goo blog サービス終了のお知らせ 

令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・政争の都編(23)花に擬(なそ)へて

2011年11月11日 | 家待・政争の都編
【掲載日:平成23年11月11日】

うるはしみ ふ君は
        なでしこが 花になそへて 見れどかぬかも





橘諸兄たちばなのもろえ 
左大臣として 政界首班しゅはんの地位にあるも
すでに よわい七十二
政治は 紫微しび中台ちゅうだいを中心に 動き
藤原 仲麻呂の実権は 
 たるものに なりつつある

天平 勝宝七年(755)十一月
一つ の事件が起こる
『左大臣橘諸兄たちばなのもろえ 上皇様侮蔑ぶべつ 反意あり』
 密告 聖武上皇へ
上皇 の信頼揺るがず 不問
恥じ入った 橘諸兄もろえ 翌年二月 辞任
これにより 橘奈良麻呂たちばなのならまろ 謀略ぼうりゃく加速
一挙殲滅せんめつ狙う 藤原仲麻呂陰謀いんぼう

事件 に先立つ 五月
橘諸兄 丹比国人たじひのくにひとたずねての うたげ
奈良 麻呂事件に 
丹比国人・たかぬしいや麻呂まろ犢養うしかいら関与
果たして  この時 取り込まれしや

我がやどに 咲けるなでしこ まひはせむ ゆめ花散るな いやをちに咲け
《庭咲いた 撫子なでしこ散るな 礼するで 若いまんまで 咲き続けてや(益々わこう って下さい)》
                         ―丹比国人たじひのくにひと―(巻二十・四四四六)

まひしつつ 君がほせる なでしこが 花のみはむ 君ならなくに
《礼やって 国人あんた育てた 撫子なでしこの 花見るだけに ここちゃうで(国人あんた見とうて 来るんやで)》
                         ―橘諸兄たちばなのもろえ―(巻二十・四四四七)

紫陽花あじさゐの 八重やへ咲く如く にを いませ我が背子せこ 見つつしのはむ
紫陽花あじさいは 花なご咲くで 見るたんび 国人あんた長生き してやと思う》
                         ―橘諸兄たちばなのもろえ―(巻二十・四四四八)
                                   【五月十一日】

七日後 橘諸兄もろえ主催のうたげ 奈良麻呂邸

なでしこが 花取り持ちて うつらうつら 見まくのしき 君にもあるかも
撫子なでしこの 花に持って 見るみたい ずっと逢いたい 橘卿あんたさんです》
                         ―船王ふねのおおきみ―(巻二十・四四四九)

家持不参 のち追和ついわは 橘諸兄もろえへの敬意か
不参は 巻き込まれ 忌避きひ

我が背子せこが やどのなでしこ 散らめやも いや初花はつはなに 咲きは増すとも
《この庭の 撫子なでしこ花は 散らへんと 咲きめ花に 負けんと咲くで》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四四五〇)

うるはしみ ふ君は なでしこが 花になそへて 見れどかぬかも
《素晴らしと 思う橘卿あんたは 撫子なでしこの 花と一緒や 見るたび嬉し》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻二十・四四五一)
                                   【五月十八日】

――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
{訳してみよう万葉集】へ



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。