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JR東日本 E233系1000番台電車~京浜東北線に登場した新型車両

2008-01-22 | 鉄道[首都圏・JR]

  

先日MAKIKYUが小田急の地下鉄千代田線直通特急に用いられる最新型ロマンスカー・60000形MSEの試運転を見に行った日には、昨年末から走り始めたJR京浜東北線(京浜東北線とは旅客案内上の通称で、正式には根岸線・東海道本線・東北本線の3路線に跨って運行されています)の新型車両・E233系1000番台にもようやく乗車する事(姿は何度も見ていたのですが…)ができ、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

E233系はJR東日本の最新型一般車両で、通勤型と近郊型双方の用途に対応可能な4扉ステンレス車体の一般車両となっており、この点はこの車両が登場する以前にJR東日本が製造した首都圏一般型車両の仕様を踏襲しています。

E233系の導入は中央線快速(青梅・五日市線なども含む)に次いで2例目(この他にまだ営業運行には使われていませんが、今後東海道線でも運用開始予定です)となり、京浜東北線の車両は1000番台が付与されていますが、この車両が中央線に導入された同形式とはラインカラーの帯色や保安装置が異なる他、中央線と異なり分割併合を行う事がない事もあって、全ての編成が10両固定の貫通編成で製造されている事(中央線では一部編成が6+4両編成となっています)が挙げられます。

車内は優先席付近などが色分けされたE233系の特徴的な仕様は、中央線で活躍している同系の仕様を踏襲していますが、座席モケットはラインカラーに合わせたのか(?)、中央線のE233系で用いられたオレンジ系とは異なり、同系導入以前のJR東日本一般型車両を思わせるブルー系に改められていますので、一般客が見てもこの違いは一目瞭然で、また各ドア上に設置されたLCD(液晶)モニターによる車内案内表示装置も、中央線に導入されたE233系や、山手線を走るE231系500番台車をはじめ、最近首都圏の幾つかの大手私鉄などでも用いられているモノより横幅がやや大きくなっているのが特徴です。

中央線に導入されているE233系にも言える事ですが、座席の座り心地等もかなり改善されており、適度な硬さとも言える座席は京浜間で京浜東北線と競合し、最近は「ブカブカ」した好みが大きく分かれる異様な感触の座席が増殖している某大手私鉄との競合という観点でも、JR側に優位な材料となりそうです。

またガラスの四隅が角張っているのが特徴的な客ドアは客室側に化粧板が貼られるなど、線路が繋がっている同じ東海道本線でも西方を走る最新型通勤車両(E233系登場以前に製造されていた車両形式の百の桁と十の桁を入れ替え、頭のEを外した車両です)に比べると、外観・内装共に見劣りする感(好みもあると思いますが…)があるものの、それでもこの形式の内装は「某社レンズ付きフィルム」によく似たあだ名で呼ばれる事が多いJR東日本の首都圏一般型電車の今までの傾向に比べると、シンプルながらも全般的に高級化傾向がある様に感じられる点(今までが簡素過ぎただけかもしれませんが…)は、乗客の立場から見ても歓迎できるものです。

ただ敢えて難点を挙げるとすれば、真っ黒で特徴的な形状のつり革は好みが分かれるかと思いますが、MAKIKYUは従来のモノに比べて持ち難い感(つり輪の上にある押えパーツが丸みを帯びており、この部分を掴もうとすると手が滑ります)があり、これは見た目も含めてあまり好きになれませんし、JR東日本首都圏各線区での車両仕様標準化も影響しているのか、先頭車両は京浜東北線ではさほど必要ないとも思われる衝撃吸収構造を採用しており、この影響で乗務員室部分がやたらと大きく、先頭車両の客席が大幅に減少している点も、現在京浜東北線で活躍している大多数の車両(E233系1000番台導入によって順次淘汰)と異なり、座席数の少ない6ドア車組み込みを止めて補っているとはいえ、あまり歓迎できない点です。

それに省エネルギーの最新型車両でありながらも、今までの車両が運行コスト削減だけに力点を置いていた反省からか、E233系では電動車(モーター付き車両)の比率を上げており、これによって車両性能向上をはじめ、異常発生時の対応を考慮した事も起因しているのか、京浜東北線の従来車両で車内の形式標記ステッカー下部に誇らしげに貼られた「この電車は、従来の半分以下の電力で走っています。」(これは国鉄が製造した旧式の103系と比較しての話ですが…)という緑色のステッカーが見当たらない点も気になります。

とはいえ外観はフルカラーLEDとなった行先表示と客ドアガラス、それに前面形状を除くと、一般客には従来から京浜東北線を走っているワイドボディ車両(209系500番台)と大差ないにも関わらず、MAKIKYUが乗車した際には、途中から乗車してきた小学生が車内に入り込んだ途端、新車である事を実感して歓声を上げており、この事は一般客にも薄暗く質素な感が否めない従来車両と比べ、明らかに改善された車両という印象を与えているとも言えます。

MAKIKYUが記した様な多少の難点もありますが、全体的には従来車に比べて格段に改善された感がありますので、新車として導入された今だけでなく、導入から十数年にも関わらず外板が波打って見るに堪えない状況となり、故障なども多発して早くも廃車に追い込まれる従来車両の2の舞にならず、末永く沿線から愛されて活躍する車両になる事を願いたいものです。

写真はE233系1000番台車の外観と車内の様子です。



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10 コメント

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半自動ドア省略に疑問 (6994)
2008-01-22 18:02:53
 京浜東北線E233系は、中央線とは違い半自動回路がありません。しかし、冬場に大船などで折り返しを待っている間に、車内が冷え込むことが多いです。今後は乗客の高齢化なども予想されるので、汎用性を考慮しても、中央線配属車と同一仕様としても良かったのではないかと感じます。
 一方、座席の軟質化は大歓迎です。残念なのは、寒色化です。雨の日に暗澹とした印象を覚えます。JR東日本の新車でこの問題をクリアしているのは、同系豊田車と、E531系のみだと思います。
Unknown (M-T)
2008-01-23 00:23:46
見た目は従来の車両と大して変わらないようなところもありますが、車内に入ると一目瞭然ですね。
これからも愛され続けて欲しい車両です。

ちなみに、このE233系1000番代も実は出来た時から外板が波打っていました(笑)
http://image.blog.livedoor.jp/mitaka_tachikawa/imgs/d/b/db9a37b6.jpg
運転台の後ろの辺りに注目です。
コメントありがとうございます (MAKIKYU)
2008-01-23 12:43:13
皆様こんにちは、コメントありがとうございます。

>6994様
半自動扉スイッチの導入に関しては、これに不慣れな乗客も多数いるかと思いますので、メリットもある一方で、問題点も生じそうですが、冬季の保温に関しては、運行区間が寒冷地でないとはいえ、小田急線の様に長時間停車中は1両当り1扉を残し、後は締め切るといった事を行っても良い気がします。
また内装に関しては好みが分かれる所ですが、薄暗く無機質な感が否めなかった従来車両に比べると、シンプルながらも大幅に改善されている様に感じられ、適度な硬さの座席も好感が持てますね。

>M-T様
見た目はさほど変わらなくても、車内に入ると今までの車両とは…というのは、この車両に乗車すると大抵の人が感じる事の様ですが、今後も沿線に愛される車両として末永く活躍する事を願いたいですね。
またリンク先写真の波打った外板、営業運転開始前からこれでは…という気がしますが、それでも他車両に比べて外板が薄い事(1.2mm)もあるのか、遠巻きにも波打っている事が分かる車両がゴロゴロ走っている209系に比べれば、まだ程度は良さそうですね。
京浜東北線E233系 (Morizou128)
2008-02-12 20:37:28
お久しぶりです。

京浜東北線のE233系は数回乗車しています。正面の顔つきは中央線のE233系と比べても列車番号の位置が異なり、近郊形を思わせます。
乗り心地はだいぶ改善しましたが、座席モケットは従来のE231系を思わせます。もうちょっと京浜東北線のオリジナルのモケットがあれば良かったかなと思ってしまいます。
今後の展開に期待したい所で… (MAKIKYU)
2008-02-12 23:54:00
Morizou128様こんばんは。

京浜東北線のE233系は、ご指摘の通り従来の209系に比べて大分改善され、この点は大いに評価できますね。

また座席モケットは、一応E231系とは別物ですが、色彩が似通っているだけに同系を思わせるものがあり、寒々しいという評も一部では聞かれますが、こちらとしては、京浜東北線のイメージにマッチして悪くないのではと思っています。

ただ他路線でもこのモケットばかりとなればウンザリしそうで、JRの低コスト型車両をベースにしつつも、路線毎に座席モケットや化粧板などの色彩を変えて、路線毎の特色を打ち出している東急5000系列(乗り入れのY500も)などの様に、E233系も様々なバリエーションの内装が出てくれば面白いのでは…と感じ、今後の展開に期待したいものです。
(E231系の状況を見る限りではあまり期待できませんが…)
新型の顔 (mさん)
2008-07-02 14:34:37
環境にやさしい電車を作るのはいいと思います。
ただ、この車両、顔がちょっといまいちだと思います。昆虫みたいでなんだかにらまれている感じがして
ちょっと怖いんです。
前の車両はなんだかおっとりしててやさしいイメージ
でした。
だから、前の車両も少しでいいから残しておいて
ほしいのですが。
はじめまして (MAKIKYU)
2008-07-02 22:59:41
mさん様はじめまして。

ここで触れている「前の車両」というのは、退役した113系(オレンジと緑色の電車)を指すのでしょうか?

こちらとしては、113系をはじめ、現行の211系(3扉ステンレス車)などは、前面が貫通型になっていますが、これらに比べてこのE233系や、湘南新宿ラインで使用しているE231系などの非貫通車に関しては、実用面では評価できる面もあるものの、前面デザインに関しては…と感じています。

非貫通型の方がデザイン面での制約は少なく、その気になれば凝ったデザインも可能なのですが…
Unknown (mさん)
2008-07-07 15:13:53
ちなみに、前の車両とは、現在の京浜東北線車両の
209系のことです。
あの車両は、ライトが下にあるので顔が四角くても
おっとりして見えるのです。
しかし、新型のE233系はライトが上についています。
しかも、顔の外側の白い輪郭の内側が逆ハの字型に
なっています。これのせいで僕から見るとにらみつけられているように見えるのです。
だから、新型車両の顔は怖く見えます。
209系、なくなってほしくないです。 
確かに前面形状は… (MAKIKYU)
2008-07-08 12:11:10
mさん様こんにちは。

E233系は確かにご指摘の通り、現在走っている車両ではライトが上にあるのみですので、500番台車を含めた既存の209系に比べると、前面形状は違和感を感じるかもしれません。

ただ今度登場予定の常磐緩行線用車両の様に、逆ハ字型の窓ガラス形状で、ガラス下にライトがつくのも微妙な感がありますので、デザイン的には微妙な所ですね。

またこちらもE233系に関しては、デザイン的には決して好みとは言えませんが、車内設備面などでは大きな進歩(それでも他社に比べると難ありの面もありますが…)を遂げており、評価できる面もあると感じています。
(209系の状況がもう少し良ければ、下回り・内装取替えといった更新工事施工を施工し、あと10年程度使い続けるのが最も良さそうな気がするのですが…)
景観 (mさん)
2008-07-08 15:58:05
あともう一つ相談なんですが
E233系は車両の前面の窓が狭くて前面からは景色がよく見えないんです。
209系は窓が広いのでななめ下にある線路まで
よく見えます。
僕はいつも運転席を通じて前面から景色を見ています

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