MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

JR西日本・新幹線0系電車~永年走り続けた元祖新幹線もまもなく…

2008-06-02 | 鉄道[新幹線]

  
 

もう一月程前の事になりますが、MAKIKYUが4月末に広島周辺へ出向いた際には、首都圏からの往路は、夜行寝台「サンライズ出雲号」と新幹線を岡山駅で乗り継ぐ行程で移動し、その際は九州方面へ向かうはやぶさ・富士号と異なり、サンライズ出雲・瀬戸号と新幹線の乗り継ぎは乗継割引も適用になりますので、MAKIKYUもこの制度を有り難く活用したものです。

岡山~広島間で新幹線を利用した際には、朝の岡山から下り方向(広島・博多方面)へは0系充当列車が2本運転されていますが、最も古い0系は車両の老朽化や、N700系車両導入による500系一部編成の編成短縮(16→8両)と山陽区間こだま号転用によって、永年走り続けた0系も今年秋には現役引退が確定しており、既に現在も少数が活躍するだけでなかなか乗り難い状況です。

ただ朝の岡山から下り方向(広島・博多方面)へは0系充当列車が2本運転されています(市販のJTB時刻表などにも充当車両が明記されていますので、時間さえ合えば捕獲も割合容易です)ので、MAKIKYUもこの列車を狙って乗車したものです。

0系は20世紀における世界の鉄道において、非常に大きな出来事とも言える1964年(昭和39年)の東海道新幹線開業に合わせて製造開始された車両で、その後モデルチェンジを重ねながらも、国鉄末期の1980年代中頃までずっと製造されていた新幹線車両で、新幹線といえば「元祖新幹線」とも言えるこの車両がまず頭に浮かぶ方も多いかと思います。

製造時期が多岐に跨っている上に、超高速走行で走行距離も在来線の比ではなく、車両への負荷も大きい新幹線においては、車両の寿命も非常に短く、一般的にその寿命は一部で使い捨て電車や粗製乱造車両とも言われ、平成生まれの軽量ステンレス製VVVFインバーター制御車にも関わらず、早くも廃車解体に追い込まれているJR某社の「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の元祖にも匹敵しますので、開業当初に導入された0系車両などは、同じ0系によって老朽取替えが行われた程です。

この事は1960年代の新幹線開業当初にしては、車両設計レベルも相当なものだった事の証とも言えますが、それでも1980年代にもなると客室設備などのグレードは開業当初の車両より向上しているとはいえ、様々な点で陳腐化も否めない状況になり、異例の同形式による老朽取替えまで行われた0系も、国鉄民営化を控えた1980年代中頃には製造が打ち切られています。

1980年代中頃の製造打ち切りまでの間には、延べ3000両以上が増備され、モデルチェンジの早い今日の状況を考えると、この記録が破られる事は当分なさそうですが、新幹線車両の寿命を考えると、物持ちの良さで知られ、驚く程の更新工事を施工して車両を長く使い続ける傾向があるJR西日本といえども、製造から20年以上が経過した今もなお活躍している0系が存在している事自体が驚異的とも言えます。

ちなみに今日活躍している0系は全て6両編成に短縮された編成で、3月のダイヤ改正時点で6両5編成(計30両)という少数勢力になってしまい、風前の灯とも言える状況で最後の活躍をしていますが、かつて組み込まれていたグリーン車や食堂車といった車両は既になく、普通車のみとなっています。

普通車のみが残存している0系も、今活躍している車両は通路を挟んで両側に2人掛けのリクライニングシートが並ぶなどグレードは高く、時間に余裕があればひかり号などの速達列車に比べて乗り得に感じる程で、内装も奇数号車と偶数号車で化粧板や座席モケットの色彩が異なるものとなっているのが印象的な反面、原型とは大きく異なるものとなっていますが、それでも船底形になっている天井をはじめ、車内へ足を踏み入れる際のデッキなども年代を感じさせられるものです。

塗装もグレーとグリーンを基調としたJR西日本オリジナル塗装(一部では「合併劇を繰り返した某大手都市銀行」をイメージするとも言われていますが…)に改められましたが、4月以降に0系全面引退となる秋まで使い続ける編成は3編成は順次今流行のリバイバル塗装に変更され、かつての紺色にアイボリーの装いが復活していますが、その一方で残る2編成はグレーとグリーンの装いのまま、今月には活躍を終えると発表されています。

4月に山陽新幹線で0系に乗車した際には、このリバイバル塗装編成も…と思ったのですが、やって来たのはJR西日本オリジナル塗装のR63編成、この装いの0系もまもなく姿が見られなくなりますので、こちらも良いものと感じたものです。

MAKIKYUの乗車した車両は昭和58年製造というプレート(勿論これ以外に車両更新のプレートもありましたが…)が付いており、昭和58年(1983年)というともう25年前ですので、この年代の車両はJR在来線や地下鉄・私鉄でも退役車両が幾つも発生している程で、山陽路で比較的ゆったりとした運用に用いられているとはいえ、新幹線車両にしては驚異的な長寿とも言えますが、R63編成はリバイバル塗装への変更対象からは外れている模様で、もうまもなく退役ですので、新幹線車両にしては随分長い間活躍したこの車両を労いたいものです。

また秋まで活躍する0系も無事に運行を終了し、有終の美を飾る事を願うと共に、機会があれば退役までの間にもう一度0系に乗車し、山陽路を走る新幹線の旅をのんびり(新幹線ですのでそれなりに早いですが…)と楽しみたいたいものた感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非現役引退前に0系新幹線に乗車されてみては如何でしょうか?


会津鉄道・会津浪漫号(車内編)

2008-06-01 | 鉄道[東北]

先日取り上げた会津鉄道「会津浪漫号」で使用される珍車群は、それぞれが展望車・トロッコ車両・お座敷車両に改造されているだけあって、どれも車内は特徴あるものとなっており、今日は先日の外観編に続き、この珍車群の車内の様子を取り上げたいと思います。
(ちなみにMAKIKYUが乗車した臨時快速列車では、展望車を除く2両は締切扱いでしたが、乗車時にはこれらの車両への貫通路も空いており、乗務員の方に許可を得て後2両の車内を撮影しています)

まずMAKIKYUが乗車した展望車「風覧望」ですが、こちらは会津若松寄り先頭部が展望席に改造されており、通常3両編成で運行される場合、会津若松行きではこの展望席が先頭に立ちますので、会津若松行き列車では展望席は特等席とも言え、MAKIKYUが乗車した臨時快速(会津若松行き)でも、展望席から真っ先に座席が埋まる状況でした。

 
展望席は床が段上げされており、回転式のリクライニングシートが3列配列されていますが、この車両の大きな特徴としては、展望席より前にある運転台がワンマンカーの如く左側半室となっており、この手の車両にしては珍しい構造と言えます。

右側半室にはベンチ(実質1.5人掛け程度の幅です)が設けられており、ここからは展望席以上に前面展望が楽しめる様になっている事も大きな特徴で、ここは座席のグレードこそ他に比べて大幅に落ちますが、「風覧望」に乗車する機会があるならば、是非一度は乗車したいと感じるもので、MAKIKYUも七日町で先客が下車してから会津若松までの1駅間だけながら、ここにも乗車して来ました。

展望席の後側には移設された客ドアが設けられており、その後ろにも回転式リクライニングシートの座席(座席自体は同一ですが、モケットの色が展望席と異なります)が並んでいますが、こちらも窓が大きく拡大され、座席が段上げされている上に、天井構造も改められています。

そのため客室内はキハ40形の原型は全然感じられず、新型の有料特急車に負けない程の状況(この事を考えるとキハ40系列の原型に近い車両を用いた、快速とほぼ同等でありながら急行料金を課しているJRの某有料急行は論外と言えます)で、キハ40形の面影を感じるのは会津田島方の貫通型運転台周辺のみという状況になっています。

中間に連結されたトロッコ車両は、客ドアが会津田島寄り1箇所のみとなっており、その他のドアは撤去されて、客室内はテーブル付きで向い合わせのボックス席がずらりと並ぶ形態になっていますが、キハ30系列の特徴的な外吊り式ドアや、先頭部の形状などはそのままで、客ドアは内側が白く塗装されて目立ち、木目調に改められた化粧板とは対照的です。

 
座席のグレードは見た所では、ちょっとクッションが入った程度のものですので、展望車やお座敷車両に比べて見劣りする感が否めないものの、この手の車両は一般の車両とは逆に「乗り心地の悪さ」を売りにする傾向があり、また他社のトロッコ車両では木製座席を用いている事例などもある事を考えると、グレード的にはこれでも充分過ぎるのかもしれません。

またトロッコ車両として大改造されているだけでなく、トンネル入線時には天井がプラネタリウムの様に変身する仕掛けも備えている様ですので、他社のトロッコ車両で見られる、天井の骨組みが剥き出しとなった車両などとは異なった楽しみがあり、キハ30形自体の乗車機会も限られる状況になっていますので、この車両への乗車も面白いかもしれません。

そして最後尾(会津田島方)には、軽快気動車AT-100形を改造したお座敷車両が連結されており、この車両も客ドアが1箇所に減らされていますので、外観を見るとドア撤去後が残っていますが、客窓が大きな1枚窓になっている事も大きな特徴と言えます。


それにお座敷車両というとJRのジョイフルトレインなどがあるものの、高額なグリーン料金を要する列車として運行される事が多く、会津浪漫号では普通運賃の他に300円の乗車整理券を購入すれば、会津若松~会津田島間を乗り通す事も可能な事を考えると、この車両は随分乗り得な車両の様に感じられ、MAKIKYUがまた3両の珍車群に乗車する機会があるのならば、今度は是非この車両に乗ってみたいと感じたものです。
(ただこの車両に乗車するのであれば、必然的に会津浪漫号に乗車という事になりますが…)

どれも個性的で興味をそそられる会津浪漫号で使用される3両の珍車群、見ているだけでも面白く、乗って楽しむのにも絶好の車両が連なっており、どの車両に乗ろうか迷ってしまう方も居られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様はこの記事を見て、どの車両に乗車してみたいと思われたでしょうか?
(この記事を見て「この車両に乗ってみたい!」と感じた方は、是非コメントもどうぞ)