「モーツァルト!」大阪公演も千秋楽が間近に迫ってきたというのに、初日のレポから書けてませんよ!(笑)
こんなことなら、毎回3行レポでもいいから書いておくんだった・・
もう今さら公演日ごとのレポは書けないので、5公演分まとめて、さらっといきます、さらっと。
正直、韓国版を観てしまったあとに、日本版を見て自分がどう思うのか、ちょっと自分でも怖かったんです。
でもでも、
日本キャストも頑張っているじゃないですか~TT
やっぱりトータル的な歌唱力では、韓国キャストにはかなわないと思いましたが、
でもなんというか、歌がすべてでもないんだな、って思えるところもたくさん発見できて、嬉しかったです。
山崎育三郎さんのヴォルフガングの誕生は、この作品を日本で語り継いでいく道をさらに広げてくれたと確信させてくれました。
日本の演出の良さ、面白さも再確認しましたし、何度再演しても色あせないのは、俳優さんたちが常によりいいものを私たちに提供しようとしてくれている、そのことがとても伝わってきたのも本当に嬉しかったです。
日本版の誇れるところ。
個人的には、まず、
演出上のアマデの役割と子役の素晴らしさですね。
日本版は、アマデだけ見ていてもひとつの物語があるし、泣けます。
今回のアマデ役で、いちばん年齢が上の、5年生の松田亜美ちゃん・・・凄かった!
歴代アマデの中で、私の中で1~2位を争う素敵さでした。
「僕こそ音楽」では、アマデが自分の中からあふれ出てくる音楽を楽譜にすごい勢いで書きはじめる場面があるのですが、その場面で毎回涙が出ます。
あふれる喜びが伝わってきて、それがヴォルフの歌う歌詞と重なって、私の胸の奥からなんとも言えない感情が湧き上がってくるんです。声が出そうになるくらい。
「星から降る金」。みんなの会話に反応して、その人の顔を見るアマデ。そのときの目、表情といったら。
男爵夫人の話に誰よりも目を輝かせているのがアマデです。
このシーン、日本版ではヴォルフの夢云々よりも親子の葛藤がメインに描かれているので、父の顔色を伺いながらヴォルフを見守っているそんなアマデですが、でもそこにはアマデ自身の迷いは見られず、ヴォルフが決断するのを待っている、そんな強い意思を私は感じました。
この曲の間、数秒単位で変わるアマデの動き、表情について、どんな気持ちで演じているのか、インタビューしてみたいです。
「影を逃れて」では、亜美ちゃんがペンを振りはじめたらもうヴォルフを見るのはあきらめて、亜美ちゃんだけ見ます。
ペンのインクが出ない・・しばらく必死にペンを振っていますが、ピタっと動きが止まるアマデ。
ここからの表情・・! こ、怖い!!(笑) ※3階席からだと白目しか見えませんw
そう、インクが出ないなら、ヴォルフの血で書けばいい。
ヴォルフの腕にペンを突き刺すアマデ!
そして、その血でものすごい勢いで楽譜を殴り書くアマデに鳥肌です。
このときの表情、うっすら笑みを浮かべて書いてますよね。3階席から見る赤い楽譜がリアル!
フランス革命で、シカネーダーが「魔笛」の台本をヴォルフに渡し、ヴォルフからアマデに台本が手渡されるシーン。
この台本を手にとった瞬間のアマデのわくわくした表情!
こことっても大好きなシーンなんですけど、ここは黒木璃七(くろきりあな)ちゃんアマデの表情が最高です
りあなちゃんはそんなに表情に起伏はないタイプだと思うのですが、ここの表情はこんな感じ→
もう可愛くてたまりません~
あと、日本版いいなぁ!と思うところは、
魔笛が成功し、「MOZART」と書かれた垂れ幕を、アマデとヴォルフが奪い合うシーン。
切なさがこれから一気にピークに向かっていく、その入り口であるこのシーン、いいなぁと思います。
あの幕は、名声とか、そういうものの象徴でもあるのでしょうか。
「モーツアルトは僕だ」、「いや、僕がモーツァルトだ」(と言ってるかどうかは知りませんが・・w)
こういう視覚に訴える演出が、いいですよね。
この奪い合いのあと、演出の小池氏があえてこの位置に持ってきたというレクイエムの依頼のシーン、そして、レクイエムの作曲シーンから死へつながっていくところが、とてもわかりやすくてドラマチック。
この流れは日本版の誇れるところではないかと思います。
一方、韓国版のほうが凄く好きなシーンも再認識しました。
韓国版ではやっぱり何をおいてもここでしょう、ヴォルフが見た悪夢の中で登場する父とアマデのシーン。
アマデが小箱を差し出し、受け取った父はアマデのアタマをなでなで。
この光景がヴォルフの頭の中に焼きついていて、のちに父の愛を受けようとアマデから小箱を奪い、父に差し出すが父に叩き落される・・・
ここはおそらく、ヴォルフが死ぬシーンよりも、他のどんなシーンよりも切なく、悲しいシーンだと思います。
この伏線、ブラボーです。
あと、韓国は、ナンネールの設定が大好きですね。
韓国のナンネールは、最後まで中立で父とヴォルフの間で心を痛め、どちらも愛していて、どちらの気持ちもわかるっていう印象だったのですが、
日本のナンネール、ちょっと最後の方、怖いですね^^;
あの~・・前からあんなに怖かったですか・・・?
父が亡くなったことを伝えに来たナンネール、「パパが亡くなったわ」の言い方、表情、とても怖くて、そのあとの歌で、パパを傷つけたヴォルフを許さんとか言ってますよね・・?
それはそのあとのヴォルフの孤独をいっそう強調し、「お前(アマデ)が家族を引き裂いた」という台詞にも繋がっていくものとは思いますが、
しかし、あまりにもあまりにもでしょうTTTTT
私は個人的にはナンネールには天使でいてほしいのです・・。
本当は初日など、全てのシーンで思うことがあったはずなのですが、
具体的にもう細かく思い出せなくて・・・。
脳みその中を記録する機械があればいいのにって思いました(笑)
またちょこっとだけ続きを書きますね。
(※画像は今回のパンフレットより)