新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月12日 その2 松山英樹がマスターズで優勝した

2021-04-12 10:24:45 | コラム
朝からハラハラさせられた:

兎に角、この優勝は間違いなく大したものであると思うので、先ずは「お目出度う。君は偉い」と祝福しておこう。今朝は何時もの通り朝は4時過ぎに起床して、先ずTBSのニュースを見ようかとテレビをつけて「そうだった。松山英樹が3日目まで-11で首位に立っていたのだ」と思い出した。実は、一昨日に「そう言えば、今頃はジョージア州のオガスタナショナルでかのマスターズが開催されているはずで、マスコミが松山英樹が優勝するかも知れないと騒ぎ立てている頃だ」と思い出していた。でも、まさかそう簡単に勝てるものかなと、それほど期待していなかった。

だがしかし、松山君は1位の座を守っていたし、追跡してくるアメリカの強豪を尻目に、遂に一時は-13まで伸ばして、2位のシャウフェレだったかを5ストロークも引き離していた。恐らくこのまま行けば優勝もあるかも知れないとは思ったが、兎に角過度な期待をせずに見守っていこうと決めた。解説の中嶋常幸は「勝てるかなどと意識しない事だ」と言っていたのは、極めて尤もだと思って聞いた。以前にも使った麻雀の言い方で「残りの点棒を数えるような事をするな」が当て嵌まるかと言いたかった。

すると、見ていた当方がそれほど緊張していた気分でもなかったと思うが、松山が終盤にさしかかったロングホールで池に入れてしまった。中島が「ここをボギーで上がれれば十分」と言っていたが、その通りにボギーで一歩後退となった。その辺りから矢張り重圧に苛まれたようでボギーが続き、シャウフェレに肉薄された。だが、古い言い慣わしの「天網恢々疎にして漏らさず」とでも言うべきか、シャウフェレが次のホールデ池ポチャをやってしまって、トリプルボギーとなって沈んでしまった。かと思えば、別の凄腕が追いかけてきて、松山は18番では2ストローク差の首位となって、ここをボギーまでで上がれれば輝く優勝となった。矢張り、見ている方も緊張してハラハラドキドキとなってしまった。

この辺りの松山の心理状態がどのようになっていたかには、大いに興味があった。即ち、「勝ち方」を心得ていて平常心でいられるか、もう過度の緊張で目も見えず耳も聞こえないほどに、自分を追い込んでしまったかも知れないのだ。だが、松山は見事に第2打を一応バーディー圏内に乗せてくれたので、見ている方も安心した。実は、サッカーでかなり試合慣れしているはずの私は、50年以上も前だったかに、仲間内の気楽な遊びのトーナメントでトリプルボギーになっても優勝という場面で、なんと4パットもして震えながら勝てたとの経験があったので、この最後の仕上げが如何に精神的に重圧かを知っているつもりだった。松山はここではボギーだったが、何とか優勝に漕ぎ着けてくれたのだった。

私はそれほど感激するほどの事かと感じていたが、解説の中嶋常幸と宮里優作は泣き崩れていて、アナウンサーの問いかけに答えられなかった事には感動させられて、危うく落涙という所まで影響されてしまった。TBSはしきりにアジア人初の優勝と強調していたが、大会会長も挨拶の中で「アジア人初」を指摘していた。それほどの偉業という意味なのだろう。永年、彼らの中で過ごしてきた経験から言える事は「あの我々とは比較にならない体格と体幹をありとあらゆる方法で鍛え上げてきている者たちに囲まれて、彼らの世界に入って仕事をするのも大きな負担なのに、力の勝負まで加わるスポーツの世界での優勝は、何物にも替えがたい価値があると評価したいのだ。

最後にイヤな事を言う結果にならないと祈るのだが、渋野日向子のように全英オープンなので勝ってしまった偉業の後の伸び悩みと、松山のようなアメリカで10年も揉まれてきた者の優勝を同日に論じたくはないのだが、松山英樹が今後はこの優勝を引っ提げて、アメリカという世界最高の場で、一層の活躍を見せてくれる事を期待したい。



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