まさおっちの眼

生きている「今」をどう見るか。まさおっちの発言集です。

どうにもとまらない!

2009-06-01 | 随筆
昨夜はカミさんから7月分のコヅカイから一万円を前借し、カミさんをスナック「なおみ」で降ろし、ぼくはパチンコに行った。9500円使ったところで今日もダメかなっと思っていたら、ようやく当たりだし、結局久々に換金35000円をフトコロに、送ってから二時間経っているので、もういいかなっと「なおみ」にカミさんを迎えに行った。もともとこのスナックのママさん「なおみ」とは10数年前にパチンコ屋で知り合い、おいらが「一度おいでよ」と誘われたが、おいらはあまり酒を飲んでワイワイやるのが好きでないので、代わりに酒好きのカミさんを連れて行ったのが縁で、以来週に一度ほどカミさんを送り迎えしている。カウンターに10人、座卓に5人入れば一杯になる小さな歌声スナックだ。ママさんも旦那のマスターも60半ばなので、常連客も高齢者ばかりだ。以前酔った客が来て、「おおっ、ここはドライフラワーばかりだな」と言ったことがある。ドアを開けると、歌声と共に80歳のハナちゃんがマイク片手に顔を見せた。ハナちゃんはスナックの近くに住んでいて生活保護を受けて一人で暮らしている。日曜日なのでカウンターはほぼ満席に近かった。マスターがぼくの顔を見て「きたよ」っと背にしているカミさんにつげた。ぼくは車に戻ってタバコを一本燻らして待っていたら、ママさんが出てきて、「ミエちゃんがこれからもう一曲歌うからさあ、ちょっと入って待っててよ」「ああ、いいよ、ここで待ってるよ」。そしたらまた客のおばちゃんが一人出て来て「入りなよ」。二人に言われて、やむなくぼくも車をママさんのアパートの駐車場に入れて、スナックに入った。そうするとぼくのカミさんの「ミエちゃん」が山本リンダの「どうにもとまらない」を歌い出し、おばちゃん二人が腰を振って踊り出した。場は盛り上がり、お祭り騒ぎだ。ぼくもしらけるとマズイので、シラフで「イヨッ」と掛け声をかけて周りに合わした。しかし、みんなバカみたいに元気である。生きるってのはこれでいいんだなってところがある。そのうちぼくにもマイクが回ってきて、小林旭の「あれから」、村田英雄の「蟹工船」、舟木一夫の「高校三年生」などを歌って帰ったら12時を回っていた。店のお客もいろんな苦労を生き抜いてきた人たちばかりだが、あまり身の上話はお互いしないのでわからないが、それぞれの苦労がみんな顔に現れている。もうそれなりの年齢を経て、ぼくも含めて「将来」のない人生の待ち人ばかりだ。それはそれで、もうどうにもとまらないっとバカ騒ぎをして一日が終わった。