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東武500系「Revaty」(2)~車内の様子

2017-05-24 | 鉄道[北関東]


先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた東武500系「Revaty」、様々な用途での活躍を想定した汎用特急車と言う事もあり、車内での飲食物販売スペースなどはなく、上り列車が下今市駅で併合作業を行うために停車している際には、駅売店係員が飲食物を購入される方は当駅ホームで…と案内する姿が見受けられたものでした。

そのため日光・鬼怒川方面への観光輸送に特化した車両と言っても過言ではなく、飲食物販売ブースや個室席などもある100系「SPECIA」に比べると、設備面では地味な印象が否めない車両と言う気もしたものでした。


車内に足を踏み入れると、デッキの配色は最近のJR東日本新幹線を連想する雰囲気、これはデザイナーの個性が現れている部分もあるのでは…と感じたものですが、個性の強さを感じるものではなく割合無難な印象を受けたものでした。


デッキに掲出されている製造メーカー銘板は、車号プレートと一体化しているのも大きな特徴で、今流行のステッカー式だと1枚のステッカーに両者が纏めて表記されている事も珍しくないですが、1枚のプレートで…というのは少々珍しいと感じ、更にその上には「Revaty」プレートも掲げられています。


また先頭車両の乗務員室背後は、2編成併結時に貫通路として通り抜けも可能となっており、これは東武が現在運行している新製特急車他形式にはない大きな特徴とも言えますが、貫通扉や助士席部分を含めて窓はなく、完全な「壁」状態で先頭デッキからの前面展望は全く望めないのは残念な限りと感じたものでした。


客室に足を踏み入れると汎用特急車だけに「SPECIA」の様な個室や併食設備はなく、ズラリと2人掛け座席が並ぶビジネス特急の典型とも言えますが、波型の天井は特徴的で、最近J-BUSが製造している高速/観光バス車両(日野SELEGA/いすゞGALA)の天井を連想させる雰囲気と感じたものです。


回転式リクライニングシートとなっている座席はひじ掛けのテーブルと背面テーブルの2者を装備、向かい合わせでのグループ利用時などでも難儀しない様に配慮しているのは、汎用車ながらも行楽輸送も考慮している事を実感させられます。

座席自体はシートピッチ1000㎜、JR在来線特急や小田急の特急ロマンスカーなどとほぼ同スペックとなっており、リクライニング角度もそこそこという印象を受けましたので、特急料金以外に特別料金(グリーン料金など)を課す車両以外では国内最上級の部類に属する「SPECIA」に比べると、残念ながらやや見劣りが否めないと感じたものでした。

ただ座席下の足元空間は空いており、長時間乗車でも狭苦しさを感じる事はない様に配慮されている辺りは評価できる所で、シートピッチは大差なく近年座面取替が進行している「りょうもう」の改装座席と比べても、「Revaty」の方が一枚上を行くと感じたものです。

背面テーブルには3両編成の各車にある車内設備案内も表示、近年標準装備になりつつなるコンセントは先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた西武40000系と同様にAC100V「60Hz」である旨も記されています。


列車の進行方向を示す案内は浅草方面/運河・野田市方面、東武日光・鬼怒川温泉・会津田島方面/館林方面/大宮方面と多数の駅名が並ぶ辺りは、汎用度の高さを生かし、様々な運転体系で運行する車両ならではと言えます。


また「Revaty」は最新型車両だけに外国語案内を含む自動放送に加え、次駅表示などの文字案内装置も装備していますが、LCDモニターではなくフルカラーLEDによる文字案内となっているのは少々残念と感じたものです。

 
このフルカラーLEDによる文字案内は、JR山手線の新型車両・E235系の外部行先表示器を連想させられ、デザイナーの影響もあるのでは…と感じたものですが、中国語・한국어も含めた4か国語案内となっている辺りは、不慣れな外国人観光客の利用が多数想定される列車への充当も考慮すると、評価できる事と感じます。

 
「Revaty」は東武が商標登録も行っている造語だけあり、中国語での妥当な意訳が存在しないのか、中国語表示でも「Revaty」とローマ字で案内されていたのは致し方ないにしても、한국어表示で読み方を記した「리바티」と表示する事も可能な中で「Revaty」と案内されている辺りは少々残念と感じたものでした。

「Revaty」に乗車した際の総体的な印象としては、日光・鬼怒川方面への観光輸送に特化し、私鉄特急屈指の設備を誇る「SPECIA」に比べると、汎用性を重視した車両だけに物足りない面も感じ、走り始めたばかりの新車故に現在は注目を集めているものの、「SPECIA」の代役としては役不足の面も否めないと感じたものでした。

ただ私鉄特急の中では最も陳腐な部類に属すると言わざるを得ない、先代りょうもう号用車両(1800系改造車)に比べれば雲泥の差かと思いますし、現行りょうもう号車両と比べても、様々な面で上手を行く存在と感じたものでした。

日光・鬼怒川方面への観光輸送に関しては、有料特急の料金設定は決して安いとは言い難い事も考慮すると設備面で秀でた「SPECIA」を主体に運行、編成長の制約上充当車両が限定される野岩鉄道~会津鉄道直通列車と、併結して下今市で分割・併合を行う列車などに「Revaty」を充当、また現在「Revaty」は午後割・夜割料金設定がないものの、今後新車熱が冷めた頃に「SPECIA」と料金体系を統一し、少なくとも同時間帯で「SPECIA」より割高な料金設定となる列車が出ない様にすれば…とも感じたものでした。

野田線(東武アーバンパークライン)方面への「Revaty」による短距離特急設定も、東武が新たな需要創出と沿線価値向上に取り組んでいる事の表れとも感じ、野田線に関する力の入れ方は以前の東武とは大違いとも感じています。

野田線特急はMAKIKYUの現住地(神奈川県内)や運行時間帯などを考慮すると非常に乗り難く、現行ダイヤのまま推移するのであれば乗車機会はまずなさそうな気もしますが、今後利用が定着するのか否かも気になる所です

また今春のダイヤ改正で車両代替されるのでは…と一部で噂されていた「しもつけ」は古参車両での運行が存置、「りょうもう」への充当も現在は限定的なものに留まっていますが、今後「Revaty」が増備された暁には「しもつけ」への充当や「りょうもう」充当列車の増加にも期待したいと感じたものでした。



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