令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編(30)我れ標(しめ)結(ゆ)ひつ

2012年10月02日 | 巻七(雑歌・比喩歌・挽歌)編
【掲載日:平成24年10月2日】

思ひあまり いたすべなみ たまたすき 畝傍うねびの山に 我れしめひつ


深海ふかみたまほど 情熱ちからが入る
 も取れんか しからばわしが

秋風は ぎてな吹きそ わたの底 沖なる玉を 手に巻くまでに
《秋の風 吹き続けるん ちょっと待ち うみそこ玉を だけでも》【玉に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三二七)
わたの底 沖つ白玉 よしをなみ つねかくのみや ひ渡りなむ
うみそこの 白玉たますべが いままで 続け欲し欲し おもてんのんや》【玉に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三二三)
深窓しんそう花に れたが運命さだめ
 警護まもり固いが どもならんのか)

高貴お方に あこがれしても
所詮しょせんこのうち 身分が違う
断念あきらめごころ 探してみるが
熱い情熱おもいが き上げくじ

み空行く 月読つくよみ壮士をとこ ゆふさらず 目には見れども 寄るよしもなし
《空を行く あのお月さん 毎晩に 見えてるけども 近づき出来できん》【月に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三七二)
あまくもに 近く光りて 鳴る神の 見ればかしこし 見ねば悲しも
《空の上 光りとどろく 雷か 見たら恐怖おとろし 見えんとさみし》【雷に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三六九)
 身分高過ぎ 近づけんがな)

いはたたみ かしこき山と 知りつつも れはふるか なみにあらなくに
立派ええ岩の とうとい山や 知っとって 恋して仕舞しもた ぶんわんのに》【山に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三三一)
いはが根の こごしき山に 入りめて 山なつかしみ でかてぬかも
《岩ごつて けわし山やに はいり込み なんか気にり 出ることできん》【山に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三三二)
奥山の 岩に苔し かしこけど 思ふ心を いかにかもせむ
《奥の山 苔蔓延はびこって こわいけど なんや行きとて どう仕様しょもないで》【山に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三三四)
 行こか戻ろか いや戻らんで)

世の中 ひょいと 間違い起こる
思いがけずに 乗るたま輿こし

思ひあまり いたすべなみ たまたすき 畝傍うねびの山に 我れしめひつ
《どう仕様しょうも 出来できんでわしは ひとめの しめ畝傍うねびの お山にうた》【山に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻七・一三三五)
 手ぇも届かん 思てた人と)



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