ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

牛ヶ島大堤(貝の沢池)

2023-10-28 17:02:15 | 新潟県
2016年7月20日 牛ヶ島大堤(貝の沢池)
2023年9月23日
 
牛ヶ島大堤は長岡市川口牛ヶ島にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では貝の沢池と表記されていますが、新潟県ため池データベースや長岡市のため池ハザードマップには貝の沢池は存在しません。
便覧では貝の沢溜池の事業者は牛ヶ島集落となっており、牛ヶ島集落のある長岡市川口には堤高10メートルを超える溜池は牛ヶ島大堤しか存在しないため、牛ヶ島大堤が貝の沢池であることはほぼ間違いないと思われます。
当ブログでは牛ヶ島大堤と記すことにします。
池の起源ですが、ダム便覧では1945年(昭和20年)に牛ヶ島集落の事業により竣工と記される一方、現地記念碑には築造は宝暦6年(1756年)に遡りその後1989年(平成元年)に県のため池等整備事業が行われたとあります。
また堤高についても便覧が15メートルなのに対しため池データベースは13.3メートルとなっておりこちらを採ればダムの要件未達となります。
現在も池の管理は川口牛ヶ島地区が行っています。

牛ヶ島大堤には2016年(平成28年)7月に初訪、2023年(令和5年)9月に再訪しました。
掲載写真はすべて再訪時のものです。
 
越後川口から国道17号小千谷方面に向かい、牛ヶ島交差点の先の狭い道路を左折すると池に到着。
まずは池下から。
堤高15メートル(ため池データベース13.3メートル)
右岸(向かって左手)に洪水吐斜水路、ダム中央の底樋管から灌漑用水路が伸びています。

 
アングルを変えて。
天端中央は階段
草が刈られ今も貴重な灌漑用水源であることが伺えます。

 
洪水吐斜水路。 

 
底樋管
訪問時はそろそろ稲刈りのシーズンですがいまだ勢いよく放流中。

 
分水ゲート
向って右手は灌漑用水路
左手は河川維持放流となります。

 

 
ダムサイトに上がります
右岸に建つ記念碑。

 
下流面。


池の下の赤い屋根の建物は鉄工所で池とは関係ありません。

 
横越流式洪水吐。

 
天端は道路で車両の通行もできます。 

 
上流面は草が生えていますが、コンクリートブロックで護岸。

 
池下左手にも小さな池があります。
そばの小屋も併せて個人所有の池のようです。

 
総貯水容量3万5000立米の小さな溜池
2023年(令和5年)の新潟は各所で渇水が発生しましたが、この池は水不足とは縁がなかったようです。

 
0739 牛ヶ島大堤(貝の沢池)(0488)
ため池コード 152029001
新潟県長岡市川口牛ヶ島
信濃川水系信濃川右支流(河川名不明)
15メートル(ため池データベース 13.3メートル
80メートル(ため池データベース 55メートル)
35千㎥(ため池データベース 23千㎥)/35千㎥
牛ヶ島地区
1756年築造
1945年竣工(ダム便覧)
1989年ため池等整備事業竣工(記念碑)


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