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日々のちっちゃなヨロコビを見つけたい

今回の旅

2011-01-12 20:40:11 | 国内旅行

今回は、キスマイコンがメインの大阪旅。

遠征ではどんどんディープなエリアを掘り下げたい傾向のワタクシ。

今回お宿を通天閣付近の超お安いところにしてみた。

 

通天閣付近と言えば、名物の串かつ屋さんなどが乱立する一大飲み屋街。

 

大阪名物のお店が並び、お土産屋さんもあり、観光地でもあるけど、一歩離れればそこは日雇い労働者のおじさんたちの街。

ジャンジャン横丁付近から、いよいよその雰囲気は濃くなる。

レトロ・・・・というよりは場末感満点の一角。

 

林立する、カウンターだけの立ち飲み屋さん。

ちょっと普段は見かけたりすることのない、囲碁屋さん、将棋屋さん。

囲碁屋さんは、お店の中にずらーーーっと囲碁の盤が並んでて、たくさんのおじさんたちが囲碁を打ってる。

将棋屋さんは、同様にずらっと将棋盤が並んでて、こちらもおじさんたちが将棋を打ってる。

「おじさんたちの街なんだなぁ」と実感。

 

自分も晩ご飯に美味しい串かつ食べて、いい感じに酔っぱらって、「いいね、いいね、ディープな大阪だねぇ」、とワクワクしながらあちこち覗き込んでみた。

 

 

そこからまた少し離れれば、簡易宿泊所などの並ぶ一角。

一泊1,000円台で泊まれる宿がたくさん並んでいる。

「日払い可」と書いたアパートもいくつも建っている。

自分の泊まるホテル、というかゲストハウスはそんなエリアにあった。

 

夜で暗くて地図や看板が読みづらくて、道に迷ってどんどん路地に入りこんでしまったら雰囲気がすこぶる怖い・・・・。

あちこちから、そこはかとなく漂ってくる立小便のカホリ・・・。

立ち飲み屋も、コンビニも、宿泊所に出入りする人々も、みんなおじさん、おじさん、おじいさん・・・・。

暗ーい路地の物陰にこっそり立ってるあの男は・・・・・・、薬の売人とか・・・・、そんなんだろう。

うろうろと彷徨っていると、怪しい見た目の、「目を合わせてはいけないなぁ・・・」と思うようなおやじがうなり声をあげながら近づいてくる~!

いぢわるーーーー。

でも、自分が勝手に好奇心だけで彼らの領域を侵しているんだからしょうがない。

「これは・・・、踏み込んではいけない世界だったか・・・」と後悔・・・。

 

もう心臓ドッチドチしながら足早にいくつかの脇道を探し歩いたけど最終的に自分では見つけられなくて一つの簡易宿泊所に入って尋ねて、ようやく目的のホテルが見つかった時は本当にホッとした。

ま、そのホテルも、入口でいきなりギロッとこちらを見定める感じの受付の3人の男性の雰囲気に、「ほんとに大丈夫なのか・・・?」と不安いっぱいではあったんだが・・・

結果的には、部屋は極小、安普請ながらも、慣れてみればけっこう居心地のいいお宿であったので、今後の大阪の定宿にすることに決定。

 

 

朝になれば、一帯には手配師さんっていうの?の車が並ぶ。

フロントグラスのところに、働き手を募集している仕事の内容と日給の書いてある紙が貼られている。

どんな仕事に連れて行かれるんだろう・・・。

危険な仕事とかなのかなぁ・・・。

しかも、日雇いって・・・。

あそこからいろいろ搾取されたりするのかなぁ・・・。

仕事のある日と、無い日があるのは不安だろうなぁ・・・。

将来への不安、金銭面での不安、健康への不安、命の不安、いろんな不安を抱えて生きているんだろうなぁ・・・・・・・・・・・・・。

朝からコップ酒を路上で飲んでる人も見かける。

お酒がたまらなく好きなのかもしれないけど、寒さしのぎでもあるんだろうなぁ・・・。

のんきにアイドルやサッカーチームを追いかけて西へ東へ旅を続け、旨いもの食べ歩いている、定職のある自分がすごく幸せに感じた。

 

 

 


 

もうひとつ身につまされたのは、そんな古ぼけた商店街をノコノコ散策していたら、元遊郭だったというエリアにかなり近い所まで歩いて来たと気づいて、チラリとそのエリアを周ってみた時。

遊郭って・・・、言葉で聞いても全然ピンと来なかった。

昔はその一角は高い塀で囲まれていて堅固な門があり、売り飛ばされてきた可哀想な女性たちはそこから決して出ることができないまま、男たちの性のはけ口として強制的に働かされていた、という聞きかじりのイメージしか持ち合わせていない。

 

実際のそこは"元"遊郭、とはいえ、今も料亭街とは名ばかりの立派な売春地帯だった。

なんか・・・・・・・・、女性が・・・・・、こんな極寒なのに薄ーいエロいドレス着て、綺麗に化粧して、大きく扉を開け放った玄関のど真ん中に、こっちを向いてちょこーんと座ってるんだよね・・・。

座ってるというより、飾られてる・・・・。

彼女の前の床に置かれたライトからの明かりが彼女をピカーッと照らしていて、ショーウィンドウの中の商品みたいに展示されて、買い手がつくのを待ってるんだよ・・・。

あっちの扉も、こっちの扉も、同じような光景が。

ドキィィィーーーッ!!とした。

 

そしてそれぞれの女性の脇には、すっごい鋭い目つきのおばあちゃんが必ずセットでいる。

客引きなんだろう。

おばあちゃんたちは、明らかに招かれざる客のワタクシが近づいてくるのを見ると、ゴルゴ13ばりの刺すような眼光で睨みつけてくる。

こっちは全く生きた心地がしない。

一人のゴルゴをやり過ごしても、次の店にはまた次のゴルゴ・・・。

そしてそこを通過しても、また次のゴルゴの「・・・・・・・・何しに来やがった!」「あっちへ行きやがれ!」的な視線に射抜かれる。

ひぃぃぃぃぃぃぃーーーーー

 

 

しかしこちらもあまりの衝撃に、店の内部や、お姉さまたちが気になってしょうがないから、ゴルゴたちとのアイコンタクトは必死で避けながらも、お姉さまたちをチラ見。

お姉さまたちは、「・・・お孫さん、いらっしゃるでしょ?」的な妙齢の熟女から、それこそキスマイコンに居ても全く違和感のない普通の綺麗な女の子や、作り物感アリアリの豊胸巨乳のお姉さんまでイロイロ。

こちらが見れば、当然あちらと目が合う・・・。

「なんか・・・・・・、見てごめんね・・・・・・・・・・」的な非常に申し訳ない気持ちになった。

 

「こんな堂々と顔出しで売春していてOKなの??」と、本当にビックリ。

「このお姉さんたちは、どうしてこんなところで、こんなお仕事をする羽目になっているの??」というのも気になった。

木更津キャッツのマスターばりに、「この平成のニッポンでーーーー」と叫びたくなった。

なんなの?あそこ。無法地帯??


 

男の人からしたら、そんなに特別な光景ではないのかも知れないねぇ。

お金を出して、女性を買うことも、買ったことも、有るかも知れない。

自分は・・・・、容姿で男どもに性の対象として品定めされたことも、その結果金銭で買われたことも無いし・・・・・・・・、なんかそうすることで生きている生身の人間を見たことが無かったので、この旅の他の記憶の全てがぶっ飛ぶような衝撃だったんだよ・・・。

 

・・・・・・いや、見たこと無かったは言い過ぎだな。

アムステルダムでは、夜の闇の中、紫の怪しいライトに照らされて下着姿で客待ちする、飾り窓の売春婦たちを見たわ。

タイのパッポンのゴーゴーバーでは、半裸で踊りながら男に買われて持ち出されるのを待つ、たくさんのダンサーたちも見たわ。

マニラでは、自分の泊まっている高級ホテルの自分以外の宿泊客がほぼ全て、買春ツアーの日本人男性と現地フィリピンのお金で買われた女の子のカップルだと気づいて衝撃を受けたんだったわ。

上海でも、外見床屋だけど実は店先でミニスカ姿で客待ちしているお姉ちゃんたちはみんな売春婦なんだと知って、ビックリしたんだったわ。

 

 

でも、そういうのは全部異国での見聞であって、なんか自分からは遥か遠ーーーく離れたところの、映画の一シーンみたいな、あまりにも現実感の無い光景だったんだけど、今回は彼女たちが自分と同じような見た目の、同じ言葉をしゃべる、同じ国に生まれた日本人で、しかも同じような年恰好なのがすごくリアルに感じてしまったんだよなぁ。

こんな世界もあるんだなぁ・・・って。

 

もー、その辺の物陰から屈強な男たちがゾロゾロ出てきて拉致られて、シャブ漬けにでもされてお姉さんたちと同じように陳列されたら困るわぁ!と思って、早々に退散してきた。

 

いろんな意味でドッキリ、ビックリの旅だったわ~。


 

コメント
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