力石徹が死ぬのは規定路線だった？

これは最近テレビを見て知ったのだが…

「あしたのジョー」というボクシング漫画が大人気で、主人公・矢吹丈とそのライバル・力石徹が壮絶な戦いをし、その試合後に力石が亡くなってしまうことは「あしたのジョー」世代でなくても、多くの日本人が知っているだろうが…。

その力石が死ぬのは既定路線だったという。この漫画はちばてつやが描いたものだが、原作者は梶原一騎（巨人の星、タイガーマスクの原作者としても有名）で力石をライバルに設定。だがちばてつやはボクシングに関しては全くの素人で、「ライバルなんだから大きい方がいいだろ」と力石を大男に設定してしまった。（この辺りは‘柔よく剛を制す’の柔道の文化からくるものだろうか？）

だがボクシングは体重による階級制。体重に差がある２人が戦うことができない。
そこで力石が常軌を逸した減量を行うことで何とか試合を行うことにした。
しかし過酷な減量を描いたせいで、ちばてつやは「こんなに痩せたら死なないとつじつまが合わないよなあ」と思うようになり、力石が試合後に死ぬという展開に持っていかざるを得なかった。

漫画連載当時、力石の人気は主人公のジョーの人気を凌ぐほどで、本当にお坊さんを呼んで発行元の講談社主催で力石の葬式が行われたことはあまりにも有名な逸話である。

もし力石を大男にしていなかったら、再戦も描けたはず…いやいやそれは言うまい。

ちなみにこの死闘は2011年に映画で実写化している。
矢吹丈は山下智久が演じ、力石は伊勢谷友介が演じた。減量シーンでは伊勢谷は数日前からほとんど飲まず食わずで撮影に臨んだ。山Ｐも「続編を演じてみたい」と言っており、また矢吹丈が見られるかもしれない。
私も映画は見たが、漫画を見ていない世代ということもあり、違和感はあまり感じなかった。まあ、賛否両論あるだろうけど。

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