新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

野球をテレビ観戦して思ったこと

2018-04-04 08:02:57 | コラム
野球には未だに優れた人材が集まっているのでは:

3日には何と言うことなくソファーに横になって、高校野球を見るともなく眺めていた。実は夜にはプロ野球も見ていたが、ここではプロは論じないことにする。偶々準決勝の日だったので、俗な言い方をすれば「手に汗握るような熱戦」だったと思う。途中から見たのが東海大相模対智弁和歌山の延長戦まで行った試合だった。丁度見始めたところで東海大相模が相手のエラーもあって大量得点して10対5とリードした場面だった。そこで閃いたことは「東海大相模はこの5点のリードでは逃げ切れない」だった。

結果的にはその通りとなって延長戦で負けてしまったのだが、途中から出てきたというエースとアナウンサーが喚く斉藤君という投手の制球が悪く投球が上ずっていたのも敗因の一つだと見た。だが、東海大相模の全体に何処となく逃げ切ろうというという焦りが見えていた気がした。智弁和歌山の勝因として私に見えた点は「選手層の厚さ」と「優れた人材を集めている」点だった。

次の大阪桐蔭対三重高は試合が始まった時に、三重高の力では「所詮は蟷螂が斧を以て隆車に挑む」の類いで、大阪桐蔭の勝ちだと思わせられた。ところが、三重高の善戦健闘があってこの試合の延長戦にもつれ込んだが、矢張り大阪桐蔭の実力には及ばなかったのは気の毒だったと言うのが見終わった感想である。

この2試合を見て痛感した点は「高校や球界には未だに前途有望な優れた運動神経というか運動能力の持ち主が数多く集まっているように見えること」だったのだ。これはサッカー出身者にとって大袈裟に言えば「痛恨の出来事」なのである。今日、決勝戦で対戦する大阪桐蔭と智弁和歌山はともに選手層が厚いだけではなく、優れた素質を持っていると思わせる人材が多いのだ。即ち、「妙な監督に率いられているW杯出場の我がサッカーの代表は」という嘆きである。

例えば、アナウンサーも解説者も絶賛する大阪桐蔭で6番をつけていながら投手として三重高を抑えきって見せた根尾君などは、一寸辛く採点しても「上の下」くらいの素質で(では「上の上」は誰かと訊かれれば、大谷翔平と答えるが)、「あれほどの運動能力があるのに、何故大阪のサッカー界の指導者はむざむざと大阪桐蔭の野球部に取られたのか」と非難したくなった。全体的に見て智弁和歌山とともに良い素材を揃えているのが、残念だったのである。

そこでサッカー界を見れば、男子のW杯代表では怪我人が多いのもさることながら、一向に世代交代も進まず人材が育っていないではないか。しかも、今やマスメデイアの連中はあの中島翔哉に期待を寄せている始末である。自分が小さかったから言えるが、あの程度の体格の者に大きな期待をかけるのは無理があるのだ。W杯で対戦する相手は皆「外国人」で脚も長く体格に優れている。その中に入って中島翔哉に期待できるのは意外性であり、エースとして期待するのは筋が違う。

同様に、女子でもアナウンサーも解説者も直ぐに岩渕真奈に期待するという意味のことを言う。私はそれは大きな間違いで、素材として見た時の岩淵には限界があり、これまでに示してきた実力以上の活躍を期待するのは、中島翔哉と同様に無理があると思っている。ここで何が言いたいかと言えば、「サッカー界にはこの両名に期待せねばならないほど運動神経と運動能力に優れた人材がいないのか」との嘆きである。しかし、野球界には集まっているようだと言うのは僻みかな。

野球に人材が集まり過ぎだという悪い例を挙げておくと、日大フェニックスの日本選手権3連覇の時に素晴らしい身体と運動能力を備えた安部奈知というラインマンがいた。安部君は日大三高では野球部の補欠に過ぎなかったが、フェニックスに入ってその類い希なる素質が開花して全日本の代表にもなったし、TBSの「筋肉番付」とか言った優れた運動と身体能力を備えた者が出る番組にも呼ばれたのだった。私は何も安部君だけではなく、野球界にはこうした人材を埋もれさせているという問題点があるのではないかと、常々疑っている。

現に、フットボール界には高校では野球部だったという優れた素材が数多くいたというか、いると思ってみている。サッカー界でもJリーグの下部組織で子供たちを育成していると聞くが、優れた素材の開拓は未だしのようだ。現実問題として大谷翔平はMLBまで行って野球をするほど育ったではないか。ハリルホジッチさん、こういう状況を如何お考えですか。