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東京メトロ7000系(副都心線用)~副都心線開業と共に走り始めた改造車両

2008-06-17 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

14日に開業した東京の渋谷~池袋~小竹向原~和光市間を結ぶ東京メトロ副都心線(新規開通区間は渋谷~池袋、池袋~小竹向原間は有楽町線(新線)と呼ばれていた区間、また小竹向原~和光市間は従前の有楽町線と共用ながら、これも案内上は副都心線に含めています)は、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、開業初日をはじめ、数日間の間に既に乗車された方も居られるかと思いますが、MAKIKYUは開業当日こそ都合が付かず乗車できなかったものの、昨日ようやく乗車する事が出来ました。

その際に乗車した車両が、有楽町線用に導入された7000系を副都心線対応に改造した車両で、ラインカラーを新鋭10000系と同じ茶色(副都心線ラインカラー)と黄色(有楽町線ラインカラー)の組み合わせに改めているのが、外観上の大きな特徴となっています。

この車両は同年代の他線使用車両(千代田線6000系など)とほぼ同等の更新工事が行われ、下回りのVVVFインバーター制御化や内装の更新(副都心線対応改造以前にこれらを施工した編成もあり)が行われると共に、ワンマン自動運転に対応する設備を設けるなどの改造が行われているのも特徴です。

ドア上に2段式のLEDによる案内表示装置が設けられている点や、ドアチャイムが営団時代から用いられているタイプとは異なるもの(10000系とも異なります)になっている事などは、他線で活躍する同年代の更新車両と異なる点で、ドアチャイムに関しては別タイプが用いられるとは思っていませんでしたので、乗車した際は意外な感じがしたものです。

また副都心線は将来渋谷で東急東横線とも乗り入れを開始する予定となっており、その際は急行系列車こそ10両編成で運転される予定(現在の東横線は最大8両)になっているものの、各駅停車は8両で運行される予定になっている事もあって、現段階でも副都心線内発着や東上線志木発着、西武線保谷・清瀬発着などの各駅停車で、比較的運転距離の短い列車では、8両編成が充当されるダイヤが多くなっているのも特徴です。

これに対応する為に、副都心線対応の7000系は10両(7000系の元の編成)から中間2両を抜き取った8両編成になっている編成が多数存在している事も特徴で、この編成は副都心線開業と共に稼動開始していますが、8両編成である事を示す「8CARS」というステッカーが貼られているのも特徴です。

ちなみに8両編成へ短縮する際に抜き取られた2両は、物持ちの良さで定評がある営団~東京メトロにしては珍しく廃車(副都心線未対応で残存する7000系の一部は、今後編成単位で廃車する計画もある様で、東京メトロになって営団とは車両に関する方針が変わったのかもしれませんが…)となっていますが、こんな事をする位なら副都心線用に新製した10000系の一部を8両で製造し、7000系は10両のままでも…と感じてしまいます。
(ただ現在10000系の一部は中間2両を抜き取って暫定的に8両で運行しており、今後方針が変わって8両で新製される同系が出てくるかもしれませんが…)

また副都心線用に短縮された7000系改造車は、MAKIKYUが乗車した写真の編成(この編成は7000系の中でも割合後期の車両です)だけでなく、元は非冷房・2段窓の比較的古い車両も含まれており、この様な編成では編成内で製造年次が大きく異なり、外観も素人目に見て一目瞭然と言える程違う車両が組み込まれていますので、非常に複雑怪奇な印象があります。

この様は複雑極まりない副都心線のダイヤに劣らない程で、洗練された高級感のある新鋭10000系とは対照的ですし、8両編成は専ら各駅停車専門となりますので、地味な役回りとなりますが、晴れて開業した副都心線の裏方を支える車両として、今後新鋭10000系と共に末永く活躍する事に期待したいものです。

あと副都心線は、開業当日の見物客による「お客様混雑」による遅延は止むを得ないとはいえ、その後もトラブルが続いており、昨日MAKIKYUが乗車した際は昼過ぎの閑散帯にも関わらず朝ラッシュ時間帯の「お客様混雑」によるダイヤ乱れ(複雑過ぎる運行パターンや車両運用、小竹向原駅の配線なども影響しているのでしょうが…)が続いていました。

写真の保谷行きも、元々清瀬行きとして運行していた列車が、急遽行先変更となったもので、それも渋谷から乗車した列車は、小竹向原駅と練馬駅の到着直前で駅構内に入れず、何分も運転停車する有様でした。

昨日はその後も急行列車の退避を行う東新宿駅で、各駅停車が通過線に入ってしまうトラブルなども発生し、一時渋谷~池袋間で折り返し運転&他社線への振替輸送実施となるなど、一日中大きくダイヤが乱れ、競合路線の車内案内モニター(以下の写真)でも大々的に告知されてしまい、そのお詫びがHPに掲載されるなど、決して順調とはいえない滑り出しは、複雑な運行系統などが起因してダイヤ乱れや運休が勃発する事で有名な競合線区(○○新宿ライン)に劣らず…という状況で、少々残念なものです。

その後も停電事故などが発生し、連日ダイヤ乱れが続いてしまっていますが、早期にこの様な問題が解決し、日々定時運行が行われる状況となって、副都心線が首都圏の新たな大動脈の一つとして親しまれると共に、混雑の激しい都心部他路線の混雑緩和にも寄与する事を願いたいものです。