ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

天君ダム

2022-06-16 08:00:00 | 熊本県
2022年5月25日 天君ダム
 
天君ダムは左岸が熊本県上益城郡御船町上野、右岸が同町田代の二級河川緑川水系矢形川にある農地防災目的の重力式コンクリートダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業により1970年(昭和45年)に竣工しました。
完成後は御船町が管理を受託しています。

下流から遠望
農地防災ダムですが、昭和40年代のダムと言うことでラジアルゲートを装備。
畑の畔を辿ればダムのすぐ下まで行けたんですが、私有地なので自重しました。


写真では片方しか見えませんが、左右両側に放流管があり平時は流入量はそのまま放流します。


ゲートをズームアップ
巻き上げ機は下流面台座上に乗せられているので、凹凸が少ないすっきりとした天端になっています。


1990年(平成2年)にダム右岸の御船層群と呼ばれる地層から恐竜の化石が発掘されました。
これはその説明版。
もちろん個人での発掘は禁止されています。


下流面。


上流面
青いゲージは放流管取水口
有効貯水容量すべてが農地防災容量となる防災専用ダムですが、堆砂容量32万1000立米分が貯留されています。
左岸に管理事務所があり農地防災ダムとしては珍しく職員さんが駐在しています。
事務所に下の湖岸に巡視艇が繋留されています。


天端は車両通行可能
ゲート部分だけわずかに上流側にクランクしています。


天端から減勢工を見下ろすと
左右両岸に放流管。


こちらが上流側の取水口で、平時は流入量はそのまま放流します。
内側のゲージの中に予備ゲートがあります。


右岸の放流管をズームアップ。


左岸から下流面。

訪問翌年の2023年(令和5年)6月の豪雨に際には異常洪水時防災操作(緊急放流)寸前まで洪水を貯め込み、下流域の防災に大きく貢献しました。

(追記)
天君ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2664天君ダム (1859)
左岸 熊本県上益城郡御船町上野
右岸         同町田代
緑川水系矢形川 
 
 
39メートル 
195メートル 
1661千㎥/1340千㎥ 
御船町
1970年
◎治水協定が締結されたダム


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