「スペインに怖くてずっと行けなかった」という話をすると、「私が行った時は全然平気でしたけどねぇ」とか「全く問題ありませんでしたよ」と言う人が居る。
ま、そうだったんだろうけど、それに続けて、「世界中いろんな国に行ったけど、危ない目になんて遭ったことが無い」、とか「慎重に考え過ぎでは・・・」とまで言われる。
・・・・・・・・・・・・なんか腑に落ちない・・・
いろいろな国に何十回も行って、たったの一度も危ないシーンに出遭ったことが無いって・・・・・・・・・・・？
それは・・・、ゾロゾロ出入りする客がみんな日本人！みたいな日本に居るんだか海外に居るんだか分からなくなるような定番ホテルに泊まって、ガイドブックに載ってるような定番のレストランにタクシーで乗りつけて、定番観光地ではガイド付きのツアーみたいのに参加して・・・、みたいにほとんど現地人と触れ合わないような行動ばかりしているせいではないの？
それと、同行者とのお喋りに夢中で、周りであれもこれも起こっているのにただ気づいていなかっただけじゃないの？？
「スペインでは、昼間だけしか出歩かないようにしてたし・・・」とか言うけど、それはガイドブックの危険回避のページとか、外務省の現地危険情報読んで行ってないでしょ！
気絶までさせられるノックアウト強盗の一番多い時間帯は、長いシエスタが入って街に人影がまばらになる昼過ぎから夕方までの時間帯なのに！
その当時、現地で年間何百人の日本人が首絞められて気絶させられてたかこれっぽっちも知らないでしょ？
読んでたらそんな発言しないっしょ。
危険であることを自覚していない上に、たまたま何も起こらなかったから、「何も怖いことなんてなかった」と幸いにも思えてるんだよ、きっと。
エジプトが内戦状態で、そこらじゅうで銃撃戦やらテロやら起こって在住外国人が一斉に国外退去している時期に、何も知らないで呆けた顔してカメラぶら下げてのんびり観光してて、世界中のニュースに晒されてたあの日本人馬鹿ップルを思い出したわ。
オランダの電車で前に居たカップルの財布を盗んで一斉にブワッーと走って逃げて行くロマ達を目撃したことも、
ウィーンの教会で背後から鞄の中に手を入れて財布を抜こうとしていたスリにやられそうになったことも、
マンハッタンで前を歩いていた日本人男性がすれ違いざまに現地のボトルマンにぶつかられて瓶がガチャーンと割れて、「お前がぶつかって来たせいで俺の大切な酒の瓶が落ちて割れちまった！高かったんだぞ！弁償しろ！」と恐喝されるところに出くわしてしまったことも、
NY地下鉄の通路でアイスクリーム強盗の黒人5人組に壁際に追い詰められて、服や鞄をぎゅーぎゅー引き剥がされそうになり困り果てたことも、
バリの自爆テロの現場から数十メートルの修羅場にたまたま居合わせて、爆破の破片を浴びて血まみれで叫びながら命からがら走って逃げて来る人々の集団に度肝を抜かれたことも、
バンクーバーで「万引きだ！そいつを捕まえてくれ！！」という叫び声に追われて、ものすごい勢いで突進して来る万引き犯に出会ってしまったことも、
フランクフルトで麻薬ジャンキーの恐ろしく濁った眼をして髪をふり乱した老婆に目を付けられて、ものすごい大声で罵られ続けてブルブル震えたことも、
インドネシアで「うちの子が日本語習いたいというので是非うちに来て教えて」なんて言われて、危うくトランプ詐欺の餌食にされそうになったことも、
あるワタクシからしてみたら・・・、
「一度も、なーーーーーんにも無いですよ
」があまりにも信じられず・・・・・・・
てか、これだけトラブルに出くわすと、たぶん慎重にならざるを得ないんだな。
自分が慎重だという指摘は当たっているのかもしれん・・・。
でも、慎重"過ぎる"とは言われたくないけど。
そういえば、日本でも怪しい人に気づいたり、出遭ったりは多いな・・・。
ついこないだも駅から立ち寄り先まで、背後にぴったりついて来ていつまでも物陰で待ち伏せしているストーカーに付きまとわれて泣きそうになったし、
女児の水着写真を撮ろうと小学校のプールの脇の裏道で怪しく隠れているロリコン男に気づいてしまったこともあるし、
車の中から見知らぬ男に突然無理やり腕を掴まれて、そのまま引きずり込まれて拉致られそうになったこともあるし、
通学途中の裏道で露出狂に待ち伏せされたこともあるし、
通勤の満員電車で、背後からスカートをばっくりカッターで切られていたこともあるし、
窓をうっすら開けて寝ていたら人の気配を感じて電気をつけたら、ババババッと足音立てて逃げて行く奴がいたこともあるし・・・・。
あーーーーーーー、なんか慎重になっても仕方ないでしょ、これは・・・・
ならざるを得ないでしょ。
今までよく御無事で・・・。
