まさおっちの眼

生きている「今」をどう見るか。まさおっちの発言集です。

菅家さんに、刑事、判事はどう応える?

2009-06-05 | 発言
「足利事件」で無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さん(62)が4日午後、千葉刑務所から釈放された。逮捕から17年半ぶりのことだ。記者会見で話している菅家さんを見ると、ぼくですら「ほんとだ、この人は無実だ」ということが直感ですぐ判る。なのに最高裁までいっても有罪になるとは、逮捕した刑事、裁いた判事たちは、何を見ていたのだろう。人を信じず、犯人だという決めつけと、あやふやなDNAへの信頼だけで無実の人を有罪に持ち込んだ。「17年の人生を返してもらいたい」「刑事・検察に謝ってもらいたい」と菅家さんは言うが、誰も責任は取らない。こういう冤罪は電車内の痴漢もそうだが、かなり多そうだ。往時、ぼくが中学生だった頃、夏休みに自転車で紀伊半島を無銭旅行で一周したことがある。約500キロの走行を10日間かけて、野宿をしながら走り続けたものだ。その時、みかんの名産で知られる和歌山県のあぜ道を走っていたら、横に夏みかんがたわわになっていた。ぼくはビタミンの補給にと、一つ二つ、頂戴した。ところが農家の人に見つかって「コラッー」っと怒鳴られた。慌てて、ぼくはチャリンコをかっ飛ばした。ところがしばらく走っていると、前方からパトカーがやってきて、ぼくは警察の本庁に連行された。取調室で持ち物を全部机の上に置けと言われ、所持品を置いた。刑事らしき男は、腕時計とナイフを見て、「このナイフで人を脅して腕時計を取ったんだろう、白状しろ」っと迫ってくる。目の前の夏みかんを二つだけもぎっただけなのに、ぼくにとっては、何が何だかさっぱりわからなかった。延々10時間近く取り調べを受け、やっと釈放されたが、人を決めつけ疑いにかかる、警察というものはそういうところかと初めて知って衝撃を受けたことがある。勿論、警察は犯人を逮捕することが商売だから、誰でもまず犯人だと疑ってかかることから始めるのだろう。しかし、それだけに刑事の目は曇っていやしないか。弁護士は菅家さんが逮捕されて会った時に「この人は無実だと確信した」と話していたが、素人のぼくだって、菅家さんの会見を見ただけで、この人はやっていないということがわかる。なのにプロの刑事がなぜそれがわからなかったのか。思い込みによる決め付けで目が曇っていたのだろう。判事も人を見ないで、証拠というものだけで判断をする。プロにはプロなるが故の弱点があるものである。しかしそういう弱点を是正して、冤罪だけはなくして欲しいものである。