ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

犬鳴ダム

2017-10-02 14:50:27 | 福岡県
2017年9月19日 犬鳴ダム
 
犬鳴ダムは福岡県宮若市犬鳴の遠賀川水系犬鳴川源流部にある福岡県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、犬鳴川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、宮若市及び直方市への上水道用水の供給、宮田工業団地への工業用水の供給を目的に1994年(平成6年)に竣工しました。
ダムの管理運用は力丸ダム管理事務所で統合遠隔管理されています。
 
福岡から県道21号の犬鳴トンネルを抜けると左手に犬鳴ダムの堤体が見えてきます。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを8門、常用洪水吐として自然調節式のオリフィスゲート1門を装備しています。
両岸には堤趾導流壁を備え、V字で谷を締める堤体はなかなかの雄姿です。
 
上流面
堤体中央に取水設備、その右手にオリフィスゲート、左岸にインクラインがあります。
 
天端入口では犬鳴という名前に合わせたかわいい犬のモニュメントが出迎えてくれます。
 
総貯水容量500万立米のダム湖
名前は『司書湖』で、幕末の福岡藩家老加藤司書の名前をとって命名されました。
水位がかなり低下しています。
 
天端は歩行者のみ通行可能
せっかくベンチがあるのに両側ににフェンスが張られ物々しい雰囲気。
事故や不法投棄防止目的のようです。
 
天端にはダム湖名の『司書湖』の文字や銀杏の絵が描かれています。
 
 
高覧の装飾。
 
減勢工と利水放流設備。
 
左岸から下流面。
 
上流面。
 
竣工記念碑
ダム竣工を祝う短歌が詠まれています。
 
2019年(令和2年)公開のホラー映画『犬鳴村』はこのダムに沈んだ犬鳴谷村がモチーフとなっていますが、映画のロケは埼玉県の浦山ダムで行われたようです。
 
追記
犬鳴ダムには165万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに134万7000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2439 犬鳴ダム(1122)
福岡県宮若市犬鳴
遠賀川水系犬鳴川
FNWI
 
76.5メートル
230メートル
5000千㎥/4850千㎥
福岡県県土整備部
1994年
◎治水協定が締結されたダム


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