
閑散とした印象の駅で電車が走っているのを一度も見たことがありません。殊に冬場は雪の中に取り残された無人駅のような印象しか持っていませんでしたが、今回初めて駅の構内に入り、実は、人も駅舎も暖かな駅であることが分かりました。


この鉄道線の「野岩(やがん)鉄道」の名前の由来を女性の駅員に尋ねましたら、代々引き継がれたらしい年季の入ったメモを手に、下野の国(栃木)と岩代の国(会津)を結ぶ鉄道ということから来ているとのこと・・・「お客さんからよく尋ねられるので、代々このメモが引き継がれているのです」

ホームへ向かう家族の写真を取ろうとしましたら、改札口を通してくれました。人気の無い待合室にも石油ストーブが炊かれ、駅員の方々の暖かい心遣いが伝わる駅です。
1月3日11時47分発の浅草行の快速列車は二両編成、Uターンする帰省客でほぼ満員、会津高原尾瀬口で乗り込んだのは二家族の7人だけでした。


写真は駅舎から滝の原集落越しに中山峠方面を撮った風景です
田島町・舘岩村・伊南村・南郷村が合併して、南会津町になりました。駅のある滝の原集落はその南端にあり、会津高原と尾瀬への出発点であり、以前の「滝の原駅」から「会津高原尾瀬口」と改められた所以です。

ここから352号線は標高差約500mの山道を登り、海抜1,000mの中山トンネルを越えます。写真の右手の方向です。トンネルを越えると、会津高原と名づけられた山地があり、周辺の多くの沢から流れ出る川沿いを352号線は進み、特別豪雪地帯に指定された地区に点在する集落を結んでいます。たかつえスキー場、湯の花温泉、高畑スキー場、そして桧枝岐村と、会津バスで会津高原尾瀬口駅から1時間40分かかります。

この地区に沿って流れる川は、舘岩川、伊南川となり、只見川に合流、やがて阿賀野川となって日本海に注ぎます。

一度は乗りたい野岩鉄道

会津方面に出かけるなら、ぜひ野岩鉄道の会津鬼怒川線を乗ったらいかがでしょうか・・・。東京から東武日光線(JRも新宿から3本出ています)、東武鬼怒川線、会津鬼怒川線、そして会津鉄道・・・日光と会津若松を結ぶ江戸時代の主要街道であった日光街道沿いに点在する村々、美しい渓谷と山々・・・ドライブで見る風景と一味違う風景を、ゆったりと楽しむ贅沢を味わえます。

浅草8:00発の東武特急「きぬ」、野岩鉄道「快速AIZU マウントExp」を利用すれば、会津若松11:57に到着で4時間の旅、新幹線利用の郡山経由のJRでは3時間34分の旅、時間的に遜色はありませんし、料金面では有利です。
会津方面への旅の選択肢に加えたいものです。

関連リンク
野岩鉄道
