「足利事件」で無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さん(62)が4日午後、千葉刑務所から釈放された。逮捕から17年半ぶりのことだ。記者会見で話している菅家さんを見ると、ぼくですら「ほんとだ、この人は無実だ」ということが直感ですぐ判る。なのに最高裁までいっても有罪になるとは、逮捕した刑事、裁いた判事たちは、何を見ていたのだろう。人を信じず、犯人だという決めつけと、あやふやなDNAへの信頼だけで無実の人を有罪に持ち込んだ。「17年の人生を返してもらいたい」「刑事・検察に謝ってもらいたい」と菅家さんは言うが、誰も責任は取らない。こういう冤罪は電車内の痴漢もそうだが、かなり多そうだ。往時、ぼくが中学生だった頃、夏休みに自転車で紀伊半島を無銭旅行で一周したことがある。約500キロの走行を10日間かけて、野宿をしながら走り続けたものだ。その時、みかんの名産で知られる和歌山県のあぜ道を走っていたら、横に夏みかんがたわわになっていた。ぼくはビタミンの補給にと、一つ二つ、頂戴した。ところが農家の人に見つかって「コラッー」っと怒鳴られた。慌てて、ぼくはチャリンコをかっ飛ばした。ところがしばらく走っていると、前方からパトカーがやってきて、ぼくは警察の本庁に連行された。取調室で持ち物を全部机の上に置けと言われ、所持品を置いた。刑事らしき男は、腕時計とナイフを見て、「このナイフで人を脅して腕時計を取ったんだろう、白状しろ」っと迫ってくる。目の前の夏みかんを二つだけもぎっただけなのに、ぼくにとっては、何が何だかさっぱりわからなかった。延々10時間近く取り調べを受け、やっと釈放されたが、人を決めつけ疑いにかかる、警察というものはそういうところかと初めて知って衝撃を受けたことがある。勿論、警察は犯人を逮捕することが商売だから、誰でもまず犯人だと疑ってかかることから始めるのだろう。しかし、それだけに刑事の目は曇っていやしないか。弁護士は菅家さんが逮捕されて会った時に「この人は無実だと確信した」と話していたが、素人のぼくだって、菅家さんの会見を見ただけで、この人はやっていないということがわかる。なのにプロの刑事がなぜそれがわからなかったのか。思い込みによる決め付けで目が曇っていたのだろう。判事も人を見ないで、証拠というものだけで判断をする。プロにはプロなるが故の弱点があるものである。しかしそういう弱点を是正して、冤罪だけはなくして欲しいものである。
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「菅家さんを支える会・栃木」の足利事件年表に
http://www.watv.ne.jp/~askgjkn/nenn.htm
『1991年12月1日 早朝、警察は菅家さんを逮捕状もなく、足利警察署へ連行。同日夜中まで取り調べ。夜半、自白。
この日の朝、読売・朝日・毎日3紙が、朝刊の全国版に大きく「DNA鑑定一致。容疑者事情聴取」と先行報道。地元紙の下野新聞や、東京新聞、産経新聞等には事前に情報が伝わらなかった。、また上記3大紙でも地元記者には同様に情報が伝わらなかった。警察庁が情報を特定の報道機関にリークしたとしか考えられない。
何故か?当時警察庁は、警察庁にしかなかったDNA鑑定機材を、全都道府県警に配備することを目指していた。その年大蔵省に予算要求して、一旦はねられてしまったが、その復活折衝に向け、DNA鑑定のすばらしさを宣伝する必要があった。ちょうどその時期、幼女殺害容疑でひそかにDNA鑑定された菅家さんは、グッドタイミングで恰好のターゲットにされた。この時点で、すでに菅家さんは、何が何でも犯人でなければならなかった。
この警察庁のリークを、栃木県警も知らされていなかった。早朝から大挙して押し寄せた記者たちによって事の深刻さを初めて認識した県警は、すさまじいプレッシャーの中、逮捕状なしに菅家さんを連行、取調べを開始した。』
警察・検察の不法捜査、裁判所の裁判指揮の誤りと共にマスコミの報道ぶりもマスコミ自身で指摘しなければならないと思います。
6月6日
「人生メチャメチャにした責任取れ!」 75歳元県警幹部のブログ、炎上
http://newsnavi.2ch.net/newsplus/
・「足利事件」で無罪が確定的となった菅家利和さんが釈放された6月4日、事件当時に捜査を陣頭指揮した元栃木県警幹部(75)のブログに批判コメントが殺到し、「炎上」状態になった。元幹部は昨年、菅家さんの再審請求が棄却された際、「最善の捜査を尽くしたもので、誤りでないことを再確認していただいた」などとブログで感想を述べ、これに対し批判コメントが集まっていた。
元栃木県警幹部のブログ履歴を見ますと、「足利事件」に関する各新聞社の切り抜き記事等を含め、元栃木県警幹部の氏名、住所、本人を含める家族写真、自宅写真等々が掲載されていたのには驚きました。