網創漠蓄

網(ネット)上で、創作物などを、漠然と、蓄えていこうとするページです。

要人警護ということ

2009-02-14 18:28:17 | ハヤテのごとく!
黒いネタ手帳さんの記事、いや、十分にを受けて
少し「社会的リスク」というものに絡めた話を。

そもそもセキュリティには「費用対コスト」みたいなものが大きく作用します。
各種の危険による不測の損害を最小の費用で効果的に処理するため、
リスクマネジメントが当然行われるわけです。

そこでまずナギを狙うものはどういう存在が考えられるか、というと、
ナギは政治権力も持たない「只の金持ち」で「富豪の相続人」であるわけで、
(1)遺産相続の資格者
(2)営利誘拐目的の者
(3)三千院家に恨みを持つ者
(4)その他行きずりの犯罪者
辺りになります。
このうち、(1)(3)に係る責任は帝の本家にあり、
(2)(4)はナギ家に帰すことになります。



(1)の場合、ナギを狙う目的は
「相続権一位のナギに消えてもらって自ら相続権を得る」ことになります。
その場合は
>財産目当てであっても、庶民的な感覚からすれば、金に糸目をつけず、
>少々強引な手段をとっても、痛くも痒くもない相手ですから、

これ、実は致命的な痛手になりえます。軍閥同士の争いではないのですから。
殺人その他の教唆犯として相続欠格となる可能性が出るので。

やることの規模が大きくなればなるほど、「足がつく」可能性が高くなり、
(もちろん動かす額を大きくした場合も同様 殺し屋の項目も参照)
それだけ肝心の相続権を失うリスクも高まります。
そのため「ナギ(達)をピンポイントで・出来るだけ事故に見せかけて」
という辺りが必須になります。
そして防ぐ帝の側は、身内の怪しい繋がりに目を光らせるのが最適手になり、
「プロ」とのつながりを得ること自体がリスクとなります。



(3)の場合にはまず第一の標的は帝になり、
ナギを狙う優先度はかなり下がりますが、
こちらの場合もやはり「目を光らせるの」のが最優先です。
「恨みを持つ者」の特定は比較的容易ですので。

いずれにせよここまでは実は帝の本家が管理するのが妥当であり、
(情報漏洩を防ぐため)ナギ家には情報すら届いていない可能性すらあります。
(クラウスやSPの一部には伝わっている可能性もあるが、
そもそも未成年に最終的責任を問う体制になっているとは考えにくい。)

また当然この手の情報網には大物の方がかかりやすく、
小物はナギ家のみで対処できる可能性が高くなります。
(「間抜けな人に狙われる」という状況はそれで起こりうる)

また(1)との共謀も警戒すべきところですが、
その形になったギルバートはそれで相続権を剥奪されている可能性があります。
「犯罪」にまで至らずとも、ライバルを排除する口実としては十分なので。



(2)については、三千院家の場合は
要求された満額を即刻用意しうるということが最大のポイントになります。
これは「三千院家令嬢と分かって狙われた」時のほうが大きな要素です。
この場合の犯人には殺すことはもちろん、傷つけるだけでも
その後の(社会的含む)報復などのリスクは高まります。
(ちなみにハイジャックも誘拐・拘束目的の可能性が高くなる)

そしてそういう場合に限り、「誘拐犯にダメ出し」は案外有効な手です。
背後関係などの情報を漏らしてくれる可能性が高まるので。
虎鉄の場合も結果として、自分の安全を図ることにつながりました。



(4)の場合、・・・日本国内なら警戒自体「かなり甘い」のが
財界人の子息の場合の標準だったりします。(政府要人を除く)

ちなみに「ナギが自ら安全圏から離脱するリスク」というのは、
「気に入らない場から離れる(第1話など社交会関係が多い)」場合が殆どで
実は計算可能なケースだったりします。
そしてナギのそういった性質を知る者達を抑えることが出来れば、
後心配するのは「日常的な犯罪等に巻き込まれるケース」ですが、
そのリスク自体が日本国内では本来相当少なかったりします。



下田のようなケースは基本的に、ナギ自身に自制してもらうしかないわけで、
要人警護も本来は、要警護対象が自ら逸脱行為をしないことを前提に為されます。
(皇族の体験談より)つまり「ハヤテ・マリアのミス」とはいえるという状況です。
(マリアやナギは新幹線に乗ったことはあるらしいので、
多少冒険したという位の感覚と思われる)

また殺し屋自体もなぜあの場所でターゲットに遭遇できたのかは不明です。
(それこそ名胃周辺で敵味方双方が見失なう可能性が最大、という場面)
そしてそのきっかけすら、ハヤテが居なかったらあったかどうか。
実際、かなり(道中のみの)リスクをとった行動といえます。
行き先は別荘で、当然そこには管理人や、別行動のSPも居ると考えられるので。

また雛祭り祭りでのケースは、安全地帯のはずの白皇学園内で、
身元が確かな生徒の一人によってさらわれたケースで、
「マリアが電話で確認」という大甘な行為もその前提で初めて意味を持ちます。

そしてシスターのときのケースは「明らかなクラウスの落ち度」で間違いなく、
三千院家の安全対策は、粗は見えるもののそれなりに機能していると思われます。
尤もアメリカ大統領暗殺等にも見えるように、
全ての危険を完全に防ぐのはそもそも不可能なのですが。