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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(一)(35)五百箇(いほち)もがも

2010年12月14日 | 家待・越中編(一)友ありて
【掲載日:平成23年4月15日】

珠洲すす海人あまの おき御神みかみ
      い渡りて かづき採るといふ あはびたま 五百箇いほちもがも・・・



家待  
都で待つ 大嬢おおいらつめへ 真珠を送るべく
真珠玉を  得んと願うて 詠う

珠洲すす海人あまの おき御神みかみに い渡りて かづき採るといふ あはびたま 五百箇いほちもがも 
珠洲すず海人あまが 海のおき行き 潜もぐり取る あわびたまを 五百ごひゃくし》
しきよし 妻のみことの 衣手ころもでの 別れし時よ ぬばたまの どこ片さり 
朝寝あさねがみ きもけずらず 出でてし 月日みつつ 嘆くらむ こころなぐさ
 
《別れ置き来た いとし妻 どこを独り 寝て暮らし
 朝寝の髪も かへんで 別れた月日 数えてる 嘆きしずめの なぐさみに》
霍公鳥ほととぎす 来鳴く五月さつきの 菖蒲草あやめぐさ 花橘たちばなに まじへ かづらにせよと 包みてらむ
《ほととぎす鳴く 五月咲く 菖蒲あやめの草と たちばなと 一緒の糸に つなし かずらにしいと 包んで送ろ》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一〇一〕

白玉たまを 包みてらば 菖蒲草あやめぐさ 花たちばなに へもくがね
真珠玉しんじゅだま 包み送るで 菖蒲草あやめぐさ 花たちばなと 一緒とおしや》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一〇二〕
我妹子わぎもこが こころなぐさに らむため おきつ島なる 白たまもがも
《待つ妻の 心なごみに 送るんで おきある島の 真珠しんじゅしい》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一〇四〕
おきつ島 いき渡りて かづくちふ あわびたまもが 包みてらむ
おきの島 行きもぐり取る あわびたま 欲しいもんやな 送りたいんで》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一〇三〕
たまの 五百箇いはつつどひを 手にむすび おこせむ海人あまは むがしくもあるか
真珠玉しんじゅだま 五百ごひゃくまとめて 手にすくい れる漁師は 感謝感激》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〔巻十八・四一〇五〕

沸々ふつふつと湧く思いは 妻思い 都思い
はたまた  友思い・・・