両国界隈・相撲部屋を巡る/2007.9.17
夏も終わり涼しくなったので、久しぶりに出かけた。
今回は趣向を変えて、両国の相撲部屋を巡った。
途中、寺社や吉良邸跡地など観たい所がたくさんあるのだが、禁欲して、
相撲部屋だけに限った。
JR両国駅構内
国技館
国技館隣は旧安田庭園
旧安田庭園は無料で庭園内から両国公会堂を臨む
横綱町公園内・関東大震災慰霊堂、その内部
八角部屋の右隣が錦戸[水戸泉]部屋。
この通り二は冨岳三十六景の北斉ギャラリィ・この先は江戸博物館
両国駅前には、立浪部屋があるはずなのだが見あたらない、
その番地は工事中だった。
両国駅前に戻る、この通りには手形と土俵入りの銅像が並ぶ
黒色の線で囲んだ店は霧島[陸奥]のお店でその後ろの陸奥部屋がある
回向院
力塚
鼠小僧墓、左は猫塚、回向院は動物をたくさん祀っている
次に向かう時、キートン山田[チビまるこの父親の声]のスタジオがあった
清澄庭園[入らなかった]・この右に清澄公園
ここから、次の安治川部屋まではかなりの距離があるので
地下鉄に乗った[半蔵門線・清澄白河から次の住吉]
安治川部屋からJR錦糸町駅まで歩いて帰った。
両国駅近くの相撲部屋のいくつかは十年前くらいに覗いたことがある。
また、回向院界隈・松尾芭蕉の神社などをウォーキングしたしたこともある。
吉良邸跡地や寺社などもたくさんあるところだ。
関東大震災ではこの一帯も大被害にあった。
そのせいかはわからないが、道路は広く碁盤状であまり入り組んでいない。
歩き疲れたので三保ヶ関部屋の近くの児童公園で休んだら、
孫と遊んでいたご婦人に話しかけられ、少し話した。
相撲部屋は、豪華マンションかと見間違う状観だ。
看板がなければ相撲部屋とはわからない。
力士名や顔写真など紹介しても良いのに。
入り口が開いていたのは、最初の片男波部屋だけで、
玄関を入るとすぐ土俵だった。
どの部屋も駐車場は狭く、自転車がたくさん駐輪していた。
部屋住みの力士は自転車なのだろう。
現役の力士は運転を禁じられていて、
事故を起こして運転が発覚した旭天鵬は出場停止処分になった。
部屋によって、駐輪がきれいなところとだらしないところがあった。
休日で、両国界隈は人通りはほとんどいない。
秋場所が昨日で終わり、出かける力士にも何人か出会った。
力士のビンヅケあぶらはあまったるい。
多くの部屋で、外にビールの空き箱が高く積んであった。
相撲は、スポーツでなく、伝統ある国技だ、と声高に言い、
力士は土俵上では喜怒哀楽を表してはいけないだとか、
土俵には女性は上がってはならないだとか、
横綱は心技体に優れ、品格が無ければならない、
等と言う。
古き良き伝統とは、封建主義・戦前の天皇制絶対主義そのもの。
親方は絶対=つまり天皇で黒でも白と言わねばならないという。
相撲の良き伝統とは、その単純さにある。
かかと以外の身体の一部が土俵に触れたら負け、土俵の外にかかとを踏み出したら負け、と言う単純さにある。
だから、本来は「死に体」と言う概念もおかしいのだ。
それなら「勇み足」という決まり手もないはずだ。
でも、相撲界は意外と開放的でもあって、
外国人にも門戸は開かれていて、でも最近は一部屋に一外国人にしてしまった。
複数の国の外国人はいい。
[外国人、初期のハワイ出身者の存在がなければつぶれていたかもしれないが]
微妙な勝負には、ビデををいち早く取りいれたり、
月給制だったり、新弟子教習教育など他のプロスポーツと比べると、
その進出性はとても優れている。
ただ、部屋制・親方制などの古さも残っているが、これは伝統と言うより、
既得権の保障・全体の経営基盤の保守ということにより深い意味があるように思う。
相撲は、伝統ある国技で、社会の常識は通じないとの考えもあるが、
僕はそうは思わない。
国技などとは全くのうそっぱち、でっちあげで、
タニマチの世界に“品格”などあるものか。
疑いもなく、力士はプロのエンターテイナーで、
いつもいつもガチンコ勝負では、いくら丈夫な力士だってもたない。
格闘技・エンターテイメントには演出が不可欠だ。
狭い世界、無気力相撲がないはずがない。
あの若乃花、「実力」で横綱になれたと思う人はいないのじゃないの。
関取が多く同部屋の力士とは対戦しないのだから有利な条件を持っていたし、
何よりその立ち合いはずるく、きたなかった。
なのに、相撲界を引退して商売人になったのに親方株を保持していたり、
相続争いしたり、どこに「品格」があったのでしょうか。
外国人力士はものすごくいじめられたに違いない。
朝鮮人力士・力道山へのいじめは尋常ではなかったと聞く。
旭鷲山へのいじめもひどかったらしい。
でも、彼らには逃げる場所はなかった。
それを耐え抜いて第一線に上り詰めたのだ。
外国人力士の日本語の獲得はそれ以上に脱帽する。
小錦は人種差別で横綱になれなかった。
もう一つ気になるのは、薬物使用。
ステロイド・筋肉増強剤使用は公然の秘密だ。
でも、僕は大相撲が好きだ、おもしろい。
立ち合いは、きちんと両手をついて、行事の合図で立ち会うのがよい。
立ち合いの変化、はたきは悪くはない、立派なわざだ。
ただ、顔への突っ張り、張り手は禁止すべきだ。
それは相撲と言うより格闘技だから。
それが認められるなら、ウエスタンラリアットだってやったっていいはずだもの。
思わず脱線してしまったが、
曇り空で、家を出る時は半袖では寒かったが、
歩き出すとTシャツでも汗が出てきた。
久しぶりに歩いたので、だいぶ疲れた。
歩いたのは10㌔位か。
両国界隈も味わい深い街だ。
いつか、小岩地区の相撲部屋巡りもしてみるか。