まさおっちの眼

生きている「今」をどう見るか。まさおっちの発言集です。

「わが最愛なる家族」の絵

2009-06-21 | 発言
上記の写真はぼくの描いた油絵だ。25号で葉書25枚程度の大きさで、もう13年も前に描いたものだ。当時雑誌社に勤めていて、財界人の絵を表紙にしていたが、ぼくのこの絵を社長が観て、表紙に掲載した。父亡き後、この絵は今は京都の母のもとにある。その時に掲載誌に同時に書いた「表紙の言葉」が以下の文章です。

京都で病床にある父に、昔の元気な頃を思い出してもらおうと、30年ぶりに絵筆を執りました。ですから表題にもあるように、これは40年前の実家近くの風景と私の家族たちです。中央が小学校1年生の私、姉が4年生、兄貴が中学2年生くらいでしょうか。そしておやじ、おふくろも30代の元気な頃を思い出しました。おやじは石川県の出身で、京都に出てきて機械工として油まみれで僕らを育ててくれました。家族がなにかにつけて行き詰まったとき、「宇宙はひとつや。もっと大きな気持ちの人間になれ」と励ましてくれました。母からは純粋な慈愛の大切さを教えてもらいました。家は貧しくとも家族みんなが肩を寄せ合って、一番幸せな時期だったかも知れません。その両親を京都に置いて、私は上京し、気がついたら私も二人の子供を育て、もう殆ど手のかからない年齢になっていました。両親には本当に感謝をしていますが、遠くにいて、何もしてやれず、申し訳なく思うばかりです。せめて元気な頃の自分と家族を思い出してもらい、喜んでもらえたらと描いたものです。若い頃、絵描きになりたいと思った時もあったのですが、「絵は所詮平面だ」と思って捨ててしまいました。世の中や人生を小さなキャンバスの中でなく、もっと「体感」したかったのでしよう。ですから、押入れに眠っていた30年前の絵の具を使い、感慨深いものがありました。まだまだ直したい所があったのですが、おやじがクタばってからでは描いた意味がないので、完成としました。