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こんな所にもペンギンの罠が…小田原~菊名・新横浜間でのICカード利用は要注意

2008-06-11 | ニュース記事講評

昨日MAKIKYUは日帰りで箱根へ出向いており、その際に乗車した交通機関などは追って取り上げたいと思っていますが、帰りに小田原駅からJR線を利用した際には、随分気になる掲示が出ており、今日ここで取り上げたいと思います。

気になる掲示とは、「小田原~菊名・新横浜間をICカード利用で移動する際の運賃」に関してで、MAKIKYUは日頃これらの駅を利用する頻度は少なく、さほど影響ない話なのですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、小田原駅や新横浜駅を頻繁に利用されている方も居られるかと思いますので、注意喚起も兼ねて少々取り上げておきたいと思います。

具体的な内容は写真を見ても分かるかと思いますが、ICカード(PASMO・ICOCA・Suicaなど)で小田原~菊名・新横浜間(JR線)を利用した場合、そのまま自動改札機にICカードをタッチして利用すると、自動券売機で乗車券に引き換えて利用した場合に比べて割高になるというものです。

この様な事例は他にも西日暮里乗換え(JR線の間に地下鉄千代田線を挟むパターン)などがあり、これはICカード利用時の運賃計算方法が一般の運賃計算方法と異なり、区間によって割高になったり、逆に割安になったりするというものですが、小田原駅に出ているこの写真の事例では、ICカードを直接利用する事で運賃上のメリットを得られるケースはなく、西日暮里の事例よりも更にタチが悪いと言えます。

しかも小田原~菊名・新横浜間でのICカード直接利用時に、損する金額は数十円程度の金額ではなく、片道だけでも結構大きな金額ですので、改札機にカードをかざすだけで乗れる便利さの代償としては、あまりに高過ぎると言えます。

ちなみにこの告知は券売機上にあったものですが、さほど大々的に告知されていない様に思えるのは、ペンギン(Suicaイメージキャラクター)が仕掛けた罠を敢えて目立たせない様にした上で、ICカード利用の促進にブレーキを掛けたくないからなのかもしれませんが、ICカードの利用が進む事で事業者側にも改札機メンテナンス費用(IC専用機はメンテナンス費用も割安)や、乗車券用紙代の削減(これは環境の面でもプラスです)、またICカード利用者が増加すれば券売機の設置台数も減らせる事等を考えると、敢えてデポジット(預かり金)を払ってまでICカードを利用しているユーザーに、寧ろその一部を還元して欲しいと感じるものです。

具体的にはICカード利用時に普通乗車券利用より若干安い運賃を適用する事(韓国・ソウルのT-Moneyなどで実例あり)や、一旦改札を出る事例も含めての最安経路の適用などが考えられますが、現状ではクレジット会員への僅かなポイント還元などに留まっており、それ以外ではきっぷを買わずに乗り降りできる便利さ以外はメリットに乏しい状況ですので、せめて「恩を仇で返す」とでも言うべきこの小田原~菊名・新横浜間の様な事例だけでも、特定運賃を設定するなどを策を講じ、何とか改善して欲しいと感じたものです。