ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大日川ダム

2017-12-01 17:40:57 | 兵庫県
2017年11月24日 大日川ダム
 
大日川ダムは兵庫県南あわじ市北阿万新田北の三原川水系大日川上流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
もともと当地には灌漑用ため池である美女池がありましたが、農林省(現農水省)の補助を受けた兵庫県の事業で美女池を取り込む形で1966年(昭和41年)に大日川ダムが建設されました。
美女池堤体は現在でもダム湖に残りともに大日川土地改良区が管理を行っています。
その後1997年(平成9年)に1キロ下流に県営の治水ダムである大日ダムが完成しましたが、大日川ダムで取水された灌漑用水は大日ダム湖左岸を迂回して下流の農地に供給されています。
 
大日ダムから湖岸の道路を上流に進むと正面に大日川ダムが見えてきます。
白いコンクリートの大日ダムと対照的に、黒ずんだ堤体が特徴です。
ダム下は公園になっており、桜が満開の時期には多くの周辺住民が花見に訪れるようです。
 
洪水吐は農業用コンクリートダムらしく自由越流式クレストゲート5門のみ。
 
堤体左岸下部に取水設備からの吐口があります。
この水は大日ダム湖左岸を迂回して下流の受益農地へと送られます。
 
車道をさらに進むと右岸ダムサイトに到着します。
天端はゲート部分が高くなっており、ゲート左岸側に取水設備があります。
 
天端は軽自動車や軽トラくらいなら通行できそう。
 
導流面と減勢工
左端が上から3枚目の写真の取水設備からの吐口です。
取水された水は河川とは別に灌漑用水路を通り、下流の大日ダムをバイパスして受益農地へと送られます。
 
ダム湖は総貯水容量110万立米。
 
左岸から。
 
下流面。
 
大日川ダムのさらに上流500メートル地点に美女池の堰堤が残っています。
大日川ダムができる以前は流域の貴重な水源となった灌漑目的のアースダムで、アーチ状に湾曲した堤体が特徴です。
現在は洪水吐部分が撤去され大日川ダムのダム湖と一体化しています。
 
六角形の取水設備
上流面は石積みで護岸されています。
 
1485 大日川ダム(1188)
兵庫県南あわじ市北阿万新田北
三原川水系大日川
42.8メートル
178メートル
2099千㎥/2032千㎥
大日川土地改良区
1966年

大日ダム

2017-12-01 15:00:04 | 兵庫県
2017年11月24日 大日ダム
 
大日ダムは左岸が兵庫県南あわじ市北阿万新田北、右岸が南あわじ市賀集生子の三原川水系牛内川左支流大日川にある兵庫県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
大日ダムは牛内ダムと連携して大日川の洪水調節を行うほか、安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
大日ダムはダム下が公園として整備されているほか、フーチングの階段が開放されており開かれたダムとなっています。
堤高36メートルに対して堤頂長は247メートルと横長のダムで、クレストの自由越流式洪水吐と減勢工が左岸側に寄った変則的な構造です。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが4門、常用洪水吐と自然調節式のオリフィスゲートがあります。
訪問時はオリフィスゲートから放流していました。
 
洪水吐上部が展望スペースとして全面にせり出した独特のデザイン。
 
フーチングの階段が開放されています
堤高が36メートルなので苦もなく登れます。
 
左岸から下流面
洪水吐上のせり出しが格好いい!
 
右岸から
減勢工は左岸側が片翼になった左右非対称。
 
上流面
クレストゲートの右手にオリフィスの取水口が、左手に取水設備があります。
 
減勢工は左右非対称。
 
ダム下は公園ですが、あまり使われている様子はありません。
 
総貯水容量110万立米のダム湖はさくら湖と命名されています。
この上流約1キロ地点に1966年(昭和41年)竣工の灌漑用の大日川ダムがあります。
 
天端は車両通行可能。
 
大日川のさらに上流、美女池の先に牛内ダムへの分水堰があることを帰宅後知りました。
予習は十分にしているつもりですが、まだまだ後の祭が多いのが反省材料です。
 
1523 大日ダム(1187
左岸 兵庫県南あわじ市北阿万新田北
右岸 兵庫県南あわじ市賀集生子
三原川水系大日川
FN
36メートル
247メートル
1100千㎥/1050千㎥
兵庫県土木部
1997年

牛内ダム

2017-12-01 13:20:35 | 兵庫県
2017年11月24日 牛内ダム 
 
牛内ダムは兵庫県南あわじ市賀集牛内の三原川水系牛内川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
牛内ダムは大日ダムと連携して大日川および牛内川の洪水調節を行うほか、牛内川の安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給、淡路広域水道事業団への上水道用水の供給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
南あわじ市の国道28号線国衙交差点から牛内川沿いに南下すると牛内ダムに到着します。
まずはダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが3門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備しています。
右手は利水放流設備。
 
左岸から
左岸に木製デッキの展望台があります。
 
左岸ダムサイトのモニュメント
淡路島の象徴であるスイセンをモチーフにしているのかな?
 
天端高覧にもスイセンの装飾。
 
減勢工は右岸側が片翼になった左右非対称
左手は放流設備です。
 
左岸の管理事務所
インクラインはなく浮桟橋が設置されています。
 
つつじ湖と命名されたダム湖は総貯水容量220万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
右岸から下流面
牛内ダムはフーチングの階段が開放されています。
 
上流面
ゲート右手が取水設備。
 
1524 牛内ダム(1186)
兵庫県南あわじ市賀集牛内
三原川水系牛内川
FNW
59メートル
216メートル
2200千㎥/2100千㎥
兵庫県土木部
1997年

諭鶴羽ダム

2017-12-01 12:04:07 | 兵庫県
2017年11月24日 諭鶴羽ダム 
 
諭鶴羽ダムは兵庫県南あわじ市神代浦壁の三原川水系諭鶴羽川上流部にある兵庫県県土整備が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1965年(昭和40年)の台風23号、24号による洪水被害を契機に兵庫県は三原川本流上流部の諭鶴羽川への治水ダム建設を採択、諭鶴羽ダムは建設省(現国交省)の補助を受けた補助治水ダムとして1975年(昭和50年)に竣工しました。
三原川水系では1997年(平成9年)に牛内ダム大日ダムが、1999年(平成11年)に成相ダム北富士ダムが各支流に建設され、治水能力は大幅に向上、さらに2004年(平成16年)にかけての改修で諭鶴羽ダムはゲートレス化されています。
諭鶴羽ダムは三原川の洪水調節、安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての灌漑用水の補給を目的としています。
 
南あわじ市の国道28号線円行寺交差点から県道535号線を南下すると諭鶴羽ダムに到着します。
右岸から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを1門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートを1門装備、訪問時はオリフィスゲートから越流していました。
また写真では分かりませんが堤体下部に低水位および利水放流設備があります。
 
右岸ダムサイトの壁画
落書きが多いのはお行儀が悪い関西ならでは?
 
黒御影石の竣工記念碑。
 
兵庫県営ダムおなじみのタイムカプセル。
 
導流部と減勢工。
 
ダム直下には南あわじ市営のサイクリングターミナル「ゆずりは荘」があります。
ダムを見ながら宿泊できるダム愛好家には嬉しい施設。
 
ダム湖のゆずりは湖
総貯水容量は130万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
左岸から下流面
対岸は管理事務所。
 
上流面
2004年(平成16年)の改修でゲートが撤去され自然調節式となりました。
改修で新たに設置された越流部だけコンクリートが白くなっています。
 
1500 諭鶴羽ダム(1185)
兵庫県南あわじ市神代浦壁
三原川水系諭鶴羽川
FN
43.9メートル
173メートル
1300千㎥/1200千㎥
兵庫県土木部
1999年