ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大内ダム

2016-05-31 12:00:00 | 福島県
2016年5月29日 大内ダム
 
大内ダムは福島県南会津郡下郷町大内の阿賀野川水系小野川にある電源開発(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
オイルショックを契機に電力各社は火力偏重の発電体制を見直し、火力や原子力との連携が図れ余剰電力を有効利用できる揚水発電に着目します。
電源開発は建設省が阿賀野川上流に建設を決めた大川ダム建設事業に発電事業者として参加、1988年(平成元年)に同社3番目の純揚水発電所である下郷発電所が完成しました。
大内ダムは同発電所の上部調整池として発電所の稼働3年後の1991年(平成3年)に竣工し、下部調整池である大川ダムとの有効落差387メートルを利用して最大10万キロワットの純揚水式発電を行っています。
 
 
県道131号を大内宿に向かって南下し、氷玉峠を越えると大内ダムのダム湖が見えてきます。
天端は県道330号となっており車両が通行できます。
 
ダム下流面。
堤高100メートルを超える巨大ロックダムですが、堤体中央に建設残土が盛られ高さは感じません。
おまけに堤体には草が生えまるでアースダムの様相です。
 
下流に人気観光スポットの大内宿が見えます。
 
ダム湖
標高800メートルのダム湖はまるで高原リゾートの趣です。
 
右岸に洪水吐があります。
 
下流面です。
スキー場のゲレンデのみたい。
 
上流面
揚水発電の上部池ということで昼夜で水位が変わります。
 
洪水吐
奥に表面取水設備が見えます。
 
左岸に揚水発電の取水口がありますが、取水設備は水中にあり見ることはできません。
 
日本有数の揚水発電の取水口は水の中、洪水吐導流部や減勢工も立ち入ることはできませんが、標高800メートルのダムを吹き抜ける風はさわやかでまるで避暑地の装いでした。
平日しか開館していないためまだ入館したことのない下郷展示館ですが、機会があれば入館して下郷発電所や大内ダムにしてもっと学んでみたいと思います。 
 
追記
大内ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
 0522 大内ダム(0428)
福島県南会津郡下郷町大内
阿賀野川水系小野川
102メートル
340メートル
18500千㎥/16000千㎥
電源開発(株)
1991年
◎治水協定が締結されたダム


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