ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

簗川ダム

2022-11-25 20:00:00 | 岩手県
2022年10月21日 簗川ダム
 
簗川ダムは岩手県盛岡市川目の北上川水系簗川にある岩手県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
国交省の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、簗川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、盛岡市及び矢巾町への上水道用水の供給、利水放流を利用した岩手県企業局簗川発電所でのダム式発電(最大1900キロワット)を目的として2020年(令和2年)に竣工しました。
岩手県内では最も新しいダムであり、また総貯水容量1910万立米は岩手県県土整備部が管理するダムとしては最大となっています。

盛岡市街から国道106号線を東進すると簗川ダムに到達します。
ダム下からは見れないという事前情報がありましたが、とりあえずダム下へ。
ダムの手前にゲートがあり本来は立ち入り禁止ですが、訪問時は県企業局簗川発電所のメンテナンスのためゲートが開いていました。


ダメもとで写真撮影だけでもとお願いするとなんとOK。
非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂10門、常用洪水吐として自然調節式オリフィス1門を備えたいかにも今どきのゲートレスダム。
左下の建屋は県企業局簗川発電所。


国道106号に簗川ダムを示す標識があり、これに従うと左岸ダムサイトへ。
左岸のクレーン台座跡が展望台になっておりダムを俯瞰できます。
ダムサイトには駐車スペースが確保され奇麗に整備されています。


天端は徒歩のみ立ち入り可能。


ダムの説明版。


完成してまだ2年、いかにも出来立てと言ったコンクリート。


管理事務所
普段は職員の駐在はなく巡回のみ。


上流面
一見水位が低く見えますがこれで常時満水位。


天端から
減勢工には副ダムが二つ
右手の建屋は県企業局簗川発電所、手前のコンクリートの地下に放流設備があります。


左手がエレベーター棟、右手は取水設備機械室
管理事務所も含めて屋根や壁の角はRを使ったザインで統一されています。


注目すべきは取水設備
外殻がなくむき出しになっており、取水設備の構造がよくわかります。


総貯水容量1910万立米のダム湖
岩手県県土整備部が管理する補助ダムでは最大貯水容量となります。


追記
簗川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
2975 簗川ダム(1883)
岩手県盛岡市川目
北上川水系簗川
FNWP
77.2メートル
242.7メートル
19100千㎥/16700千㎥
岩手県県土整備部
2020年
◎治水協定が締結されたダム


コメントを投稿