新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月20日 その3 「オーバーシュート」って何のこと

2020-03-20 15:12:03 | コラム
尾身茂副座長は何故オーバーシュートって言うのだろう:

尾身氏は昨19日の長時間の専門家会議の後(だったのだろう)の記者会見で、以前にも使われたと記憶する「オーバーシュート」という英語を使われた。正直に言って私の英語の単語力では何を言われたいのか分からなかったのが残念だった。いや、何でそこで万人が理解出来るのかどうか不明だと思うような、高級な英語の単語で物を言われるのかと奇異の感にとらわれた。Wikipediaによれば、尾見氏は高校在学中に1年間アメリカ留学をされていたようだ。だから「オーバーシュート」などという専門語めいたことを言われたのかと、納得しなかった。

検索すると“overshoot”とは「爆発的患者急増」を意味するようだった。そうであれば、私のように訳が解っていない者が理解出来るようにそう言って頂きたかった。実は私はこの“overshoot”という言葉を聞いたのは初めてだったが、二つの単語の組み合わせになっているので、大凡の意味は推定出来た。だが、それでは事が済まないと思い、先ずジーニアス英和辞典を引くと「場所をうっかり通り越す」と出て、自動詞で「行き(走り)過ぎる」とあった。尾見氏が使われた意味は出ていなかった。

Oxfordには“to go further than the place you intended to stop or turn“とあった。これでは、矢張り医学界で使われる専門用語だろうかと推理する以外なかった。私は永年のカタカナ語排斥論者だが、尾見氏のような重要な任務を担われた方が、新型コロナウイルス対策を語られる際にこのような言葉を使われるのには疑問を呈したくなる。まさか「爆発的患者急増」では漢字が多くて難しいので、一般大衆には解って貰えないとでも思われたのではないだろうな。もしも専門語ならば、その旨解説して頂きたかった。


3月20日 その2 20年2月の中国からの訪日客は87,200人

2020-03-20 08:57:00 | コラム
矢張りこういうことだったのか:

昨19日に何気なく聞いていた何処かのテレビ局のニュースで、去る2月の「インバウンド」(くどいと言われても言って置くが、この“inbound”という単語には「訪問した外国人」という意味はない)では「中国人が87,200人で対前年比△87.9%で第5位に転落し、韓国からは143.900人で第2位ながら対前年比△79.9%」と報じていた。正直に言って、中国からの87,200人については「矢張りか」と痛感したと同時に「政府は全く判断を誤っていた。この有様では習近平主席に気兼ねをしたと非難されても仕方があるまい」と、遺憾ながら腹立たしい思いだった。甘かったのではないか。

私は全体的に訪日客が大幅に減少したことには余り関心はない。それは、この新型コロナウイルスの世界的感染の状況を見れば、減少は不可抗力だと思っているから。だが、中国からあれほどの人数が入国していれば(湖北省からの者も紛れ込んでいれば)北海道等の方々で感染者が増加したのも当然かと思わせるからだ。水際での防止作戦などあって無きが如くだったのではないか。また、韓国からのお客が激減はしたとは報じられていたが、中国よりも多く入っていたようなのも、不思議な現象かなと思ってしまう。

そこで、日本政府観光局(JNTO)の統計を検索してみた。2月の1位は台湾で220,,400人で対前年比△44.9%。2位が上記の韓国、3位は香港で115,600人で対前年比△35.5%。4位はタイで98,000人で対前年比△9.1%。5位が上記の中国、6位にはアメリカが入って74,400人で対前年比△20.8%となっていた。今や全世界で約90ヶ国が出国制限乃至は禁止としているので、3月以降はもっともっと減少することは明らかだ。即ち、2月までの政府の対中国作戦が甘かったなどと非難して済む状況にはないのだ。ウイルス制圧対策の方が数十倍も重要なのだ。

トイレットパーパーを毎日買いに来られるお客様が

2020-03-20 08:15:19 | コラム
何故トイレットペーパーが店頭に並ばないか:

この件で19日に馴染みの薬局の店長さんから実情を聞く機会があった。私は「トイレットペーパーは軽量の割りに嵩があり、積み卸しにフォークリフト等の機械が使えない場合があって不便である上に、ドライバー不足という悪条件も重なっていること」は既に指摘した。同時に政府もメーカーも「生産量も在庫も十分にあるので慌てて買い溜めをしないように」と勧告もしていた。それでも、この新宿区を中心にチェーン店を展開しているこの薬局では、中々店頭には並ばないのだ。

店長の説明では「イオンさんのように店頭に大量に積み上げているのは、自社のトラックを使うという機動性を発揮して、メーカーから直接引き取ってくるからである。我々はメーカーなり問屋のトラック1台が何店かの分を積み合わせて配送する仕組みになっているので、1度の入荷量はどうしても少なくなり、入荷と同時に待っていたお客様がお買いになるので、直ちに品切れとなってしまうのです。お一人様1点でお願いしているが、中には毎朝お買いなるお客様もおられるが、まさか『昨日お買いになっていましたね』と言ってお断りも出来ない」とのことだsった。

ということは、未だに買い溜めておかねばならないと思い込んでおられる需要者が存在するという事態は、政府とメーカーの説明は信じられていないようなのだ。これでは、この界隈のように大型のスーパーマーケット(GSM)がない地域では、万一の場合には早朝から店頭に並んで待つか、公共交通機関でも何でも利用してGSMまで出向かねばならないことになってしまう。店長さんは「現状では、何時になったら店頭に多くのトイレットペーパーを積み上げて、自由に買って頂ける時が来るかの見通しは立たない」とも語っていた。困った時代になったものだ。