先日「MAKIKYUのページ」では、群馬地区を走るJR東日本485系「リゾートやまどり」車内座席に関して取り上げましたが、今日はそれ以外の車内の様子を、その他車内編として取り上げたいと思います。
MAKIKYUは「リゾートやまどり」改造前のお座敷列車時代に、改造種車となった車両には乗車した事がありませんので、以前との対比などはできませんが、元々がお座敷列車と言うかなり特徴的な車両だけに、設備的にも一般の旅客車両には見られない設備などが多く見られるのが特徴です。
両先頭車先頭部は、展望席を兼ねたフリースペースとなっており、JR東日本の観光列車は先頭部を特定の旅客向けの空間とせず、乗客全てが利用できる空間とする傾向が強いですが、この「リゾートやまどり」ではこの空間にゆったりとしたロングシートを配しており、ロングシートというと一般的に低級な印象が強いですが、一般列車でもこれ位の座席を採用すれば、結構評判が良いかも知れません。
(現に最近までテレビ付き車両を走らせていた某大手私鉄などは、一部座席をロングシートに改造する際、ロングシートでもクロスシートに見劣りしない様に…と意気込んだ座席を設置している程で、ロングシート=粗悪とは限りませんので…)
車両自体の前面窓が比較的大きな1枚ガラスを採用している事もあり、この展望席区画からは最前部or最後尾の車窓が良く見え、長さは青函トンネルに負けない(?)吾妻線名物の樽沢トンネルを通過した際には、客室内の座席に腰掛けているとなかなか実感しずらい凄さを存分に堪能できた程です。
ただサンバイザーの枠やモニターなどが結構目立ちますので、前面に太い柱がある車両(251系やキハ72系など)に比べると良いとはいえ、前面展望の様子を写真撮影する際などは、相当なズームを使わないと邪魔が入ってしまうのは少々難点です。
また「リゾートやまどり」の列車前面には、車内側から前面窓の下の方に、列車名を示すプレートを掲出しているのですが、現在運転している2列車ではそれぞれのプレートを用意しているのではなく、2列車の列車名を片面ずつに表記した両面表記のプレートにまとめており、車内側からは特急「リゾート草津」の列車名が丸見えの状況でした。
今後「リゾートやまどり」「リゾート草津」の2列車以外に充当する機会が生じた場合は、新たなプレートが用意されるのか、それともプレートなしで運行するのかも気になる所です。
(その気になれば「快速」部分だけをテープなどで塞ぎ、「リゾートやまどり」表示とするのもありかもしれませんが…)
ちなみに展望区画のある先頭2両には、車端側に洗面所とトイレ(洋式/男性用)が備えられており、他に3号車に車椅子対応の大型トイレもあるのですが、両先頭車のトイレ近くにはベンチの様な椅子が備えられ、列車のトイレは結構順番待ちで立ったまま利用待ちと言う姿を目にする事を考えると、ちょっとした装備ながらも結構気が利いていると感じたものです。
そしてMAKIKYUが乗車し、他車両とは窓割が大きく異なる2号車は、「リゾートやまどり」が展望性を重視して座席を窓割りに併せて設置したため、前後の座席間隔が異様に広い事は既出ですが、この車両の3号車寄りには『ミーティングルーム「和」』と称する畳敷きのフリースペースが備えられています。
この区画は「リゾートやまどり」の種車がお座敷列車である事の面影を、乗客に訴えかけている様にも感じたものですが、個人的にはこんな中途半端な形で畳敷きの空間を残す位よりも、いっそのこと窓割が異なる2号車だけお座敷のままで残し、この車両だけグリーン車扱いにでもした方が…とも感じてしまったものです。
この他の中間車も、4号車にはキッズルーム(子供向けの遊び場)が備えられ、3・5号車には両先頭車の展望区画とよく似たロングシートのフリースペースがあるなど、ただでさえ2+1列座席で座席の前後間隔が広く、座席定員が少ない車両を普通車扱いにしている割には、随分
空間にゆとりがあるのは、快適性の面では大いに評価できるものです。
ただ設備的なゆとりと言う面では破格でも、車内の内装などはあり合わせを組み合わせた印象が強い上に、観光列車ならではの演出要素に欠けると感じる点は、他のJR東日本における観光列車と同様です。
そのためハード面では破格の設備を誇るとはいえ、デザインで注目を集めだけでなく、車内での観光列車ならではの演出要素が充実しているJR他社(今年に入ってから新幹線の延伸が行われた会社です)の観光列車などに比べると、鉄道好きの旅客はともかく、それ以外の一般客へ列車の旅ならではの魅力を訴えるには…と感じる所です。
今後JR東日本の「リゾートやまどり」をはじめとする観光列車は、ハード面だけでなく、ソフト面での質的向上も課題かと感じたものですが、そのためには相応のコストも要するかと思いますし、会社体質や経営方針、土地柄なども関係しますので、なかなか難しいかもしれません。
それなりの運賃・料金を要する特急「リゾート草津」はともかく、普通車扱いの指定席券さえ購入すれば、割安な青春18きっぷなどでも乗車でき、現に割安な青春18きっぷを利用して快速「リゾートやまどり」で乗車した事を考えると、支払った対価以上のレベルではあり、過剰な要求かもしれませんが…
今月中に乗車予定と言う事は、特急「リゾート草津」での乗車になりますね。
快速「リゾートやまどり」に比べると割高にはなりますが、それでもグリーン車ですら横4列席が当り前のJR東日本において、横3列席で普通車は破格ですので、運賃・料金を考えれば、出費相当かそれ以上のレベルには達していると思います。
ただ元々が古参車の改造で、ありあわせの座席を着けた電車ですので、観光電車ならではの雰囲気を求めると、物足りなさを感じるかもしれませんが…