ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

定山渓ダム

2018-09-27 12:17:37 | 北海道
2018年9月20日 定山渓ダム 
 
定山渓ダムは北海道札幌市南区定山渓の石狩川水系豊平川左支流小樽内川にある国交省北海道開発局建設部が直轄管理する多目的重力式コンクリートダムです。
豊平川の治水と札幌市の上水道水源確保を目的として1972年(昭和47年)に豊平峡ダムが建設されました。
しかし、その後も札幌への人口集中は続き市街地拡大に伴ってさらなる治水対策と水源確保に迫られることになります。
1974年(昭和49年)に豊平川左支流の小樽内川への多目的ダム建設事業が着手され1989年(平成元年)に竣工したのが定山渓ダムです。
定山渓ダムは国交省が直轄管理する特定多目的ダムで、豊平峡ダムと連携した豊平川および石狩川下流域の洪水調節、札幌市への上水道用水の供給、北海道電力小樽内発電所での最大出力7000キロワットの水力発電を目的としています。
豊平峡ダムともども日本100ダムに選ばれています。
 
ダム下は定山渓ダム下流園地として整備されており園地駐車場手前の橋からダムと正対できます。
非常用洪水吐としてクレストにラジアルゲート2門、常用洪水吐としてコンジットに高圧ラジアルゲート1門を備えています。
また左岸(向かって右手)導流壁先端に利水放流設備としてホロージェットバルブがあります。
 
コンジットゲート上のデフレクター
 
ダム直下のモニュメントとともに。
 
左岸堤体から飛び出した小樽内発電所への水圧鉄管
こちらにもデフレクターがついています。
 
ダム内見学通廊とあるので進んでみると、100メートルほどで行きどまり・・・・
てっきり滝沢ダム浦山ダムのようにエレベーターも開放されていると思ったので残念。
 
下流園地はきれいに整備され、いろんなアングルでダムを愛でることができます。
 
園地にある資料館そばにはいくつもの展示物が並んでいます。
こちらは建設工事で使用されたクレーンのマスト(柱)の一部。
 
資料館裏手から遊歩道があり標高差100メートル弱を歩いて天端まで登りました。
天端は道道1号が通っており、交通量はさほど多くはありませんが時折通る車はかなりのスピードを出しています。
 
天端からのダム下流園地と減勢工。
 
右岸のインクラインと艇庫、浮桟橋。
 
豊平峡ダムとともに札幌を支える定山渓ダムです。
ダム下流園地は非常によく整備されていますが、豊平峡ダムのように外国人観光客の人気スポットではないため、静かにダムを見ることができます。
 
(追記)
定山渓ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0124 定山渓ダム(1363)
北海道札幌市南区定山渓
石狩川水系小樽内川
FWP
117.5メートル
410メートル
82300千㎥/78600千㎥
国交省北海道開発局
1989年
◎治水協定の締結されたダム


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