ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

宗極池

2017-12-04 16:14:46 | 香川県
2017年11月25日 宗極池
 
宗極池は香川県の東端、徳島との県境間近の東かがわ市南野の坂本川水系坂本川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地記念碑によれば1915年(大正4年)に県の補助を受けた宗極池耕地整理組合の事業で築造が着手されますが、1917年(大正6年)の集中豪雨で構築済み堤体の3割が流出する惨事となりました。
しかし、県による補助が追加され1923年(大正12年)に無事完成に至りました。
直近では国営の総合農地防災事業により2001年(平成13年)に大規模な改修が行われ現在の姿となり、2003年(平成15年)からは香川用水からの補給が開始されました。
池の管理は受益者で組織される宗極池耕地整理組合が行っています。
なおダム便覧の竣工年度は1956年(昭和31年)になっていますが、この根拠は不明のためここでは改修記念碑の1923年を採用することにします。
 
高松道引田インターから国道11号を東進し、讃岐相生駅手前を右折して集落を抜けると高松道の高架の先に宗極池の堤体が見えてきます。
堤高27.3メートル、犬走りを挟んで2段構成の立派なアースダムです。
 
車道をさらに進むとダム左岸に到着します。
天端にある改修記念碑。
 
記念碑の隣にはおなじみの不動明王像。
 
天端は轍が残りますが、害獣防止柵があり一般車は進入できません。
 
上流から
右岸に洪水吐があります。
 
天端からは瀬戸内海が見え、左手奥には小豆島も覗えます。
現在高松道車線増幅工事中でダム下がごちゃごちゃしていますが、天端からの海の眺めは抜群です。
 
総貯水容量は24万立米。
池の奥の龍王山を超えればもう徳島県。
 
左岸の立派な斜樋。
2001年(平成13年)の改修で設置されました。
 
上流面はコンクリートで護岸
これも2001年の改修によるもの。
 
右岸の円形越流式洪水吐。
 
2154 宗極池(1192)
香川県東かがわ市南野
坂本川水系坂本川
27.3メートル
113メートル
240千㎥/240千㎥
宗極池耕地整理組合
1923年

旧吉野川河口堰

2017-12-04 15:17:01 | 徳島県
2017年11月25日 旧吉野川河口堰
 
旧吉野川河口堰は徳島県板野郡松茂町中喜来の一級河川吉野川左支流旧吉野川河口部にある水資源機構が管理する多目的可動堰です。
水資源公団法(現水資源機構法)によって建設された多目的ダムで、今切川河口堰と連携した旧吉野川・今切川河口部の洪水調節及び塩害防止、既得取水権として流域農地約3700ヘクタールへの灌漑用水の補給、鳴門市・北島町・松茂町への上水道用水の供給、徳島市・鳴門市・板野郡内22工場への工業用水の供給を目的として1976年(昭和51年)に竣工しました。
旧吉野川河口堰の堤高は7.3メートルで河川法上のダムの要件を満たしていませんが、水資源機構法により河川法上のダムと分類され、ダム便覧にも正式に掲載されています。 
 
徳島自動車道松茂スマートインターから県道40号を東進、空港大橋手前を左折して旧吉野川左岸を北上すると旧吉野川河口堰に到着します。 
河口堰左岸に管理事務所と案内板があります。
 
右岸下流側から
手前が閘門、調節門1門、制水門5門で構成されています。
 
上流から閘門。
 
上流から
閘門の左となりが調整門、あとは制水門です。
 
天端は車両通行可能。
 
堰による総貯水容量は493万立米。
 
左岸下流から。
訪問時は潮位があがっているせいか堰の上下流の水位はほとんど差がありませんでした。
 
左岸上流。
 
左岸魚道
フラップゲートがついています。
 
2131 旧吉野川河口堰(1191)
徳島県板野郡松茂町中喜来
吉野川水系旧吉野川
FNWI
MB
7.3メートル
192.3メートル
4930千㎥/---千㎥
水資源機構
1976年

今切川河口堰

2017-12-04 13:21:02 | 徳島県
2017年11月25日 今切川河口堰
 
今切川河口堰は左岸徳島県板野郡北島町鯛浜、右岸徳島市川内町の一級河川吉野川左支流今切川河口部にある水資源機構が管理する多目的可動堰です。
水資源公団法(現水資源機構法)によって建設された多目的ダムで、旧吉野川河口堰と連携した旧吉野川・今切川河口部の洪水調節及び塩害防止、既得取水権として流域農地約3700ヘクタールへの灌漑用水の補給、鳴門市・北島町・松茂町への上水道用水の供給、徳島市・鳴門市・板野郡内22工場への工業用水の供給を目的として1975年(昭和50年)に竣工しました。
今切川河口堰の堤高は6メートルで河川法上のダムの要件を満たしていませんが、水資源機構法により河川法上のダムと分類され、ダム便覧にも正式に掲載されています。
 
徳島市中心部から県道29号徳島環状線を北上、共栄橋を渡った先の交差点を左折し県道39号線を南下、鯛浜橋手前を西に折れると今切川河口堰に到着します。
今切川左岸(北島町側)下流から
調節門1門、制水門6門、閘門上下2門で構成されています。
 
下流面には『今切川河口堰』の標識
現在制水門1門の補修工事中です。
 
左岸の魚道。
 
天端は車両通行可能。
 
左岸上流から。
 
右岸にある工業用水の取水ゲート。
 
右岸の閘門(上流から)。
 
右岸の魚道。
 
右岸下流から
手前は閘門。
 
右岸に水資源機構旧吉野川河口堰管理所がありここでダムカードがもらえます。
管理所手前の小公園にある説明板。
また四国堰堤ダム88箇所巡りの判子はこちらの玄関先にあります。
 
 
2132 今切川河口堰(1190)
左岸 徳島県板野郡北島町鯛浜
右岸 徳島県徳島市川内町
吉野川水系今切川
FNWI
MB
6メートル
220メートル
---千㎥/---千㎥
水資源機構
1975年

本庄川ダム

2017-12-04 02:37:37 | 兵庫県
2017年11月24日 本庄川ダム
 
本庄川ダムは兵庫県南西部の南あわじ市阿万上町の本庄川水系本庄川源流部にある兵庫県農政環境部が管理する重力式コンクリートダムです。
南あわじ市阿万地区は淡路島を代表する野菜生産地ですが、水利に乏しい上に台風による農地被災も多く抜本的な治水・利水対策が流域農家の悲願となっていました。
そこで兵庫県農政環境部は農水省の補助を受け本庄川上流部への農地防災・灌漑目的のダム建設を計画、これに淡路広域水道企業団が事業参加し、2004年(平成16年)に竣工したのが本庄川ダムです。
本庄川ダムは本庄川の洪水調節・阿万地区の農地への灌漑用水の供給・淡路広域水道企業団への上水道用水の供給を目的とし、運用開始後は洲本土地改良事務所が管理を行っています。
 
県道76号線を南下して阿万上町に入ると本庄川ダムを示す標識が現れます。これに従って本庄川沿いに東進すると本庄川ダムに到着します。
ダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート2門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備するほか右岸に利水放流設備があります。
今回はオリフィスゲートから越流していました。
 
堤体直下から
ダムにタッチができます。
手前は監査廊入口。
 
右岸から
左岸に管理事務所があります。
 
上流面
ゲートの右手に取水設備があります。
 
天端は車両通行可能。
 
天端から。
 
右手は利水放流設備。
 
ダム湖は総貯水容量172万立米
ダム湖を周回する道路があり、地元住民の皆さんが少なからずウォーキングを行っていました。
 
下流面。
 
管理事務所
兵庫県農政環境部の事業で建設されたため、管理は洲本土地改良事務所が行っています。
 
2921 本庄川ダム(1189)
兵庫県南あわじ市阿万上町
本庄川水系本庄川
FAW
47.7メートル
184メートル
1720千㎥/1610千㎥
兵庫県農政環境部
2004年