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風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/幸せなひとりぼっち

2017年04月17日 | 映画


原題は「En man som heter Ove」、[オーヴェと言う名の男]、スウェーデン映画です。
ヒューマンドラマと言うことですが、ほとんどコメディでほのぼのと楽しめました。
多くの人は年をとると気難しく頑固になるものです。
オーヴェは、普通の人のそのレベルを越えて、変人気味の頑固男です。
共同(福祉)住宅街の敷地内は、車の進入禁止、犬の散歩禁止、煙草の吸い殻ポイ捨て禁止、です。
彼は、地域の治安を守るため、誰からも望まれていない見回りを日課とする日々を送っています。
60才直前、妻に先立たれ、長年勤めた鉄道会社も首になり、もはや彼には「生きる意味・生きがい」も無くなり、
自殺を願望します。
彼は、自死に向かっても几帳面で、ネクタイを締め、髪をきれいに整えてあれこれ試みるのですが、
その度に何度も失敗します。
隣に、イラン人移民家族が引っ越して来ます。
彼と区長を争った友人は、車椅子生活で口も自由になりません。
街でチンピラに絡まれている青年を助けました。彼は妻の教え子で、レストランで働いています。
彼の店に行くと、アイラインを入れた青年が居ました。彼のホモセクシュアルの恋人でした。
他方、福祉公社の職員は、公務と言って車を乗り入れ、車椅子の友人を施設に入れようと策動します。
福祉社会と言われるスウェーデンですが、やはり矛盾、問題はあるものです。
オーヴェは、亡き妻の元に一刻も早く行きたいのですが、そうした隣人達との「トラブル」に巻き込まれ、
「旅立ち」出来ません。
オーヴェは教養の無い労働者階級で、ソーニャはインテリ女性です。自動車事故で半身不随になりますが、
学校に通い夢を叶えて、教師資格を取るのですが、車椅子の彼女を雇ってくれる学校はありませんでした。
オーヴェは、自分でスロープを作り、彼女は教師になります。レストランの青年は、教え子でした。

彼の妻・ソーニャの明るさ、たくましさ、優しさと彼の「不器用さ」が何とも妙です。
高齢者の孤独、福祉のあり方、移民人種問題、性的マイノリティ、など深刻ぶらず、説教せず、「そうだよね」
の共感をしみじみと誘い出します。
福祉社会スウェーデンの底深さと、人は一人生きているのではなく、周りの人々と支え合って生きているんだな、
をそれとなく教えてくれる、ヒューマンコメディの秀作でした。 【4月10日鑑賞】
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映画/手紙は憶えている[Remember]

2017年04月12日 | 映画


原題の"Remember"は、とても意味が深いです。これについては後述します。
邦題の「手紙は憶えている」はピント外れです。
とても面白い、いや良く出来た映画です。以下、あらすじ・結末が書いてあります。
アウシュビッツを生き延びた一人のユダヤ人の執念の復讐サスペンス映画です。
ある日、アメリカの老人ホームに、「ユダヤ人」のゼヴ夫婦が入所して来、マックスと運命的に出会います。
マックスもユダヤ人で、アウシュビッツの看守、オットー・ヴァリッシュとクニベルト・シュトルムに家族を殺され、
自らは、アウシュビッツを生き延びたユダヤ人です。
彼は、その二人が今なお生き延び、その一人がコランダーという名でアメリカで生存していることを突き止めます。
しかし、彼はもはや一人では動くことの出来ない体となっています。
そこで、マックスは実に深遠で周到な計画を巡らします。
マックスは、ゼヴが入所してきた時、彼にはマックスが何者なのか記憶が全くないことに着目したのです。
ゼブは、妻を失って以降、すっかり痴呆症が一気に進みました。
マックスは、目覚めると記憶が曖昧になるゼヴにまさに殺人計画書の「手紙」を書きます。

ゼヴは、妻の葬儀の後、マックスとの打ち合わせ通り施設を抜けだし計画の実行に着手します。
彼は記憶が薄れるとマックスの手紙を読み、その指示通り行動し、コランダーを次々と捜しあてます。
探し当てた三人は無関係であることがわかり、いよいよ残されたのは一人となり、クライマックスに突入します。
ゼヴは、彼にピストルを突きつけ、「真実を語れ、お前はコランダー、本当の名はオットーか」と問い質します。
彼の口からはとんでもない言葉が返ってきます。
「お前がオットーじゃないか」と。          ゼヴとマックス

ゼヴは、実はユダヤ人ではなく、アウシュビッツの看守のオットー、つまり彼こそコランダーだったのです。
ゼヴとは、ヘブライ語(確か)で「オオカミ」と言うあだ名でした。彼らは自らの腕に「囚人番号」の入れ墨をし、
二人でアウシュビッツを脱出し、過去を封印し、アメリカに渡り、生き延びていたのです。
シュトルムの衝撃的発言に、彼は、ゼヴからオットーに戻り、シュトルムを銃殺し、自らの頭も撃ちました。
銃も何十年も触ったこともなく老齢で銃を持つ手は震えているのですが、無意識下の銃の経験・腕前はプロ級でした。
さて、Rememberは、記憶ではなく、「忘れるな、憶えていろ」だという命令形だと私は思います。
彼が、コランダーの家でシュトルムを待つ間、彼はピアノに向かい、楽譜無しにピアノを上手に奏でるのでした。
その音楽は何と"ワーグナー"でした。実は、ゼヴはピアノの名手でした。
ヒトラー、ナチスはワーグナーをプロパガンダに利用しました。ユダヤ人にとっては、ワーグナーはタブー視しされています。
ゼヴは、言います。「お前の顔は忘れたが、お前の声は覚えている」と。
ピアノの妙手ゼヴは、耳が良かったのです。
ユダヤ人を装ってきた彼は、長らくワーグナーを封印して来たのですが、土壇場でワーグナーを見事に演奏したのでした。
マックスがこうした事情を調べることができたのは、1977年に設立された組織「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」です。

その組織は、ホロコーストの記録保存や反ユダヤ主義の監視を行い、ナチス戦犯を追及し続けています。
イスラエルの諜報機関・モサドも有名ですが、これらの組織の評価は様々に分かれているようです。
それらはこの映画のテーマではありません。サスペンスと言う観点からみて十分に楽しめた映画ですが、
痴呆症・老い・復讐、そし既に忘れ去ってしまった若き日に経験・体験したことが、無意識下に記憶されていて、
それが現在の自分の意志とは無関係に人を動かす、かもしれないといったこと、などのある種の恐ろしさと、
私自身の老いと死、そして痴呆は私にはとても興味深いものでした。
ここまで書いてきて、Rememberは、そうしたフロイト達の言う無意識下の記憶なのかもしれないとも思いました。 【4月10日】
                          
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映画/人間の値打ち[Il captale umano]

2017年04月01日 | 映画


イタリアアカデミー賞7部門受賞したそうですが、私にはイマイチでした。
何よりもテンポがないこと、特に最初の1/3が冗舌、そしてサスペンスと言うのにドッキリ感もありませんでした。
三つのチャプターで構成されているのですが、エピソード・三組のカップルの関係がちょっと無理筋なのです。
事故を起こしたのは金持ちの息子と我々に思い込ませ、それを金持ち達が嘘偽りでいかに誤魔化すのかと
我々の関心をミスリードするのですが、途中でどうもそうではないと気づく始めると、
最後に唐突しか言いようのないどうにも無理筋に「善意の犯人」が現れるのです。
そして、「純愛と誠実な貧乏人」にこそ"価値"がるというありふれたお話しでした。
金持ちでないセレーナ達はバイクやミニカーに乗り、金持ちは高級外車でした。
わざわざ映画館に足を運んでみる映画とは私には思えませんでした。     【3月27日】



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映画/エル・クラン[El clan]

2017年03月30日 | 映画


ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した作品だそうですが、私にはその理由・根拠が全く理解できません。
アルゼンチンが軍事政権と民主政に移る時代、家族ぐるみで企業家達を誘拐し殺害する犯罪一家の単純な話です。
極右組織・諜報機関のメンバーのアルキメデス達は、警察や軍のコネと庇護のもと人々を誘拐しまくります。
家族は、犯罪に積極的に荷担したり、知らないそぶりをし、豊かな生活を享受します。
その鈍感さ、無関心さに怒りを覚えます。この話は実話に基づくと言うことですが、
彼は、多くの人を殺したのに無期懲役、獄中で弁護士資格を取り、釈放後弁護士となり、若い女と結婚までしたそう。
おそらくこうした権力犯罪はたくさんあったのでしょう。
映画はそのことを教えてくれてくれましたが、途中私は吐き気を覚えました。
チリ・アジェンデ政権は当時、世界の希望の的でした。
アメリカCIAはそのチリ・アジェンデ政権を暴殺しました。
以降、中南米はつい最近まで右翼軍事政権の暴力が支配する社会でした。
そして、ベネズエラの社会主義政権の誕生以降、中南米はアメリカの中庭から反米地域に変わりましたが、
行き過ぎた社会主義は衰退しはじめました。
中南米は、かつて多くの優れた文明を築いて来ました。
スペインはその地を侵略支配、富を収奪・破壊し、言語を奪い、宗教を奪いました。
長い苦難の末、ようやく自らのアイデンティティを取り戻し始めた中南米の人々は、今また世界の希望となり始めています。
なかでも、戦争を放棄し軍隊を持たないコスタリカ、そしてエコツーリズム発祥の地コスタリカは、
私達の大なる希望です。   【3月27日】
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映画/ベストセラー[編集者パーキンズに捧ぐ]Genius

2017年03月25日 | 映画


20世紀初頭アメリカで活躍した作家トマス・ウルフと編集者パーキンズのお話。私は二人について全く知りませんでした。
売れない作家ウルフをパーキンズが売り出し、有名作家にしたという物語ですが、何ともつまらない映画でした。
パーキンズは食事中でも帽子を被っています。何ともイヤミでした。ウルフが残した遺言を読んで、彼は初めて帽子を脱ぎます。
これにはいろんな解釈があるようすが、彼は仕事中は帽子を被る、というのが私解釈です。
食事も排泄もセックスの時も彼は仕事中でしたが、ウルフの死で彼に初めて仕事ではなく彼と向き合ったのです。
私の好きな、ニコール・キッドマンがウルフの妻役で出ていたのですが、何故かきれいに映っていませんでしたし、
つまらない映画で興ざめでした。
坊主憎けりゃ袈裟まで…と言いますが、邦題の「ベストセラー」も、原題の「Genius=天才」も陳腐です。   【3月13日鑑賞】
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映画/ハドソン川の奇跡[Sully]

2017年03月08日 | 映画



原題の「Sully」は、この映画の主役である機長の愛称で、アメリカではかなり有名になった名前だそうです。
sullyは「傷つける」と言う意味の動詞でもあり、この映画は大事故の映画なので何か「不吉な」符丁の感じもします。
3.11以降、ニューヨークには「明るい話題」がありませんでした。そこに"ハドソン川の奇跡"がまさに舞い降りました。
飛行場を飛び立ったばかりのジェット機のエンジンに鳥が衝突し、二つのエンジンが停止しました。
管制官の指示は、近くの飛行場に戻れでしたが、機長はハドソン川に着水しました。
その判断が、正しかったか、間違っていたかがこの事故の最大のポイントでした。
事故調査委員会では、「エンジン停止後、すぐに空港へ引き返し、緊急着陸することは出来た。」 ですが、
事故機のパイロットたちは訓練通りQRH(クイック・リファレンス・ハンドブック=緊急時のマニュアル)を実施したため、
空港へ引き返すための時間がなくなったとのことですが、マニュアル通りのQRHの対応と不時着水は正当と
判断されたそうです。【この稿、Wikipedia参照】
亡くなった人はなく、機長は、英雄として迎えられました。
私には、この判断が妥当かどうかはわかりませんが、映画のテーマもそれを明らかにすることではありません。
クリントイーストウッド監督の意図は、徹底して「奇跡と英雄」を作り出すことです。
晩年の彼の作品は、それに取り憑かれたかのようです。
まるで、トランプを応援するかのような「アメリカ人魂ファースト」です。
彼は、こうして家族を愛する善意の固まりで非の打ち所のない典型的「アメリカンヒーロー」を作りました。
そうした役そのものと言った感じのトム・ハンクスの「どや顔」的訳知り顔と大袈裟演技も私はイヤでした。
映画の出来は、駄作とは言えませんが、もちろん傑作でもなく後味の悪い全くの「普通」作でした。  【3月6日】

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映画/世界一キライなあなたに

2017年02月27日 | 映画
 
英語題は、「Me before you」、あなたと出会う前の私でしょうか。日本での題名は、奇を衒ってでしょうが最悪です。
これがアメリカ映画でなく、フランス映画だったらきっともっとコメディタッチで秀作になったと思いますが、
やっぱりアメリカ映画って感じの普通作でした。でも、言葉はイギリス英語で耳触りが良いです。
この映画は、“安楽死”と言うシリアスで非常にデリケートな問題を含んでいます。それについては最後に触れます。
ストリーは単純で、大富豪の男が交通事故で車椅子生活となり、その世話に訪れた女性とのラブロマンスのお話です。
しかし、彼は、そんじょそこらの普通の金持ちではありません。大きな城を持ち、旅にはジェット機を丸々チャーターし、
専属の看護師を雇うと言う桁外れの金持ちで、イギリスのおそらく貴族の家系のイケメンの男性です。

他方、彼女は労働者階級の娘で、ウエートレスの仕事を首となり、父親も失業しています。
しかも、彼女はおっぱいは大きいのですが、背も低く小太りで美人とはとても言えない風貌です。
その眉は、日本のお笑い芸人「シングルポケット」の斎藤慎二のように上下に動く八の字眉毛です。

おしゃれが好きとは言うのですがその服装は苦笑ものです。

傑作は、靴です。
ルーは、はじめ世をすねていて半年後には安楽死を願っているウィルがキライだったのですが、
恋人を捨て、彼に乗り移り、彼女のトリコとなった彼は彼女を愛するが故に「生」より「死」を選ぶという単純なお話です。
ルーが労働者階級(貧乏)で美人でない、ウィルは貴族の大富豪で美男子という「ミスマッチ」が何ともいやらしいです。
観客の女性が、ルーに感情導入をするのがとてもたやすい仕組みが見え見えなのです。
ルーが美人でスタイルも良くしかも人柄も良ければ、観客には遠い存在ですから…。
それ以上にウィルがルー同様貧乏人で醜男だったら、ルーはウィルを決して好きにはなりません。
私は、途中からこの映画を単純なラブストーリーではなく、ルーは実は深謀遠慮を駆使して、彼をまんまと丸め込み、
大金を手に入れるサスペンスコメディ
映画として見ました。
事実、彼女の父親は、ウィルの家の庭師として雇われ、彼は安楽死し、遺言で莫大な遺産を手に入れるのです。
映画の最後は、パリ・ロワイアル辺りの公園のプラタナスの葉が落ちて、ウィルの死を暗示するシーンです。
ルーは、彼から贈られたミツバチ柄のタイツをはいてカフェの前にたたずみます。
私には、彼女は、「我が意を得たり」とほくそ笑むように見えました。

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さて、この映画は冒頭に触れましたが、安楽死の重いテーマを投げかけています。
現在、安楽死が認められている国は、スイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダそしてアメリカのワシントン州などの
いくつかの州、だそうです。
特筆すべきは、スイスでは1942年に認められたことです。
スイスには、ディグニタス(DIGNITAS)と言う自殺を幇助する団体があるそうです。
安楽死を求めるツアーは70万円ほどだそうで、2008~2012年の5年間で611人の人が亡くなったと発表されています。
門戸が外国人にも開放されているのはスイスだけ、と言われています。
この団体・システムについては様々な疑惑があり、激しい賛否両論があると言うことです。
 折しも、日本弁護士連合会は、2月22日、「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び
人工妊娠中絶に対する補償等の適切な措置を求める意見書」を発表しました。
その趣旨は、
1 国は、旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶が、
対象者の自己決定権及びリプロダクティブ・ヘルス/ライツを侵害し、遺伝性疾患、ハンセン病、
精神障がい等を理由とする差別であったことを認め、被害者に対する謝罪、補償等の適切な措置を速やかに
実施すべきである。
2 国は、旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に関連する資料を保全し、
これら優生手術及び人工妊娠中絶に関する実態調査を速やかに行うべきである。
です。
 その意見書の全文はここをクリックです。
ナチスの断種法はことに有名ですが、アメリカでもかなり強烈に行われたそうです。
日本でも、多くのハンセン病患者や「精神障害」者の多くが強制断種させられましたし、ろう者などの「身体障害者」も
断種・不妊手術を強制されたと聞きます。
昨今、様々な出生前診断が行われています。これについても様々な考えがあります。
これらの問題は、私には難し過ぎ、到底私の手に負えるものではありません。
倫理だけの問題にしてはいけないと言う常識以上を語ることは私は出来ません。
生まれてくるすべての人が普通に均しく心穏やかに生活出来る社会はいつ来るのでしょうか。
さて、高齢者である私が考えているのは自分の死の迎え方です。
私のわがままは、私が更に高齢になって生きる気力が失せた時、私は安楽死・尊厳死を選びたいことです。
今はそう思っていても、その時になったら、一刻でも長く生きたい、などと思うでしょうけど…。
日本で安楽死が認められても、自分が高齢になって痴呆が進めば、それを意思表示できません。
従って、私は「医学的延命措置を拒否する意思証明書」を含む遺言書を作成しています。
古代ローマは人類まれに見る文明を築きましたが、医術・医学は発達して居なかったので、病気になると治癒は難しく、
ローマの貴族階級の一部は、高齢による死を悟った時、「断食」という苛烈な方法をとった人も居たと聞きます。
そんな死生観も私が古代ローマにあこがれる理由の一つですが、しかし、それはまさに「即身仏」そのもの、
私にはそんな意志力が在るはずがありません。
-------------------------
さて、映画に戻って、「世界一キライなあなたに」の映画を見ていて、私は、「ジョニーは戦場に行った」のことが思い出されました。
私は、私のブログの「トランボ」で、次のように書きました。
第一次世界大戦に出征したジョーは、目(視覚)、鼻(嗅覚)、口(言葉)、耳(聴覚)を失い、壊疽した両脚も切断されます。
彼に残されたのは、皮膚感覚と意識そしてわずかに動かせる首と頭だけでした。
彼はそれらを駆使して必死に生き、訴えようとします。
医師や軍関係者らは、彼には意識はなく、もはや人ではない生物として横たわっているだけだと思うものの、
「人間の不思議さ」を調べる格好の臨床試験・実験対象と思い、彼に鎮静剤と人工栄養を注射し、生かし続け、観察します。
彼は、小さい頃遊んだSOSのモールス信号を思い出し、必死に頭を動かして発信し続けます。
ある日、看護婦がそれを感知し、医師に伝えます。
「何が望みか」との問いに、彼は、「自分を公衆の前に出し、見物料金を医療費に充ててくれ」と答えます。
「出来ない」との返事に、「では、殺してくれ」、「では、殺してくれ」……と訴え続けるところで映画は終わります。
それは、ナチスの生体実験、そして最近のトランプのヘイトと極端なナショナリズムを私に惹起させ、私は恐怖に襲われました。
 「世界一キライなあなたに」は、凡作ですが、いろんなことを考えさせられた映画ではありました。
しかし、私は、ちょっと神経質、・偏屈・屁理屈・大袈裟になりすぎましたでしょうか。  【2月20日】
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映画/マイ・ベスト・フレンド

2017年02月22日 | 映画


原題は、「もうあなたは居なくて寂しい」と言うことでしょうか。マイベストフレンドはちょっと陳腐です。
ミリーとジェスの二人の女性の関係は、過剰過ぎるというより異常なほどの緊密さで少し気持ち悪いです。
ミリーは、若くして乳癌になり切除します。女性にとって乳房がいかに大事だと言え、切除で「自暴自棄」になって、
酒を飲んで行きずりのセックスに溺れるなんて作り事過ぎです。
ジェスを演じたドリュー・バリモアはすっかりポッチャリになっていて、とても素敵な役を演じていました。
不妊治療を受けているジェスですが上手く行きません。ミリーが乳癌となったまさにその時にジェスは妊娠します。
彼女は、ミリーの心情をおもんはかってミリーには伝えられません。
自暴自棄になったミリーはジェスを誘ってミリーがかつて惹かれた「嵐が丘」の舞台の荒野はに行くのですが、
その地は、行きずりセックスの相手が居る地でした。
この風景が、何とも荒涼としているものの素敵で、「これぞ英国」でした。
ストーリー、ミリーのキャラクターはかなり飛び過ぎでほとんど話題作りの無理筋でした。
乳癌と不妊と言う女性にとって大きな悩みと恐怖を扱っていますが、わざわざ映画館に足を運ぶほどではありませんでした。
     【2月20日】
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映画/アスファルト

2017年02月15日 | 映画


ちょっと不思議で面白かったフランス映画です。
フランスの郊外の寂れた古ぼけた団地での現実的ではないかなり奇想天外の三つの物語です。

①屋上に、NASAの宇宙船が不時着し、宇宙飛行士がアルジェリア系移民のお祖母さんの部屋に緊急避難、居候します。
 
②落ちぶれた女優と鍵っ子高校生の奇妙なお付き合いの話し。

③失業中の車椅子の男と夜勤の看護師の女性との「奇妙な恋の予感」の話し。

オムニバスではなく、三つのお話が入り組んで進行します。
車椅子の男の話しはかなり飛んでいます。古い団地でエレベーターが故障します。
住民は共同で新しいエレベーターを購入することになりますが、彼は使用しない条件で出資しません。
彼は鬱屈して延々とエアロバイクをこぎ続け、足を悪くし、歩けなくなって車椅子生活になります。
昼は住民の目があるのでエレベーターを使えないので、彼は深夜エレベータを使ってこっそり出かけて、
病院の自動販売機でスナック菓子を買います。そこで煙草を吸いに来た訳あり未婚の看護師と出会います。
とっさにカメラマンと嘘を言って、彼女と連日夜の逢瀬を楽しみます。
ある日、嵐で停電、エレベーターが止まり、彼はエレベーターに閉じ込められます。さて……。
他愛ない下らない三つのお話、孤独云々の意味づけは不要で、おかしさを楽しめば良いだけ、と言うことでしょうか。
わざわざ映画館に出かけて見るほどではないですが、時にはこんなふざけた映画も良いものです。      【2月6日】
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映画/めぐりあう日

2017年02月08日 | 映画



原題は、「狂おしいほど愛されたい」でしょうか。
監督・脚本のウニー・ルコントさんは、ソウル生まれのフランス人です。
2009年『冬の小鳥』で長編映画での衝撃的デビューしました。
彼女は幼い時家族に捨てられ孤児院に入り、9歳の時、養子としてフランスに渡りました。
その実体験を基にその作品は作られました。
その時、監督は、
【この映画は、捨てられた子供が感じる怒りと反抗、子供は受動的な存在ではなく、喪失感や傷を感じられる
存在なのだということを描いています。
「養子」の話ではなく万人が理解できる「感情」についての映画です。
ジニはたった一人世界に取り残されてしまいますが、そこから新しい人生を生きていくことを学びます。
これは愛する父親を失ったからこそ学びえたことです。今の私の人生があるのも、両親が私を捨てたおかげです。
同時に「どうして親が子を捨てられるのだろうか」という問いかけも数え切れぬほどしてきました。
ありがたみと捨てられた痛み。実の両親を思い浮かべると、コインの裏表のような感情が複雑に交差します。
実父にこの映画を観てほしいとは思いますが、捜してまで会うつもりはありません。
今まで父が私を訪ねてこなかったのは、父には別の人生があるということですから。】
と言っていました。
そう言っていた彼女は、長編第2作のこの映画で、母親捜しの映画を作りました。
残念ながら、この映画の感動、できばえは、第一作の「冬の小鳥」には、はるかに及びませんでした。
それは、前作の捨てられた子どもが新しい自分の人生を生きていく苛酷ではあるが前向きさが素晴らしいからです。
「めぐりあう日」のエリザは、8歳の息子がいます。それはまさしく、ルコント監督が養子でフランスに渡った年頃です。
夫との間にすきま風が吹き始めたエリザは夫との別れを思いながら、息子を連れて、自分の出生地・ダンクルクに赴き、
そこで別居生活を始めます。
エリザの母・アネットは、その地に住んでいました。体を痛めた彼女は、理学療法士のエリザの診察を偶然に受けます。
「冬の小鳥」ほど、こちらの作品はエピソードが少ないので、ストリーはどうしても単調になります。
エリザを捨てた母・アネットの内面の描き方が弱かったのが作品の深みを薄くしたと私は思います。
アネットからのアプローチがもっと必要でした。
彼女は子ども達からブルドッグと呼ばれるように美人ではないのも「ビミョウ」でした。彼女は、とても老けて見えるのです。
また、彼女の母(エリザの祖母)はすごく小柄でやせていて、アネット、エリザの三人の体つきが余りに違いすぎます。
美人過ぎないエリザだった方が良かった、と私は思います。
二人のギャップが大きすぎるのです。しかし、次の場面は出色でした。

フランスは、多人種・多民族の社会なのだと言うことが映画の随所に見えます。
-----------------------------------
次のは、「冬の小鳥」の私のブログの引用です。真ん中、黒い服を着た背の高い子がジニです。

私のブログ「冬の小鳥」はここです。         【2月6日】



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映画/奇跡の教室~受け継ぐ者たちへ

2017年02月05日 | 映画



たくさんの国際映画賞を受賞したそうだが、到底傑作とは言えません。
落ちこぼれのクラスが歴史コンクールで優勝すると言う実話を基にしているとのことですが、
いかんせんリアリティが感じられませんでした。
このクラスはパリ郊外の貧しい地域に在るとのことですが、この町はどんな事情があるのか、
個々の生徒たちがどんな問題を抱えているかは、私には映画からはほとんど伝わって来ませんでした。
フランスが、多人種・多民族・多宗教の社会であることが良く伝わり、それが良かったです。
多人種・多民族・多宗教の社会は、多様性の社会ではありますが、そうであるが故の矛盾・軋轢・対立も同時に内包しています。
それを描くことはこの映画のテーマではないのかもしれません。
また、ナチス・ユダヤ人問題の学習を通して生徒たちがそれらの問題を理解し、相互が寛容にるのはやはり至難と思うのです…。
今、世界はトランプの排他・非寛容が席巻しています。アメリカ国民の半数がトランプの世界を選んだのです。
私は、アメリカがこれまでも民主的で寛容な社会だったと全く思いませんし、世界で最も侵略的で、富を収奪して来た国だと
思っています。そして、今なお、銃と黒人差別が支配、最も侵略的国だと思っています。
経済のグローバル化は資本のグローバル化に他なりませんが、世界は、○○ファーストの利害対立が支配するのでしょうか、
国境を越えた、民衆のソリダリティのグローバル化の展望はどうなるのでしょう。
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映画/グッバイ、サマー

2017年01月26日 | 映画



原題は、Microbe et gasoil、微生物とガソリンと言うことです。
ダニエルは、女の子の様な顔・体つきで、、Microbeは、微生物で「チビスケ」と言う意味のようです。
左はテオ、右がダニエルですが二人の足の格好が見事な演出です。

この二人が、50ccのエンジンの「小屋車」で一夏の冒険に出る話です。

物語はテンポ良く進むのですが、後半はアイデア不足、すっかり息切れ、失速してしまいました。
「性」への関心の強い中学2年生で、いくつか面白いエピソードも添えられています。
下の写真の右は、ダニエルの母、なんとあの「アメリ」のオドレイ・トトゥです。ちょっと年をとりましたが、
ベジタリアンになったり、ちょっと神経過敏症なちょっと飛んでいる面白いキャラを演じていました。

フランス映画のしゃれた会話も楽しいです。しかし、結末は少し残酷でした。
彼らのクラスメートがテオをけなした時、ダニエルはテオから教わった「必殺技」で彼を一撃で倒します。
ダニエルが恋心を抱くローラは、この一件でダニエルに惹かれます。
学校の呼び出しを受けて帰る時、ローラの「振り返って」の願いに構わず、彼は敢然として立ち去り、映画は終わります。
わざわざ映画館に赴いて見るほどではありませんが、十分楽しめますし、何たってトトゥも見られます。 【1月23日】
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映画/トランボ(ハリウッドに最も嫌われた男)

2017年01月16日 | 映画




アメリカ映画界の巨匠、トランボの活躍の映画です。
映画の出来としては、イマイチですが、見る価値大、興奮して鑑賞しました。
トランボと言う名は私には珍しいですが、1905年生まれのアメリカ人だそうです。
第二次世界大戦後、世界は東西対立・冷戦を迎え、アメリカでは、マッカーシズム(赤狩り)の嵐が吹き荒れます。
日本でも、レッドパージの嵐が吹き荒れ、多くの人が公職を追放され、松川事件・三鷹事件など権力のフレームアップで
共産党・労働組合が大弾圧を受けました。
チャップリンも1952年、事実上の国外追放命令を受けました。
民主主義を標榜するアメリカですが、共産党員と言うだけで大弾圧を受け、多くの人が公職を追放されました。
アメリカで最初の標的とされたのはハリウッド映画界の著名な10人の映画人(ハリウッド・テン)でした。
トランボは共産党党員でした。1947年下院非米活動委員会による第1回聴聞会に呼び出されました。
証言を拒んだトランボは、議会侮辱罪で逮捕され、禁固刑の実刑判決を受け、投獄されました。
ジョン・ウェインらの「アメリカの理想を守る映画連盟」は、次々と映画人を告発していきます。
元共産党員だったエリア・カザンは司法取引をして、11人の劇作家・演出家・映画監督・俳優らの名前をあげました。
そのお陰で彼は以後も映画界で活躍でき、1998年には彼はアカデミー賞「名誉賞」を与えられました。
しかし、その表彰式では、彼の上記の行動のため一部の映画人から大ブーイングを浴びられ、反対のデモも行われました。
メリル・ストリープさんは、トランプを批判しましたが、この時は起立して拍手したそうです。{以上、この稿、Wikipedia参考しました。}
さて、映画に戻ります。

出獄後、トランボはメキシコに逃れ、生活のため、偽名で次々と脚本を創作します。
一番のヒットは、「ローマの休日」でした。「黒い牡牛(英語版)」でアカデミー賞原案賞を受賞します。
ハリウッド追放から13年後、カーク・ダグラス主演の「スパルタカス」、「栄光への脱出」、「パピヨン」などを本名で発表しました。
特筆すべきは、トランボ65歳、1971年、彼はベトナム戦争最中に衝撃的映画『ジョニーは戦場へ行った』を脚本・監督します。
私は、この映画を知りませんでしたが、昨年8/16終戦記念日の翌日、NHKプレミアムで放送されました。
私は、テレビでこのモノクロの映画を見て、大衝撃を受けました。
第一次世界大戦に出征したジョーは、目(視覚)、鼻(嗅覚)、口(言葉)、耳(聴覚)を失い、壊疽した両脚も切断されます。
彼に残されたのは、皮膚感覚と意識そしてわずかに動かせる首と頭だけでした。
彼はそれらを駆使して必死に生き、訴えようとします。
医師や軍関係者らは、彼には意識はなく、もはや人ではない生物として横たわっているだけだと思うものの、
「人間の不思議さ」を調べる格好の臨床試験・実験対象と思い、彼に鎮静剤と人工栄養を注射し、生かし続け、観察します。
彼は、小さい頃遊んだSOSのモールス信号を思い出し、必死に頭を動かして発信し続けます。
ある日、看護婦がそれを感知し、医師に伝えます。
「何が望みか」との問いに、彼は、「自分を公衆の前に出し、見物料金を医療費に充ててくれ」と答えます。
「出来ない」との返事に、「では、殺してくれ」、「では、殺してくれ」……と訴え続けるところで映画は終わります。
それは、ナチスの生体実験、そして最近のトランプのヘイトと極端なナショナリズムを私に惹起させ、私は恐怖に襲われました。

アメリカ社会は不思議なもので、「プライベート・ライアン」、「グッドモーニング、ベトナム」、「ディア・ハンター」、「プラトーン」など
多くの反戦映画を制作してきました。
中でも『ジョニー…』は、最も地味で、商業ベースに全く乗らない映画と思うのですが、「衝撃」、「すごい」としか言いようがない
このような映画を作ってしまう底力・不可思議さも持っていると私は思うのです。
さて、現在、イギリスのユーロ離脱を初めにヨーロッパの移民排撃と右翼と偏狭なナショナリズムの台頭、そして
アメリカ・トランプのレイシズムが跋扈し始めた時代に、「トランボ」はある種の警鐘を投げかけているのでしょうか?
ちょっと思い入れが強すぎたかな…。        【1月9日鑑賞】
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映画/疑惑のチャンピオン

2017年01月11日 | 映画
 
アメリカ人のツール・ド・フランスのライダー、ランス・アームストロングの話しです。
彼は、25歳で精巣がんとなり、その克服後、ツールドフランスに復帰し、7連覇を果たしました。
しかし、それは薬物のお陰でした。後、ドーピングが発覚し、彼が得たすべての賞が剥奪されました。
彼は、がんキャンペーンに参加し、一大寵児となり、まさに「聖人」扱いされました。
ツール・ド・フランスは、莫大な資金を必要とします。
様々な企業が有望選手に金を出し、チームが一丸となってスター選手を守り、援護し、争うチーム競技です。
長年ドーピングが明らかにならなかったのも、こうしたチームによる「科学的・医学的ドーピングとその隠蔽」と、
疑惑を抱かれながらも、英雄となった彼はまさに「不可侵の聖人」だったからです。
かつての旧東ドイツ、中国陸上の馬軍団、ロシアは国レベルでどーぴんぐが行われたと言われていますし、

今日、スポーツは、肉体を強くするに「ドーピング検査に引っかからなければすべてOK」の感がします。【1月9日】


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映画/sing street

2017年01月04日 | 映画

私は、ロックは好きではありませんが、面白かったです。
時代は、1985年不況下のアイルランドの首都・ダブリン、14歳のコナーの父親は失業、母は新たな恋人を持ち、
子ども達は、お金のかからない地元の学校に転校します。
コナーはある日、とある建物の玄関前の少女・ラフィナに惹かれ、声をかけます。
とっさに、ミュージック・ビデオのモデルになってと「ウソ」を付いてしまいます。
彼は、大急ぎでバンド仲間を集め、ビデオ作りに励みます。
まず形から入ったのですが、その出で立ちは…、漫画チックでした。

この映画の主人公は、コナーの他に、彼の兄ブレンダン、そしてラフィナです。
ラフィナが立っていたのは、家庭のない女子を支援している施設の建物の前でした。

彼女は、この家を出て、ロンドンでモデルとなる夢を持っています。
ちょっとけばけばしい化粧で登場した彼女ですが、優しさと心の強さを持つ美人です。
兄のブレンダンは、真の主人公かも知れません。音楽家・アーティストになる夢に破れ、鬱屈した日々を送っていますが、
彼の音楽への情熱、知識は豊かで、コナーに大きな影響を与えていて、コナーはまるで彼の分身のようです。

この二人は、傷心・鬱屈し、夢破れているのですが、内面はとても豊で優しく魅力に溢れています。
コナーの両親は別居し、ラフィナはボーイフレンドとロンドンに行ったのですが彼に捨てられ、
夢破れダブリンに戻ってきます。
映画はこの後、ちょっと中だるみの展開ナノですが、コナーとラフィナはブレンダンに背中を押されて、
ダブリンを旅立ちロンドンに向かいます。
ジョン・カーニー監督は、「はじまりのうた」、「ONCE ダブリンの街角で」など素敵な作品を送り出してきました。
これらの映画は、もちろん音楽が重要な要素を占めていますが、閉塞感のあるアイルランドから抜け出す夢と、
にもかかわらずアイルランドへの郷愁の狭間で揺れ動きながら、一歩踏み出していく内なる強さを描いています。【
12月26日鑑賞】
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