2017年7月16日 芝山池
芝山池は広島県庄原市東城町森にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1919年(大正8年)に広島県の事業で建設されました。ダム便覧には左岸所在地と高梁川水系とのみ記載され、具体的な緯度経度の記載はありません。
しかし東城町森地区にはダム便覧に記載された規模に相当する溜池は田殿集落の北西、飯山南山麓にある溜池1基しかありません。そして広島県の溜池防災ハザードマップにはこの池について『芝山池』と記載されていることから、この溜池を芝山池と断定しました。
実は今年5月の中国地方遠征で一度芝山池にはアタックしましたが、この時は詳細地図を持参せず池への到達を断念しました。
今回は国土地理院地形図のほか、グーグルマップ、グーグルの空撮写真を持参し万全の態勢での再チャレンジとなりました。
県道53号から田殿集落を抜け地図の緑の直線で示した林道を進んで池へ向かいましたが、この林道は池の左岸のはるか上を通り池へと降りることはできません。
改めて池の下流部分を探すと、池の下流から水路沿いに堤体直下に向かう小径があり(地図の赤の矢印方向)ようやく芝山池に到達することができました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/89/20b55d0ee746e17bc35224dd4b81f366.png)
上記地図の赤い矢印方向に小径を進むと減勢工手前で分水工が現れます。
向かって右手が河川、手前方向に灌漑用水路が流れています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/e9/1c8e75e597cbbfa034bb754edda446e2.jpg)
奥に堤体が見え手前が減勢工となります。
一寸見づらいですが減勢工の右側に取水設備からの水が吐き出されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/a4/a5f4c2ca7a0369bc9c8b7fb8757edb6b.jpg)
洪水吐導流部と堤体。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/3f/e6f5e0e1c8f5549f8bd6b58a751ae4e6.jpg)
導流部をズームアップ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/bf/debdf56f2e5d9df811cfc601636960f0.jpg)
下流面
天端へはこの斜面を登ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/f9/f2e6e24a8b89863b49050746ffd2695b.jpg)
洪水吐。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/29/ecc393fdc6ce3b672a31091be31fc954.jpg)
天端から
池の受益地となる水田ははるか下流です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/47/203bf49542d394d148e7d7ac0c02c965.jpg)
総貯水容量6万9000立米の小さな溜池です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/ab/543328255a9139bcbb2d9ef4b6f259d5.jpg)
草が覆って分かりづらいですがこの下に池栓があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/72/aac5169a1e340ed1e22fb96e59ceb3d7.jpg)
天端と下流面はきれいに刈り払われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/30/73db819b64364edb63e3b93063e35572.jpg)
ダム便覧に経度緯度の記載はありませんでしたが比較的簡単に池の特定はできました。
ただ、池へのアプローチにかなり手間取り、この池だけで1時間半近く時間を食ってしまいました。
詳しい池の位置情報や写真はのちほどダム協会へと報告しようと思います。
追記
芝山池の位置情報をダム協会に提供した結果8月24日にダム便覧の位置情報が特定されました。
3694 芝山池(1071)
広島県庄原市東城町森
北緯34度57分18秒,東経133度11分01秒
高梁川水系田黒川
A
E
15.5メートル
50メートル
69千㎥/69千㎥
1919年
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