ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

漁川ダム

2018-09-26 01:55:28 | 北海道
2018年9月20日 漁川ダム 
 
漁川ダムは北海道恵庭市漁平の石狩川水系千歳川右支流漁川上流部にあるロックフィルダムです。
国交省北海道開発局建設部が直轄管理する特定多目的ダムで、漁川および千歳川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、江別・北広島・恵庭・千歳4市への上水道用水の供給を目的として1980年(昭和55年)に竣工しました。
また1986年(昭和61年)には利水放流を利用した漁川ダム管理用発電所が完成し最大出力720キロワットの発電を行い商用発電及び管理用電力として利用されています。
 
漁川ダムは道道117号線沿いにあります。
ダム下は桜公園になっており、周辺随一の桜の名所として多くの人々でにぎわうそうです。
ロックフィルダムですが、下流面は芝が張られ一見アースダムと見紛うばかり。
北海道ではロックフィルに芝が張られるケースが多々あります。
 
右岸の洪水吐
ローラーゲートが3門装備され、両端が非常用洪水吐、中央が常用洪水吐となっています。
 
左岸にある監査廊入口。
 
堤体の階段。
 
天端は徒歩のみ通行可能。
 
上流面は丸石が敷かれています。
 
ダム湖の『えにわ湖』は総貯水容量1530万立米。
湖面は穏やかで空と取水塔がきれいに映りこんでいます。
 
洪水吐導流部と減勢工。
 
左から管理事務所、ゲート操作室。
 
竣工記念石碑。
 
漁川ダム竣工翌年の1981年(昭和56年)に石狩川流域では昭和56年8月洪水が発生、未曾有の大水害となり、支流の漁川へのダム建設による治水の限界が露呈、千歳川本流における抜本的な治水整備が不可欠になりました。
そこで千歳川からウトナイ湖経由で太平洋に注ぐ放水路が計画されますが、環境意識の高まりから反対運動が激化して白紙化、現在は堤防建設や河道の拡幅、浚渫などの河川改修に加えて流域各所への遊水地建設による治水が進められています。
 
(追記)
漁川ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。

0100 漁川ダム(1359)
北海道恵庭市漁平
石狩川水系漁川
FNW
45.5メートル
270メートル
15300千㎥/14100千㎥
国交省北海道開発局
1980年竣工
◎治水協定が締結されたダム


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