シニアー個人旅行のかわら版

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伊豆・土肥へ海水浴・・・ 電車・船で行く旅の今昔レポート

2008-08-18 05:12:27 | Weblog

実に55年ぶりの海水浴です。
今まで何回か故郷土肥を訪れていますが、混雑する夏は避けていました。
中学生の頃まで、毎年のように土肥の親戚の家に泊まり、ひと夏土肥の海で泳いでいたものでした。「雷が鳴ると、梅雨が明けるのは間近だ」という祖母の言葉に、「いよいよ夏休み・・・土肥へ行ける!」と心が躍ったものです。当時の子どもは、塾もなければ、部活も学校のプールもなく、夏休みは学校生活から完全に開放されましたから、親の故郷の田舎で過ごす子どもも多かったのです。

お盆の8月13日からの二泊三日の旅です。孫と一緒の海水浴ということで荷物が多く、私だけが電車で出かけることになりました。実のところ、55年前の旅を再現したかったのです・・・。

沼津駅まで普通列車で行きました

東京駅から東海道線で沼津駅まで3時間、沼津港から東海汽船で土肥へ1時間半の船旅というのが当時のルートでした。今回は、新宿駅から小田急電鉄で小田原駅へ、そこで東海道線で熱海駅まで行き、乗換えで沼津駅へという3時間の旅です。東海道線がすっかりローカル線化して、沼津に行くには熱海駅乗換えとなるのです。新幹線利用なら1時間短縮できますが、今回はあえて昔と同じ3時間の旅の再現です。

 小田原駅で東京発熱海行の電車に乗り込みました。お盆ということで、海水浴に向かう子ども連れの家族や若者でほぼ満員です。そこで、左側の窓辺に立ちました。小田原駅を出発すると次の早川駅から根府川駅へと車窓まじかに相模湾の海が見え,土肥の海に思いを馳せていたことを思い出したのです。
 熱海駅で多くの乗客は東伊豆に向かう伊東線に乗り換えるホームに向かいましたが、ここで熱海始発の静岡行の電車に乗り換えです。国内第二位の長さを誇る丹那トンネルを抜ければ、函南駅、三島駅、そして沼津駅です。

沼津駅のホームは55年前とあまり変わっていませんでした

ちょうど御殿場線と相互乗り入れの新宿行の小田急ロマンスカーが停まっていましたが、これがなければ55年前にタイムスリップした趣です。
 駅から港までタクシーで10分足らず、昔は港湾(沼津港)まで歩いたものですが、手荷物を持っての真夏の炎天下の40分の道のりも苦になりませんでした。途中、港湾から駅までの魚の運搬列車の線路が目印になり、これを越えるとホッとしたものです。

 港に着くと、30名位の乗船客が船を待っていました。以前は東海汽船の松崎行きの汽船が待機していましたが、出発20分前にもかかわらず、船の姿が見えません。切符売り場で尋ねると、東海汽船は3年前に運行を取りやめ、現在は戸田のホワイトマリーン号が土肥までを運行しているとのこと「大手の東海汽船が潰れ、ウチのような小さな会社が代わりをするとは・・・」と冗談ぽく話されていました。

ホワイトマリーン号は小型快速艇です

ホワイトマリーン号は戸田を経由して1時間で土肥に着きます。昔は1時間半かかりましたから、大変なスピードアップです。小型の船舶で、操舵室が先頭上部にあり、その下が客席、後部にデッキという構造・・・航海中は波を左右に切り裂くように疾走しますので、波しぶきが後部デッキにシャワーのように飛んできます。

大瀬崎から戸田、土肥までの海岸線は切り立った崖が続き、美しくも厳しい景観を見せています。波しぶきを浴びながらの涼しいデッキの上から、遊覧船気分の船旅を楽しみました。
 ホワイトマリーン号は喫水の低いモーターボートのような船体です。スピードは出ますが、揺れが大きく、乗客が船酔いしやすいという特性があり、波が高くなりやすい戸田から土肥の間の航路では、船長判断で運行を取りやめることがたびたびあります。現に、翌日、14日には第3便から休航となりました。

小田急ロマンスカー、ホワイトマリン号の定期運行は廃止されました

今年、夏季限定の遊覧船が運行されることになりました

 首都圏から駿河湾フェリで土肥へ


土肥海岸は安全、清潔な海水浴場です



これが土肥の海水浴場です。昔はなかった、50メートルほどの波除ブロックの防波堤が二つ、海岸を護るように敷設されています。波のうねりで、ホワイトマリーン号が休航となった14日でも、海水浴場は海水浴を楽しむ人でいっぱいでした。

 砂浜には、100メートル間隔で三つの監視やぐらが立ち、三人一組の若者が待機、海水浴客に何かがあればすぐに出動できる態勢をとっています。地震警報や雷警報があれば、町から無線が入るようになっているとのことです。また、波除ブロック付近にはサーフボートで三人のライフセーバーが泳ぎながらパトロールしており、海水浴客の安全がきめ細かく護られている体制には感心しました。

首都圏の各大学のライフセービング部の3年生が協力して、市営の海の家を拠点にして活動しているとのこと、活動開始から10年以上の歴史があり、その間、死亡事故につながるような重大事故は起きていないということでした。

 大学生は、海岸の清掃活動にも従事、毎日、午後4時から海水浴客にも呼びかけ、ゴミ集めをしており、海岸の一角に設けられた市の環境整備部係員が常駐しているゴミ集積場に集められ処理されています。
翌日早朝、海岸を散策しましたが、ブルトーザーで海岸は整地され、ゴミ一つありませんでした。ちょうど午前6時にライフセーバーの若者たち15,6人がジョッキングを終えた後、朝の集会を開いて今日一日の活動に備えていました。

     

 若者を見ていて、太平洋戦争のさなか、海岸で行われた運動会を思い出しました。予科練の若い兵士たちが、土肥に演習に来た時のことです。民泊している家の子どもを背負い、徒競走・・・そのたくましい背中に必死にしがみついていました。 

焼津の花火大会の花火が見えました

 夜、旅館の部屋から遠く、駿河湾越しに花火が見えました。後で調べると8月14日の焼津海上花火大会でした。焼津は土肥から40キロほど駿河湾で隔てられていますが、さえぎるものが何もない海上のこと、打ち上げ花火なら見えるのです。

 花火を見ていて、これも戦時中63年前のこと、小学校一年の時の体験を思い出しました。深夜トイレに起きたときのことです。何気なく、便所の窓から海を見ると、対岸が真っ赤に燃えていたのです。昭和20年7月30日、清水が米軍の艦砲射撃を受けた日のことです。
 
 花火大会の打ち上げ花火と艦砲射撃で燃える街の炎・・・今が平和の時であることをしみじみと実感しました。





土肥へのアクセス情報:
往路: 新宿(小田急)→小田原(JR)→沼津(タクシー)→沼津港(ホワイトマリン)→土肥
 5,090円(850円・740円・1000円・2500円)
帰路: 土肥(中伊豆バス)→修善寺(伊豆箱根)→三島(JR)→小田原(小田急)
→新宿
 3,280円(1280円・500円・650円・850円)

 *小田急特急870円、東京駅からJR710円、新幹線2390円加算 (片道運賃)
 *ホワイトマリン号運行状況を熱海駅時点で営業所に確認、欠航なら三島駅で乗換、修善寺より
  バスで。戸田港で運行中止になった場合は、タクシーで(約6,000円)。
 *名古屋中部地方からは、清水より土肥へのフェリーボート利用が断然便利。
*東京から車で行く場合は、沼津ICで降り伊豆半島に向かう。
  ただし、夏は渋滞するので、清水ICまで進み、フェリーボート利用が快適。

伊豆縦貫道路が修善寺までつながり、土肥までの陸路がグッと便利になりました。次のページをご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/masa4439er/e/5febda13f72dab9987951e0b3efdca10


土肥の街の詳しい案内は西伊豆・土肥を散策しましたを,土肥の名産白びわについては土肥に究極の白びわがあります津波対策は西伊豆・土肥の津波対策は万全でしょうかをご覧ください。

関連サイト:
 戸田運送船ホワイトマリン(沼津・土肥)http://www.hedaunsousen.com/
 エスパルスドリームフェリー(清水・土肥)http://www.dream-ferry.co.jp/

 

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