があります。
 
ダム湖は総貯水容量124万8000立米と灌漑用溜池としてはかなり大規模。
湖畔一帯は深坂自然の森公園として整備され、多くのハイカーが訪れます。
 
天端からは下関市街中心部が遠望できます。
 
左岸の水天宮の鳥居と燈籠。
 
右岸の斜樋を遠望。
 
左岸に建つ竣工記念碑と改修記念碑。
 
深坂ダムが通算1600基目のマイルストーンとなりました。
コロナによる不要不急の外出自粛などもあり、100基積み上げるのに1年以上かかってしまいました。
目標の2000基はまだまだ先です。

2074 深坂ダム(1600)
ため池コード 352010402
山口県下関市蒲生田
友田川水系友田川
26.2メートル
233メートル
1350千㎥/1328千㎥
下関市土地改良区安岡地区運営委員会
1924年


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