MAKIKYUが先月末に青春18きっぷを利用し、群馬県の吾妻線を走る臨時快速列車「リゾートやまどり」号に乗車した際には、始発の高崎から終点の万座・鹿沢口(Manza-Kazawaguchi)駅まで乗り通したものでした。
(今後来月運転予定の「リゾートやまどり」は手前の長野原草津口駅止まりとなっており、同車両で運転される特急「リゾート草津」も長野原草津口までの運転です)
万座・鹿沢口駅は嬬恋村にあり、吾妻線の終点・大前駅の一つ手前にありますが、特急列車の終着駅で名前を良く聞くものの、列車交換設備もなく、駅係員による乗車券発売も行っていない小駅(ゲロゲロと鳴く両生類(?)による特急券や指定席券の発売などは行っていますが…)ですので、この様な駅である事を知らずに初めて訪れた観光客などは、相当驚くのでは…と感じてしまう程です。
昼間の時間帯は列車の運転間隔も大きく開き、定期列車は青春18きっぷが使えない特急列車を合わせても、昼間は最大で3時間程運転間隔が開く上に、駅周辺も徒歩圏には観光名所と言える程の見所も乏しいのが現状です。
そのため駅から離れた箇所に点在する観光名所への、乗り換え拠点的な印象が強いのですが、接続するバス路線なども相次ぐ減便などにより、運行本数も限られています。
今日では運行本数の限られるバス路線も、主に定期特急列車などに接続するダイヤを組んでいるため、臨時列車の「リゾートやまどり」で万座・鹿沢口駅に到着しても、車などでの出迎えがない限りは…というのが現状です。
駅構内にあるバス時刻表も空欄が目立ち、駅前のバス乗り場も複数の乗り場があるにも関わらず、設備を持て余していると感じてしまうのは寂しい限りです。
その様な状況を見越してか、「リゾートやまどり」の到着時には、駅改札前で観光協会の係員が出迎え、徒歩1分程度の至近距離にある観光案内所で名産のキャベツ試食を宣伝していたものでした。
無料で食べ放題のキャベツは、本場の新鮮な採れ立てだけあって美味で、20~30分程度の時間潰しには充分ですが、さすがにこれだけで1時間以上も時間を潰すのは少々厳しく、MAKIKYUは駅から徒歩7~8分程度の所にあり、源泉掛け流し温泉の立ち寄りが手頃にできる民宿に立ち寄っていました。
他には駅近くのコンビニ(セブンイレブン)が1件、それと数件の食堂などがある程度で、最低限の食事は可能ですが、観光案内所で時間潰しに困った「リゾートやまどり」の乗客が多数見受けられたもので、これではせっかく吾妻線に観光列車を走らせても、10月の運転区間短縮は止む無しと感じたものです。
今後万座・鹿沢口駅発着の臨時列車を走らせる際には、列車を走らせるだけでなく、臨時列車に接続する臨時バスを走らせるなど、交通機関の確保をはじめとした観光客の受け入れ体制強化が必須と感じたもので、今後の改善に期待したいものです。
父の会社の保養所が鹿沢温泉にある事から家族旅行(実際には従兄弟と叔母・祖母たちも加わったので親族旅行か?)で上野から急行「草津」で出掛けました。
確かに上野をターミナルとする特急や急行の終着駅にしては1面1線の簡素な構造には不思議に思ったものですが、列車が万座・鹿沢口駅に着くと鹿沢温泉行きのバス(確か国鉄バスであったと思う)の発車まで慌ただしく、駅をじっくりと観察する暇は無かったものですが、それだけに万座・鹿沢口駅は首都圏からの列車と温泉や観光地へのバスの接点であるイメージが強いものですが、そんなにバスが減便とは列車を利用する客が以前よりも多くは無い事を裏付けていますよね。
またまた私事で恐縮ですが、この旅行では帰りは鹿沢温泉から万座・鹿沢口駅には向かわずに信越本線(現しなの鉄道)の小諸駅に向かい、115系普通列車を乗り継ぎ、初めて碓氷峠を越えたものです。因みに私の碓氷峠体験は最初も最後も上り115系普通列車でありました。
現在万座・鹿沢口駅ではJRバスは撤退し、西武高原バスと廃止代替バスが少数発着するだけですので、最盛期に比べると相当廃れているかと思います。
群馬県では自家用車の普及率が高く、バスが県全体でも振るわない印象がありますが、これに加えて他所からの観光も自家用車利用が増えている事が、地域全体の観光が振るわない事に拍車をかけているかと思います。
おまけにJR側も首都圏から草津などへ高速バスを走らせ、吾妻線の定期特急は設備的にも陳腐であるなど、これでは鉄道ではなく他交通機関を…といっているに等しい状況ですが、リゾートやまどりの様な目玉列車を時折走らせるだけでなく、定期列車の質的向上にも期待したいものです。
万座鹿沢口駅、確かに寂しい雰囲気の駅ですね。特急列車の終着駅には見えないような、閑散とした駅前で、裏手には大きな崖があるだけです。
観光がマイカー利用にシフトした今、連絡するバスなどを組み込んだツアー型でしか、このような場所への観光客誘致は難しいのかもしれません。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc
万座・鹿沢口駅は特急の終着駅らしからぬ駅で、ローカル列車を含めても、列車を1本逃すと数時間も…という時間帯もあり、気軽に訪れて周囲を散策と言う雰囲気ではありませんね。
それでも駅近くにコンビニがあり、駅係員も配置されるなど、青春18きっぷでも利用できる特急が停車する駅などに比べると、まだ状況は良いかと感じます。
ただ定期列車(主に特急)には接続する路線バスもあり、一応観光地への結節点としては辛うじて機能していますが、臨時の観光列車はこの点も問題ありで、観光客受け入れに充分な態勢を取れないのであれば、臨時観光列車は長野原草津口発着にした方が…とも感じたものです。
万座・鹿沢口駅で何時間も暇を持て余す様では、観光列車を走らせて乗客を呼び込んでも、レールファン以外の車を運転できる人間は惨状に懲りてしまい、マイカー利用にシフトしてしまう気もしますので、何らかの対策が必要に感じます。