【掲載日:平成24年10月2日】
思ひあまり 甚も術なみ 玉襷 畝傍の山に 我れ標結ひつ
深海玉ほど 情熱が入る
誰も取れんか しからばわしが
秋風は 継ぎてな吹きそ 海の底 沖なる玉を 手に巻くまでに
《秋の風 吹き続けるん ちょっと待ち 海底玉を 採る間だけでも》【玉に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三二七)
海の底 沖つ白玉 縁をなみ 常かくのみや 恋ひ渡りなむ
《海底の 白玉採る術が 無いままで 続け欲し欲し 思てんのんや》【玉に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三二三)
(深窓花に 惚れたが運命
警護固いが どもならんのか)
高貴お方に 憧れしても
所詮このうち 身分が違う
断念心 探してみるが
熱い情熱が 噴き上げ挫く
み空行く 月読壮士 夕さらず 目には見れども 寄る縁もなし
《空を行く あのお月さん 毎晩に 見えてるけども 近づき出来ん》【月に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三七二)
天雲に 近く光りて 鳴る神の 見れば畏し 見ねば悲しも
《空の上 光り轟く 雷か 見たら恐怖し 見えんと寂し》【雷に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三六九)
(身分高過ぎ 近づけんがな)
岩畳 畏き山と 知りつつも 我れは恋ふるか 並にあらなくに
《立派岩の 貴い山や 知っとって 恋して仕舞た 分合わんのに》【山に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三三一)
岩が根の こごしき山に 入り初めて 山なつかしみ 出でかてぬかも
《岩ごつて 険し山やに 入り込み なんか気に入り 出ることできん》【山に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三三二)
奥山の 岩に苔生し 畏けど 思ふ心を いかにかもせむ
《奥の山 苔蔓延って 怖いけど なんや行きとて どう仕様もないで》【山に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三三四)
(行こか戻ろか いや戻らんで)
世の中ひょいと 間違い起こる
思いがけずに 乗る玉の輿
思ひあまり 甚も術なみ 玉襷 畝傍の山に 我れ標結ひつ
《どう仕様も 出来んでわしは 人止めの 標を畝傍の お山に結うた》【山に寄せて】
―作者未詳―(巻七・一三三五)
(手ぇも届かん 思てた人と)
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