今頃ですが、大阪公演を観てきました。
Bunkamuraシアターコクーン『漂流劇ひょっこりひょうたん島』 スポット
まず、BRAVAで円形のステージがクルクル回ってるのを見て、「キャッツシアターだ♪」とコーフンw
舞台の感想は、「面白かった!」
前半なんて、常に笑い続けていた感じでしょうか。
ストーリーは抽象的なものだったと思いますが、そのぶん、観る側でいっぱい想像できるのが楽しい。
そもそも、島が漂流してるっていう設定からして不思議で面白いですよね^^
作品全体を通じて、場面が変わっても共通して感じたものは、
おだやかで、物事にとらわれない自由な心。
とても大変なことが起こっていても登場人物はどこか淡々としていて、
ある一線より深い悲しみの感情を表現したり、それをひきずることはなかったような。
それが私の目には「心の平和」につながっているように映りました。
突然の場面転換に、「=執着をもたない」という解釈を加えてみるとなんだか心が軽くなる。
「この世はありえないことに満ちている」ことを理解し、
「自分の描きたいものを書いた地図」を手に持ち、
「今日がダメなら明日がある」と、思えるよう、自分が作ったさまざまな呪縛から心を解放してあげることができればいいな、と思いました。
それにしても登場するキャラクターと、それらを演じるキャストの皆さんがホントに楽しくて。
特に好きな登場人物は、
・椅子椅子王国の人w
・トラヒゲ(小松政夫さん)
・サンデー先生(安蘭けいさん)
・ダンディ(芳雄くん)
椅子取りゲームに負け続ける椅子椅子王国の人、最高でしたw
他にも、小松政夫さんの椅子取りゲームにまつわる悲しい話や、仲良し六つ子の椅子取りゲームなど、
とにかく椅子取りゲーム関連はすべてがツボ!
なかでも、音楽が鳴っている間に椅子の周りを歩くときの芳雄くんの動きがあまりに面白すぎw
サンデー先生の無声映画のようなシーンもすごく面白かった!
そして、小松政夫さんのあのギャグをまさかナマで聞く日がこようとは・・!
あと、楽器を演奏しはじめたらすぐに演奏をやめて何か話をはじめるお二人の会話の内容も全部面白かったですね。
で、このお二人の演奏で芳雄くんが歌う、おとといと明後日のちょっとした隙間がなんとかかんとかっていう歌も面白かった。
時折、世の中や人間への風刺が表現されていたのもメッセージ性があって興味深かったです。
ドン・ガバチョがヒゲなしで演じるシーンと、ダンディが自分が死んだことに気づいていないシーンはとても切なかった・・
と同時に、オープニングに芳雄ダンディが持っていたものが、自分の亡骸だったんだとわかって衝撃でした。
ということは、あの人たちはみんな・・・?
それならいろんな不思議なことにつじつまが合います。
「星めぐりの歌」が歌われていたシーンも良かったな。
この曲好きなんです。
星めぐりの歌
https://youtu.be/HHNEhT2Ckck
宝探しのシーン、箱を開けても開けても中に何も入っていなくて・・
たぶんこのシーンだったと思うのですが、俳優さんたちがこんな言葉を言っていましたね。
「まごころ」 「誠意」 「希望」 「愛」
これらのものが宝の正体なのでしょうか。
そうだとしたら、宝は必死に探さなくても、実はみんな自分の心の中にすでに持っているのかも。
目に見えないものが、本物の宝なのかもしれませんね。
「嬉しいこともあるだろさ、悲しいこともあるだろさ だけど僕らはくじけない 泣くのは嫌だ、笑っちゃおう」
ひょっこりひょうたん島の音楽、いいですね、歌詞もメロディーも耳に残ります。
ふわっとした空気感の中に、たくさんの笑いと、人生を生きるのがちょっと楽になる魔法がブレンドされた面白い舞台でした。
舞台「ひょっこりひょうたん島」スポット映像
ゲネプロ(ネタバレあり)
https://youtu.be/ekBNZ1N1peI
【脚本】 宮沢章夫・山本健介
【演出・美術】 串田和美
【音楽】 宇野誠一郎・宮川彬良
【出演】
井上芳雄(マシンガン・ダンディ)、安蘭けい(サンデー先生)、山下リオ(博士)、小松和重(テケ)、山田真歩(プリン)、一色洋平(海賊)、久保田磨希(チャッピ)、内田紳一郎(ダンプ)、真那胡敬二(海賊)、大森博史(海賊)、中村まこと(海賊)、串田和美(?)、小松政夫(トラヒゲ)、白石加代子(ドン・ガバチョ)
【ミュージシャン】
アラン・パットン(アコーディオン)、馬谷勇(ギター)、ギデオン・ジュークス(ベース/チューバ)、木村おうじ純士(ドラムス/パーカッション)
シアターコクーン特集サイト
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/15_hyotan/