寒天好き

2018-05-11 18:54:01 | 美食
子供の頃から寒天が大好きで

母がおやつに作ってくれた日は大ごちそうに思えた

缶詰のみかんを入れたのも好きだったけれど

何も入れなくて甘いだけのも好きだった

だって透きとおっていてきれいだと思ったから

同様の寒天を東京で食べた時

甘くなくて海藻臭いのは意外だった

もっとお砂糖を入れて柔らかく作ればおいしいのにと

寒天観が変わったのは友人宅でたべたときだった

地方で百貨店を経営する家だったので

お手伝いのおばあさんが即おやつを作ってくれた

それは寒天に缶詰の赤いさくらんぼがびっしりと入っていた

今の子供はそんなものは喜ばないだろうけど

あの頃はさくらんぼの缶詰は特上のものだった

それに今は真っ赤に着色したサクランボは少ない

またさらに寒天観を変えたのは

叔母の作ったおせちの中の寒天だった

うっすらと紅色に染まった寒天の中に

細かく刻んだ果物が何種類も入っていて

私はそれを真似するときに吹寄せ寒天と名付けたのだが

とくにリンゴの歯触りと風味が新鮮で欠かせない

でもこの頃家で作るのは

砂糖以外に何も入れずにこしあんを添えたもの


つまり蜜なしあんみつとでもいおうか

これから暑くなる時期

常備したいおやつです


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