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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

蟲麻呂編(3)周淮(すえ)の珠名は

2009年10月12日 | 蟲麻呂編
【掲載日:平成21年10月13日】

しなが鳥 安房あはぎたる 梓弓あずさゆみ 周淮すゑ珠名たまなは・・・

しなが鳥 安房あはぎたる 梓弓あずさゆみ 周淮すゑ珠名たまなは 
胸別むなわけの ひろき吾妹わぎも 腰細こしぼその すがる娘子をとめ

《安房の隣の 周淮すえくに そこになさる 珠名ちゃん 胸大きいて 腰細い》 
その姿かほ端正きらきらしきに 花のごと みて立てれば 
玉桙たまほこの 道行く人は おのが行く 道は行かずて ばなくに かどに至りぬ

端正きれえな顔で 笑みこぼしゃ 通る人らは 用忘れ 呼びもせんのに 門くぐる》 
さしならぶ 隣の君は あらかじめ 己妻おのづまれて はなくにかぎさへまつ
隣のおっさん 嫁帰し 言われもせんのに 鍵渡す》 
人皆の かくまどへれば かほきに よりてそいもは たはれてありける
《男がみんな まどうから 美貌きれえ自慢の 珠名ちゃん 増長のぼせ上がって 調子乗る》
                      ―高橋虫麻呂歌集―〔巻九・一七三八〕 

金門かなとにし 人のてば 夜中にも 身はたな知らず でてそ逢ひける
門口かどぐちへ 男立ったら 引き入れる 気にも懸けんと 夜昼なしに》 
                      ―高橋虫麻呂歌集―〔巻九・一七三九〕 

今日の 収穫は上々だわい 
もっとも ここは上総かずさ 
常陸の風土記には 載せられはしないが  
うわさに聞いて 来た甲斐があった 
この話 宇合うまかい殿にすれば 大喜びに違いない
あの方も なかなかの 物分かりじゃで 

それにしても 
なんと 自堕落じだらくな女 
それでいて みんなに好かれる女  
近くの婦女おうなたちにも好意こういされる女

〔浮名を流さずに 済むのであれば わしもおとのうてみたいものだわい〕
周淮すえちまたに 夕闇明かり
その気もなしに  独り思いをする 虫麻呂がいた



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