ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

頭佐沢ダム

2018-12-30 10:33:00 | 山梨県
2015年10月24日 頭佐沢ダム
2018年12月24日
 
頭佐沢(ずささわ)ダムは山梨県北杜市白州町にある東京電力リニューアブルパワーが管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
富士川上流部の釜無川流域では大正末期から昭和初期にかけて電源開発が進められ、これらの発電施設は日本発送電による接収を経て1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により東京電力が事業を継承しました。
頭佐沢ダムもそんな発電施設の一つで釜無川第一発電所の調整池として1926年(大正15年)に完成(事業者不明)し、釜無川、中津川、甲六川などで取水された水が一旦ここに貯留されたのち釜無川第一発電所に送られ最大5800キロワットの水路式水力発電を行っています。
 
中央道長坂インターから県道32号を西進、北の杜カントリークラブの標識に従って同クラブへと向かいます。ゴルフ場正面入口をやり過ごしゴルフ場西側を反時計回りに進むと右手に頭佐沢ダムへの分岐が現れ、管理道路を歩くとすぐにダムが見えてきます。
(2018年12月24日)
 
ダム便覧では堤高21.5メートルとなっていますが、堤体直下に盛土が施されているため見えるコンクリートはせいぜい数メートルです。建設残土をダム下に盛り立てたことでこのような形になっていると思われます。
(2018年12月24日)
 
左岸(写真手前側)に小さな洪水吐が見えます。
(2018年12月24日)
 
ダム下の盛土を斜めに横切るように頭佐沢川の水路が流れています。
手前からの水路が頭佐沢川、右手は洪水吐からの水路。
(2018年12月24日)
 
ダム下から
ここから見上げるとまるでアースダムのようです。
(2018年12月24日)
 
再び左岸に戻ります。
左手に釜無川第一発電所への取水口があります。
調整池は4万5000立米と小さなため池程度の大きさ。
(2018年12月24日)
 
取水口のスクリーン(2018年12月24日)
 
釜無川等からの導水路吐口(2018年12月24日)
 
彼方に甲斐駒が見えます。(2018年12月24日)
 
こちらは頭佐沢川からの水路
右上で河川維持放流分が隧道で下流へ流され上から4枚目手前側の水路へと続きます。
残りはダム湖に貯留されます。
(2018年12月24日)
 
2015年(平成27年)10月に訪問しましたが、感度設定を誤りまともな写真が撮れませんでした。
2度目の訪問でようやくちゃんとした写真が揃いました。
 
(追記)
頭佐沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0959 頭佐沢ダム(0017)
山梨県北杜市白州町花水
富士川水系頭佐沢川
21.5メートル
75.8メートル
45㎥/39㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1926年
◎治水協定が締結されたダム


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