先日MAKIKYUが日帰りで箱根へ出向いた際には、箱根エリアの小田急グループ交通機関が乗り放題となる「箱根フリーパス」を使用して動き回ったのですが、その際には小田急箱根高速バスにも乗車し、同社の最新型車両・Aero Aceにも乗車する機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。
小田急箱根高速バスは、かつての小田急電鉄高速自動車課を近年分社化して発足した事業者で、電鉄直営時代は大手私鉄のバス部門にしては珍しく、高速・貸切バスのみの運営で、一般路線を持たないのが他の電鉄直営バスとは異なる大きな特徴でしたが、現行の社名は路線が専ら箱根方面に限られる事や、高速バスに特化している事業者である事を考えると、一般にも分かりやすく、下手に「小田急電鉄バス」などと名乗るよりも、案内上も有効と言えます。
(首都圏の某大手私鉄では、○○バス(○○は電鉄の名称が入ります)と称する分社
(これもその後更に細分化・社名変更が行われています)を設立した後、電鉄本体直営のバス部門を切り離して○○電鉄バスなどと名乗る事業者を設立した事例もありますが、こうなると非常に紛らわしく、一般客にはなかなか理解し難いものですので…)
箱根方面へ向かう路線のメインは新宿~御殿場~箱根桃源台(時間帯によっては御殿場までの便もあり)となっており、その一部は更に箱根園や山のホテルまで足を伸ばしていますが、近年ではそれ以外にも羽田空港・横浜駅~御殿場・箱根桃源台間を結ぶ路線なども運行しています。
一応座席指定制の高速バスとなっているのも特徴(予約済乗車券を持って乗車する乗客は意外と少ない気がしますが…)ですが、箱根フリーパス通用エリアにもなっており、一般道路走行区間となる東名御殿場IC・御殿場駅~箱根桃源台~山のホテル間は、仙石~箱根桃源台間を除いて一般路線の本数が極めて限られ、一部は一般路線が全く走らない区間になる事もあって、実態はこの区間内での地域内輸送を兼ねています。
定員に達しない限りは予約がなくても予約席(前の方から順に埋まっていく様です)を除く任意の座席に座れ、箱根桃源台まではそこそこの本数が運行されていますので、箱根フリーパスを所持していれば、静岡・神奈川県境の乙女峠を越える区間などは、一般の路線バス感覚で手頃に高速バス乗車を堪能出来ますが、三菱ふそう製バスが大勢を占める同社においては、最新鋭の三菱ふそう製観光・高速用バス「Aero Ace」(エアロエース)も既に数台導入されています。
Aero Aceは昨年発売開始されたばかりの三菱ふそう製最新型観光・高速バス用車両で、同社の先代モデル(デザインの事で、その間にエンジンなどの下回りは改良が加えられていますが…)は10年以上続いただけあって、それなりに完成度も高い車両でしたが、最近はいすゞ・日野の両ブランドでインパクトの強い外観が特徴の「GALA/SELEGA」(前者はいすゞ・後者は日野のブランド名ですが、どちらも車両自体はほぼ同等で、この両者を合わせてSELEGALA(これは正式な名称ではありません)などと呼ぶ人も居る様です)が登場した事等にも触発されたのか、久々のフルモデルチェンジとなっています。
この車両のデザインはリアの窓形状などはかなり特徴的ながらも、割合重厚な印象が強かった先代や、極めて特徴的な外観で好みが大きく分かれそうな新型GALA/SELEGAとは趣が異なり、外観は意外とシンプルな印象の車両ですが、実車を見ると構想図(これを最初見た時は、先代に比べてという気もしたのですが…)よりもずっと見栄えがする車両と感じ、Aero Aceに小田急グループ観光バス塗装の組み合わせもよく似合っていると感じたものです。
またAero Ace自体は小田急箱根高速バス以外にも、各地で導入が進んでおり、MAKIKYUも既にJRバス関東や東京空港交通、観光バス事業者の車両が走る姿を何度か目撃していますが、御殿場駅~東名御殿場ICという短区間ながら、先日小田急箱根高速バスで初めて乗車する事が出来ました。
(これだけ乗れば充分と言う方も居られるかと思いますが…)
これは御殿場駅で箱根方面へ向かうバス(山のホテル行きに乗車する前に、一本前の箱根桃源台行きにAero Aceが来ればと思っていたのですが…)を待っている際に、御殿場駅でほぼ同時刻に反対方向の新宿行きでやって来た車両に、箱根フリーパスで飛び乗ったもので、写真は東名御殿場IC(停車するのは高速を出入りするバスのみで、箱根方面へ向かうバス(箱根方面から御殿場を目指すバスも)はすぐそばを通過していきますので要注意です)でバスを下車した際に撮影したものですが、車内も蛍光灯が中央にずらりと一列に並んだ様子(写真はありませんが…)が特徴的でした。
ちなみに小田急箱根高速バスは高速バスとは言っても、先に触れた通り新宿~御殿場~箱根桃源台・山のホテル間の路線では、一部区間の実態は一般路線に近いものがあり、箱根フリーパスなどを所持していれば、通用区間内ではやって来たバスに一般の路線バス感覚でふらりと乗車する事も可能です。
(PASMOなども利用可能ですが、一般路線バスや一部の短距離高速バスなどとは異なり、運賃箱に直接現金を投入するのでなく、乗車券を発券するシステムは高速バスならではですが…)
この様にふらりとやって来たAero Aceに、手頃に乗車できる路線はまだ限られますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も箱根エリアを廻る際にAero Aceを見かける機会がありましたら、是非一度乗車してみては如何でしょうか?
(ただAero Aceは新宿発着路線だけではなく、羽田空港発着路線にも充当される模様で、MAKIKYUが先日乗車した車両(同ナンバー)が同線に運用された際の様子が、リンク先サイト様の「八草きよぴ非公式モリゾー愛ブログ」でも取り上げられていますが、こちらは路線バス感覚でふらりと短距離乗車する事は出来ませんので要注意です)