昨日の第二回目の党首討論は鳩山代表の圧勝だった。「討論にならなかった」と麻生総理は後で記者に語っているが、そりゃあそうだ、鳩山は政治家としてのビジョンを語っているのに、麻生は「そんなことは学者に任せておけ」と言うだけで、麻生自身はビジョンを語れない。そして麻生首相は「たぶん鳩山は郵政西川の話を持ち出すだろうな」とか、あらかじめ役人に作らした原稿を、鳩山の話ごとにめくって棒読みばかり、これじゃあ、そりゃあ討論にならない。ずいぶん品格の違いが露呈した党首討論だった。鳩山は「先進国で異常なほど自殺者の多いこの日本を、コンクリートより人を大事にする国づくりを一緒になって造ろうじゃありませんか」と政治理念を語り、「社会保障の充実を訴え、その財源はムダを徹底的になくすことによってうまれる」と説く。麻生は財源を消費税増税に置き、民主党は空理空論だと言う。最後に時間間際になって劣勢一方の麻生首相は突然安全保障の問題に切り替え、民主党内でも意見が分かれる弱点を突こうとした。相撲でいうならうちっやりを計ろうとしたが、「終了間際になって突然の話に、これを観ている国民の皆さんも唖然とされたんじゃないでしようか」と鳩山も失笑するほど麻生に余裕はなかった。まあ、麻生首相というのは、所詮、昔でいうなら庄屋のぼんぼん、「おぼっちゃま、おぼっちゃま」とばあやにかしずかれて育った気風というのがそのまま残っている。庄屋のぼんぼんは「ぼくはエライんだあ」と子分をつくって、村の弱いものイジメをする。そんな気風そのままで大きくなったようで、なんのビジョンも理想も持ち合わせていない。そしてなんとか相手をへこませてやろうとそればかり考えている、人格・品格の感じられない、そんな気風が露呈した党首討論だったと言える。一方の鳩山は五年前の党首の時代より一回り大きく成長したようだ。総理の座にふさわしい品格というものが出てきた。今回の党首討論は鳩山の圧勝といえる。