ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

柳原溜池

2023-06-30 18:11:43 | 長崎県
2023年5月21日 柳原溜池

柳原溜池は長崎県諫早市高来町善住寺にある灌漑目的のアースフィルダムです。
諫早湾北岸の諫早市小長井町から高来町にかけては多良岳火山活動で形成された傾斜地が海岸線まで続き平坦地はほとんどありません。
明治末期より丘陵地での新田開発が進められ併せて多数の溜池が築造されました。
柳原溜池もこうした溜池の一つで、ダム便覧には柳原水利組合の事業で1914年(大正3年)に竣工と記されており、受益者で組織された水利組合の事業、つまり農家の持ち出して建設されたと思われます。
現在の管理者も柳原水利組合です。
ダム便覧では位置未確認となっていますが、『柳原ため池 地震時ハザードマップ』で位置が特定できます。

県道136号を北上しいこいの村長崎を目指すと、その手前に柳原池への入口があります。
沿道から歩いて2~3分で池に到着。
天端は舗装されていますが下流面は木が茂りもはや森。


上流面は定期的に草が刈られているようです。


ため池基準点。


堤体中央の斜樋。


操作ハンドルはかなりの年代もの。


右手が土砂吐ゲート、左がシリンダーゲートのハンドル。


便覧・データベースともに総貯水容量は4万2000立米ですが、見た目は10万立米くらいはありそう。


上流面はコンクリートブロックで護岸。


左岸の洪水吐。
さほど遠くない時期に改修があったようです。




池の下に向かう微かなトレースがありますが草木が密生し蜘蛛の巣もすごいことに。
根性なしなのでやめました。
よって底樋管は確認していません。
今も貴重な水源であることは間違いなさそうですが、下流面の樹木の繁茂を見ると災害時の堤体への悪影響が懸念されます。

2585 柳原溜池1999)                                 
ため池コード 422040038
長崎県諫早市高来町善住寺
湯江川水系湯江川
18メートル
90メートル(ため池データベース 88メートル)
42千㎥/34千㎥
柳原水利組合
1914年