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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(下)編(25)月草の移ろふ心

2013年11月12日 | 古今相聞往来編(下)
【掲載日:平成25年11月12日】

ももに 人は言ふとも つきくさの 移ろふ心 我れ持ためやも



恋の訴え 甘さが香る
わしを忘れな 仲絶やさんで
あんたかるか この胸の内
気ぃ変わるやて そんなんいわ
  
我妹子わぎもこや を忘らすな 石上いそのかみ そで布留ふる川の えむと思へや
《なぁお前 わし忘れなや わしかても 仲えるやて 思いもせんで》【川に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇一三)
                          (袖振る→布留)(布留川の水絶えん→絶えん)
  
赤駒あかごまの い行きはばかる 真葛原まくずはら 何のこと ただにしよけむ
《もどかしいで 馬行きなずむ 真葛原まくずはら 人伝てごて じかえに》【葛に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇六九)
   
何ゆゑか 思はずあらむ ひもの 心に入りて こひしきものを
《思わんと られへんがな うちの胸 取り込まれ仕舞て 恋しんやから》【紐の緒に寄せて】
                          作者未詳―(巻十二・二九七七)
                          (紐の緒=結ぶと食い込む→入りて)
  
石走いはばしる 垂水たるみの水の しきやし 君に恋ふらく 我が心から
いとおしと あんた思う気 ほんまやで うちの本心 分かるなあんた》【滝に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇二五)
                          (垂水の水が走る→ハシきやし)
  
うちひさす 宮にはあれど つきくさの 移ろふ心 我が思はなくに
宮仕みやづかえ してるんやけど 露草の うつろう気持ち うち持たへんで》【草に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇五八)
                         (宮仕えの女は気が多い?)(露草=すぐに色せる)
  
ももに 人は言ふとも つきくさの 移ろふ心 我れ持ためやも
《なんやかや 噂立つけど 露草の うつ心 持たんでうちは》【草に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇五九)
   
鴨すらも おのが妻どち あさりして おくるるあひだに 恋ふといふものを
《鴨でさえ 同士どしえさを あさるとき 一寸ちょとはなれたら 恋しがるで》【鳥に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇九一)