新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

田中将大がNPBに復帰

2021-02-07 10:50:44 | コラム
偶には野球の話題を:

ニューヨーク・ヤンキースに7年も行っていた元樂天の田中将大が、NPBに2年間復帰する事に踏み切ったようだ。私が冷めた目で見れば、極めて妥当な判断だったと思うのだ。そこには確かにアメリカでFAになっても何処からも色良い買値が点かなかった事もあるだろうが、今のアメリかでは野球をやっていくには条件が悪すぎると思うのだ。深く考えて見なくても解る事は、新型コロナウイルスの感染者の数などは我が国の何十倍でもあるし、カリフォルニア州等は10人に1人の率だとか報じられている。どれほど危険なのかは想像できない。

それだけではなく、MLBは昨年はリーグ戦を開始したのが我が国よりも遙かに遅かっただけではなく、試合数も我が国のNPBの半分の60だった。それだけに止まらず、選手たちの年俸も試合数に比例して減額したと報じられた。如何にもアメリカ人がやりそうな事だと思わせられた「合理的」な手法である。MLBの(と言うが田中が在籍していたのは一軍であり、待遇も極めて良く衛生的にも安全な状態にあったと思うが)環境下では感染の危険性が低かっただろうが、あのウイルスでは何時何処で感染するかなどは読めないのだ。

このような諸条件を勘案すれば、何年後かのMLB復帰を視野に入れて、古巣であり三木谷オウナーが金に糸目を付けずに海外からイニエスタのような超一流選手を招聘する樂天への復帰は、尤もな判断だったと思うのだ。読売の菅野もアメリカにまで行って交渉をしていたようだったが、結局は不調に終わって残る事になったのも、極めて自然な成り行きだったと見ている。現に平野投手もオリックスに復帰していた。

そこで田中将大だが、復帰の噂が出始めた頃にレッドソックス等で大活躍していた上原浩治は、日本球界に戻った場合には幾つかの技術的な障害があるのではと論じていた。それらは「滑りやすいアメリカのボールでは(湿度が高い我が国では?)変化球の変化が変わってくるし、我が国に野球場のピッチャーマウンドはアメリカとは違って柔らかいので、これらの条件の変化に短期間に調整できない危険性がある」という、彼の経験に基づいた論法だった。私は田中はこの条件を克服はするだろうとは見ているが、それが何時になるかとの問題は残るような気がする。

私は田中将大のNPBでの最後の年は24勝無敗と神憑り的な出来過ぎだったと見ていたので、MLBの7年間の平均して年間10勝程度の成績だったのは、やや不満足だったと思えてならない。あのダルビッシュでさえ「自分はアメリかでは速球投手ではない」と認めているように、田中はテレビのニュースで見ている限りは落ちる球とスライダーの変化球投手になっていた。そこにもし問題ありとすれば「日本の打者はMLBのようにフォークボール(スプリットフィンガー・ファストボール)に無闇に手を出して空振りはしないという点かも知れない。

田中は樂天を日本一にする為に帰ってきたと言うが、田中を加えて投手の質と数は揃っても、打つ方では樂天は未だ未だソフトバンクには及ばないのではないかと懸念する。尤も、田中がまたもや24勝無敗のような切れ味を見せれば話は変わるかも知れないがね。ではあっても、これまでに田中のようなバリバリのMLB帰りの投手がいた事はないので、大いに期待できるとは思っている。



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