風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/sing street

2017年01月04日 | 映画

私は、ロックは好きではありませんが、面白かったです。
時代は、1985年不況下のアイルランドの首都・ダブリン、14歳のコナーの父親は失業、母は新たな恋人を持ち、
子ども達は、お金のかからない地元の学校に転校します。
コナーはある日、とある建物の玄関前の少女・ラフィナに惹かれ、声をかけます。
とっさに、ミュージック・ビデオのモデルになってと「ウソ」を付いてしまいます。
彼は、大急ぎでバンド仲間を集め、ビデオ作りに励みます。
まず形から入ったのですが、その出で立ちは…、漫画チックでした。

この映画の主人公は、コナーの他に、彼の兄ブレンダン、そしてラフィナです。
ラフィナが立っていたのは、家庭のない女子を支援している施設の建物の前でした。

彼女は、この家を出て、ロンドンでモデルとなる夢を持っています。
ちょっとけばけばしい化粧で登場した彼女ですが、優しさと心の強さを持つ美人です。
兄のブレンダンは、真の主人公かも知れません。音楽家・アーティストになる夢に破れ、鬱屈した日々を送っていますが、
彼の音楽への情熱、知識は豊かで、コナーに大きな影響を与えていて、コナーはまるで彼の分身のようです。

この二人は、傷心・鬱屈し、夢破れているのですが、内面はとても豊で優しく魅力に溢れています。
コナーの両親は別居し、ラフィナはボーイフレンドとロンドンに行ったのですが彼に捨てられ、
夢破れダブリンに戻ってきます。
映画はこの後、ちょっと中だるみの展開ナノですが、コナーとラフィナはブレンダンに背中を押されて、
ダブリンを旅立ちロンドンに向かいます。
ジョン・カーニー監督は、「はじまりのうた」、「ONCE ダブリンの街角で」など素敵な作品を送り出してきました。
これらの映画は、もちろん音楽が重要な要素を占めていますが、閉塞感のあるアイルランドから抜け出す夢と、
にもかかわらずアイルランドへの郷愁の狭間で揺れ動きながら、一歩踏み出していく内なる強さを描いています。【
12月26日鑑賞】


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