ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

荒川ダム

2020-06-27 11:00:00 | 山梨県
2015年10月24日 荒川ダム
2020年 6月23日
 
荒川ダムは山梨県甲府市川窪町の富士川水系荒川上流部にある山梨県県土整備部が管理する多目的ロックフィルダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、荒川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、甲府市への1日最大10万立米の上水道用水の供給を目的として1986年(昭和61年)に竣工しました。
また利水放流を利用して山梨県荒川ダム管理用発電所で最大490キロワットの小水力発電を行っています。
 
荒川ダムには2015年(平成27年)11月に初めて訪問、2020年6月に再訪しました。 
ダムは山梨県を代表する景勝地『昇仙峡』直上に位置し、ダム湖の『能泉湖』は昇仙峡観光の一端を担うスポットです。
 
ダム下流面
ところどころに植物が茂っていますが、直線的で美しいリップラップ。
 
天端は車道ですが関係車両以外通行禁止、ただし歩行者の立ち入りはOKです。
(2020年6月23日)
 
上流面
(2020年6月23日)
 
天端からダム下の眺め
S字状に管理道路が続きますが、この道も関係者以外立ち入り禁止。
(2020年6月23日)
 
旧村名から『能泉湖』と名付けられたダム湖は、総貯水容量1080万立米。
左岸の赤い屋根の取水塔が目立ちます。
 
左岸の取水塔と艇庫・インクライン。
 
洪水吐導流部
高く襟を立てたような導流壁が特徴的。
(2020年6月23日)
 
減勢工をズームアップ
ダム下には非常用、常用低水放流管としてそれぞれジェットフローゲート1条ずつ、計2条を装備しています。
今回は直前にまとまった雨が降ったことで2条のゲートそれぞれ放流されていました。
ゲートからの放流水は副ダムに当てて減勢しています。
(2020年6月23日)
 
非常用の横越流式洪水吐。
(2020年6月23日)
 
上流から遠望
(2020年6月23日)
 
洪水吐と取水塔をズームアップ
1985年(昭和60年)竣工と言うことで洪水吐は横越流式とゲート式の併用
非常用洪水吐として横越流式洪水吐、その右手に常用洪水吐として洪水期用ラジアルゲートと非洪水期用スライドゲートが2門並びます。
(2020年6月23日)
 
洪水吐をズームアップ
 
(追記)
荒川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0973  荒川ダム(0020) 
山梨県甲府市川窪町
富士川水系荒川
FNW
88メートル
320メートル
10800千㎥/8600千㎥
山梨県県土整備部
1985年
◎治水協定が締結されたダム


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