ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

伊佐ノ浦ダム

2019-08-01 02:05:20 | 長崎県
2019年7月14日 伊佐ノ浦ダム
 
長崎市から西海市へと続く西彼杵半島には南北に約8キロ間隔で伊佐ノ浦、雪浦神浦と3基のダムが並びいずれも名前に『浦』が付いています。
一番北の伊佐の浦ダムは西海市西海町中浦南郷の伊佐ノ浦川本流上流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農水省の補助を受けた長崎県の畑地かんがい事業により1980年(昭和55年)に事業着手され1988年(昭和63年)に竣工しました。
運用開始後は西海土地改良区が受託管理を行い、旧西海町域の畑地約500ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
また1998年(平成19年)にはダム湖周辺が伊佐ノ浦公園として整備され、コテージ・バンガローの宿泊施設やキャンプ場、さらにはサイクリングや貸しボート、バス釣り、ハイキング等が楽しめる長崎県を代表するアウトドアスポットになっています。
 
『道の駅さいかい』から広域農道の西海オレンジロードを南に進むと『伊佐ノ浦公園』を示す案内板が現れます。
これに従って西に折れると伊佐ノ浦ダムに到着です。
ダム下から
農業用コンクリートダムらしく洪水吐は自由越流式クレストゲート3門のみ。
前日の雨で水位が上がり美しい越流が見られます。
 
右岸ダムサイトにはドッグランやミニサッカー場などがあり家族づれにぎわっていますが、その脇にひっそりと佇む竣工記念碑。
佐賀・長崎ではおなじみの金箔文字仕様です。
 
下流面。
 
天端は車両通行可能。
天端親柱に伊佐ノ浦ダムの銘板。
 
半円形の取水設備。
 
減勢工と副ダム
越流してるため副ダムも水はたっぷり。
右手前が放流設備、奥は揚水機場。
 
越流をズームアップ。
 
ダム湖は総貯水容量187万立米と灌漑用ダムとしてはかなり大規模
湖畔にはコテージが並びます。
 
諸元プレート。
 
上流面。
 
訪問したのが海の日の3連休中日ということで、ダム周辺は家族連れやカップルで大賑わい。
ただダムそのものに興味を持つ人はほとんどいませんが。
国交省直轄ダムなどではダム周辺が総合的に公園化整備されるケースがよくありますが、農業用ダムでこのような事例はあまり見かけません。
湖畔のコテージにはぜひとも泊まってみたいのですが、長崎は遠すぎる・・・・。
 
(追記)
伊佐ノ浦ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
2644 伊佐ノ浦ダム(1497) 
長崎県西海市西海町中浦南郷
伊佐ノ浦川水系伊佐ノ浦川
29.7メートル
140.7メートル
1870千㎥/1640千㎥
西海海土地改良区
1988年
◎治水協定が締結されたダム 


コメントを投稿